第3話 話し合い
俺(私)達は朝を迎えた。
そしてお互い一番大事な事を忘れていた。
そう『学校』である。クラスも違うのでどうしたらいいのか、誰と仲がいいのか、入れ替わってしまったことがバレてしまったらどうしようなど不安ばかりが押し寄せてきた。
今日はお互い風邪と言ってお休みをもらい、話し合いをすることにした。
さっそく祐希のクラスである2組の話し合いからすることにした。
2組は比較的みんな明るくて元気なクラスでいいのだが、運動部の人が多いのもあって体育の時間はみんな本気でぶつかり合い妥協を許さない熱いクラスであると聞き、運動嫌いな自分にとってはゾッとする話であった。
そして次に祐希と仲がいい人の話を聞いた。
「俺のイツメンはお前も知っている、幼なじみの隼人と優馬っていう俺より馬鹿だがとても勘がいい奴が居るんだ、だから俺たちの事バレないように気をつけないとすぐバレるぞ」
祐希から祐希の友達の話を聞いて、隼人の名前が出た時ずっと隼人と一緒のクラスになりたかったので正直めちゃくちゃ嬉しくなったが、よく考えたら私は今から祐希にならないといけないんだと思い複雑な気持ちになった。
もう一人、祐希の友達の優馬というクラスメイトの人は分からなかったので祐希から優馬の席を聞いた。
優馬という人は勘がいいと聞き、内心自分の演技でバレないかとても心配である。
この事がみんなにバレてしまうとめんどくさい事が起きたり、話が嫌に大事になったり、馬鹿にされたりからかわれたりしたくないのでバレないようにしなければならない。
そのためにもお互いがお互いになりきらなければいけないし、気をつけなければいけない。
祐希にその他にも自分の座っている席を教えてもらったり、授業で今どの辺を進めているのかなど大事な事を色々と聞いた。
次に桜のクラスである4組の話し合いに移った。
4組は生徒会長や実行委員の人など上の立場の人がクラスで多くいるため、真面目なクラスではあるが正直ちょっと固くてたまに息苦しく感じる時があると桜から聞いた。
4組にいた俺にとってはもしかしたら苦痛に感じるかもしれないとその時悟った。
そして桜の友達の話も聞いてみた。
「私の友達の名前はあかりちゃんっていうの。
あかりちゃんはとても可愛くてやさしくて一緒にいて楽しいし落ち着く人なの。
いつも私の相談を聞いてくれたり、逆に相談してくれる時もあるんだよ」
そう桜から聞き、あかりちゃんという子とてもいい人なんだと桜の話を聞いて感じた。
一瞬そのあかりちゃんに俺(私)達の話を相談してみたら…と考えたが、やっぱりどんなに信用していてもこの話は普通とは全然違うから怖いと思い相談するのはやめようと思った。
その他にもイツメンではないが、仲がいい人の名前やどういう人なのか、どこに座っている席なのかなど色々聞くことができた。
祐希のクラスの話し合いの時と同様、自分の席の場所を教えてもらったり、授業がどこまで進んでいるのか聞いたが、思っていたより進んでいて驚きと諦めを両方一緒に感じた。
やっぱり4組は頭がいい人が多くようで、授業のペースが早いらしく2組でやっている授業は結構前に終わっていた。
2組とは全然違うのでこのクラスでやっていけるかとても不安だが、俺は桜として生活しなければいけないし、俺だけじゃなく桜も辛いんだと思うと頑張ろうと思えた。
そしていよいよ明日から祐希、桜の新しい学校生活が始まる。
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