第8話 報告会
「ねぇねぇ」「なぁなぁ」
お互い同時に違う言葉だが被った。
俺が桜に譲ったので桜から話すことになった。
「今日学校どうだった」
桜が俺に質問してきたが俺も同じことを聞こうとしていた。
「この身体だから味わえた事もあったけど、やっぱり自分の身体じゃないからバレないようにしないといけないのが大変だったし、初日でもあったからまだ馴染めないな」
俺がそう答えると桜もうんうんと頷いていた。
「私も祐希の身体だからできるんだなって思うことも多々あったけど、思えば思うほど自分じゃないんだってちょっと悲しくなった」
桜のその言葉に俺も共感でき頷いた。
「でもね!今日隼人と一緒に初めてハンバーガー屋に行けたの!私自分の姿で隼人と二人で行ったことなかったから楽しかったなぁ。あっ!でも私祐希がテリヤキバーガー嫌いなこと知らなくて、テリヤキバーガー頼んじゃった。知らなかったからごめんね」
よく考えたら桜と隼人が二人でどこか遊びに行ったり、食べに行ったなんて話聞いたこと無かったなと今更だが桜に言われて気づいた。
「ならよかったな!まぁ隼人テリヤキバーガー好きだから同じの食べたんだろうなって話聞いてて思ったよ。俺も言わなかったのが悪かったし別にいいよ」
桜に隼人の話しなかったのが悪かったので別に責めなかった。
「そういえば、俺もあかりちゃんと最近できたクレープ屋に行ってきたぞ」
そういうと急に、桜のいや身体は俺だが表情が変わった。
「はぁ!行ったの!?ずっとあかりちゃんと行こうねって楽しみにしてたのに今日行ったの!」
相当楽しみだったようで大きな口調で俺に当たってきた。
「いや、俺だって別にクレープ屋に行きたかったわけでもクレープ食べたかったわけでもないけど、あかりちゃんが行きたいっていうから断りずらいだろう」
少し冷静さを取り戻したのか、大きなため息をついてからしょうがないかと一言いい落ち込んでいた。
「ごめんな。お前がそんなに楽しみにしてたのに行ってしまって」
桜が落ち込んだ姿を見てなんだが謝らずにはいられなくなり謝ることにした。
「しょうがないしいいよ。元に戻ったらまた行けばいいんだし」
桜は少し不服そうに話してたが許してくれた。
その俺たちの姿を母さんは見ていて笑っていた。
「あなた達の話を聞いて不思議な感じだし大変そうだなって思ったけど、普通は味わえない日常を送ってるんだもん戻るまで少し楽しんだらいいんじゃない。身体だってきっと戻るわよ。」
その言葉に俺も桜も共感して頷いた。
必ず身体を戻す方法を見つけ出すがそれまで母さんの言う通り楽しんでもいいのかもしれないと思った。
まだ不安もあるし戻りたいと思う時もあるが、それは俺だけじゃなくて桜も思っていることで当たり前のことなんだと思い少し気が楽になった。
「よし!そろそろごはんにしましょ!」
母さんの声で俺も桜も夜ごはんの準備を手伝った。
漫画でよく見るぶつかったら〇〇に入れ替わってるが自分達の身に起こってしまったら 金木犀 @drink100
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