第2話 身体の違い



あれから俺(私)達は自宅に帰ってきた。

あの後母さんに今日起きたこと、今起きていることを話して最初は疑っていたものの話を聞いているうちに驚きながらも信じてくれた。

病院の先生にも話したが、そんなドラマや漫画じゃないんですからと軽くあしらわれてしまい相手にしてもらえなかった。

結局病院では治してもらえないと悟り、自分達で戻る方法を探さないといけないと思った。



自宅についてまずお互いどうやったら元に戻るのかを探すことにした。

母さんは父さんに俺たちがお互いの頭がぶつかってしまい入れ替わってしまったと話してくれた。

父さんはというと、最初に母さんに話した時と同じ表情をしていて疑っていた。

だが、母さんの真剣さと俺(私)達の話し方や仕草を見て、一瞬驚いた表情をしたかと思いきやその後一度深いため息を着いて徐々に信じてくれた。

母さんが俺と桜にまずお風呂に入って温まって来なさいとお風呂を勧めてくれた。



俺は祐希だが身体は桜の身体である。

お風呂に入る前に妹から絶対に私の身体見ないでよ!と言われたが、見ないと身体を洗うこと出来なくないか?と思いながらなるべく見ないようにしようと思った。

だが一番困ったのは、女性ものの下着を着脱することだった。

一応今まで男だったので、妹のものだとしても女性ものを触るだけでも恥ずかしいし何だか悪いことをしている気さえした。

お風呂に入りながら、双子の妹だが一応女性の身体なので色々と複雑な思いと少し上半身に重みを感じた。

男は普通、その上半身に喜びを感じるものなんだろうけどこの身体は桜のものなのでそういう気にはならず逆に有難いと思った。

そして俺は上半身の重みの原因をすぐに理解した。

男性はここまでは無いので女性の身体になって初めて感じた重さにもっと労わってあげればよかったと少し後悔した。

なんだか自分なのに桜の身体の中に入っていると思うと恐怖と慣れない身体のせいで違和感があり夢であって欲しいと願わずにはいられなかった。



私は桜だが身体は祐希の身体である。

祐希がお風呂からあがり次に私もお風呂に入るところだが、自分でいうのもあれなのだが私も一応心は女性なのでやっぱり恥ずかしく、あまり見ないようにしてお風呂に入る。

お風呂に入りながら考えていた。

正直言いたくはないが、祐希の方が身長が高かったので周りの見え方が違かったり、女性の身体より大きいはずなのに軽く感じた。

男性の身体はとても筋肉質で少し力を入れるだけで結構な力こぶができたり、私が好きな筋が腕に見えたりやっぱり女性の身体とは全然違うなと改めて感じ驚いた。

女性の時は、毛を剃っているというのもあるが元々そこまで多くそして濃くなかったので男性の身体を見て、女性よりも毛が濃かったり少し多いところを見るとどうしても女性の時の感覚で剃りたいと思ってしまう。

男性の身体にはまだ全然慣れていないが、男性の身体にもいいところと大変なところあるんだと気付かされた。



入れ替わってしまうと、お互いお風呂に入るだけでもこんなに恥ずかしく大変なんだと初めて知った。

これからお互いもっと大変なことが増えるのだろうと思うとゾッとした。






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