漫画でよく見るぶつかったら〇〇に入れ替わってるが自分達の身に起こってしまったら

金木犀

第1話 入れ替わり



俺、私(達)は高校3年になった双子である。

俺は双子の兄で中村祐希、高校3年でクラスは2組である。性格は負けず嫌いで気が強いが思いやりがあるんじゃないかと思っている。

私は双子の妹で中村桜、高校3年でクラスは4組である。性格は少し気が弱いが祐希よりは頭がよくて面倒見があるんじゃないかと思っている。

そして俺(私)達は生まれてからずっと一緒に成長している。

小学校までは桜の方が身長は高かったが今では祐希方が高くなっている。

お互い同じ年齢ということもあって仲はいいが喧嘩もよくする。

喧嘩で多いのは食べ物とTVの事で、食べ物は好きな物がお互い似ているので喧嘩になりやすく、また観たいTVは逆に全然違うのでリモコンの取り合いになる。

お互い謝るのは気恥しくて今はあまりしないが次の日には仲が戻っている。

双子なので学校で教科書など忘れ物があっても、クラスが違うので貸し借りが出来るところがお互いとても有難い。

だが、性別が違うので体育着など着用するものは貸し借りが出来ないのでそこは不便である。



俺のクラスは2組で幼なじみや仲良くなった友達が居て毎日楽しくやっている。

幼なじみである隼人は家が近く小学校からの付き合いで要するに腐れ縁っていうやつで今でも仲がいい。

桜とも仲が良く今でもよく話してるところを見る。

隼人はムカつくがとても頭が良く、運動神経も抜群でイケメンである。そして優しいからモテる…。

だが今は彼女は居ないらしく、よく放課後はハンバーガー屋に行ったりカラオケに付き合ってくれる。

高校で仲良くなった友達の優馬は、俺より馬鹿だがとても勘がよく嘘をついていたり、クラスで好きな人が出来たり恋人ができたりするとすぐ当てることができる。

だから優馬には隠し事ができない。だが口が硬くむやみに誰かに話したりしないので良いやつだなと思っている。

他にも話したりする友達はいるがイツメンはこの二人である。



私のクラスは4組で、今まで仲が良かった友達とはクラスが離れてしまい悲しかったが新しいクラスで友達ができ毎日楽しく学校生活を送っている。

新しくできた友達のあかりちゃんはとても優しく、相談ものってくれたり逆に私に相談してくれたり一緒に居て楽しいし落ち着く。

あかりちゃんにも話した事があるのだが、私は祐希のクラスにいる幼なじみの隼人の事が小学校の頃から好きである。

本当は一度でもいいから、同じクラスになりたかったが結局一度も同じクラスにはなれなかった。

だが隼人は優しく廊下で会ったりすると話しかけてくれたり心配してくれたりしてくれる。

そんな優しい隼人の事が好きなのだがまだ気持ちを伝えられないでいる…。



今の季節は冬で今日も雪がしんしんと降っている。

私はあかりちゃんと帰りたいのだが、あかりちゃんは私のお家とは逆方向なので校門を出ると別れなければならない。

なので帰りはいつも一人か祐希とが多くたまに隼人とも帰れる時もある。

だが今日はばったり祐希と会い一緒に帰ることになった。

お互い学校での出来事や友達の話、私が隼人の話を振ると隼人の話などしながら家に向かう。

外は暗いこともあって足元をしっかり見ることができなかった。

いつものように歩いていた時だった───────

『ツルッ』

私の足元に氷があり滑ってしまい転びそうになった。

それを横目で見ていた俺はやばいと思い桜を助けようとしたが、俺の足元にも氷があったらしく俺まで滑ってしまった。

『ゴンッ!!!』

思いっきり勢いよく祐希の頭と桜の頭がぶつかってしまい倒れた。



「う、ううん」

俺(私)は偶然一緒に目を覚ました。

「ここは?俺はあれからどうなった?」

そう傍に居た母さんに聞くと、母さんは目を丸くして「俺?」と言い驚いてる様子だった。

その母さんの様子に不思議に思っていると桜が急に大きな声をあげた。

「えっ!!!どうして私がいるの!?」

そう俺に向かって指をさして言ってきた。

最初は「は?」と思ったがすぐに俺も気づいた。

俺の目の前にいるはずの桜が居なく、居るのは『俺』であった。

何が起きているのか分からずこれは悪い夢なんだと思いお互い頬をつねった。

お互い同時に「痛い」と口から出た。

俺(私)は悪い夢なんかじゃなくて、これは現実で漫画のような入れ替わりが今起きている事を知った。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る