本編(未完)
第零帖 雲隠(くもがくれ)
遠き空に雲がたなびき、紫の
頭上も足元も茫漠たる雲海の中。わたしの立つ地面には実体がなく、わたしの身体はただ宙空に浮いているばかり。
此処は何処だ。わたしは死んだのか。
「そう、あなたは死んだのです、
光る君……。何とも懐かしい名でわたしを呼ぶものだ。
わたしの愛したあの人は、この
「かの
わたしの魂は未だ
……やはり、そうであろうな。
父を裏切り、
「そうではありません、光る君。
時代。時代……とは、なんだ?
「あなたが最愛の
わたしも、あの人も、終わりの知れぬ輪廻の旅を続けているというのか。
教えてくれ、天の声よ。わたしは何処に生まれるのだ。いかにすれば、あの人と逢える?
「
平成……。平成帝の
「そうです。時代があなたを呼んでいます」
最後に教えてくれ。そなたは誰だ……?
「わたくしは、
藤式部……。
「
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