転生し俳句世界に秋過ぎぬ
トラックに潰され哀れ俺は死に
気付いたら光の中に立っていた
どこだここ?俺は確かに死んだはず
「
突然に女の声だあんた誰!?
「秋雨や散りし命を天嘆く」
金髪に青い目をした女神様?
おいあんた俺は一体どうなって
……何か変、思ったように言葉が出
「五七五で喋る定めに
五七五!?何この世界マジこわい
「
だから何!?俺に何しろっていうの
「秋の野を踏んで荒らせし魔王軍」
「兵散りて
「民草は
「
「
「
はぁ、つまり、魔王が国に攻めてきて
そのせいで皆が苦しめられてると。
要するによくあるラノベ的なやつ?
この俺が勇者になって旅をして
元凶の魔王を倒せということか?
「聖剣とチート魔法よ
おぉ凄いこの剣俺にくれるのか
お決まりのチート魔法も使えるの?
よし行くぞ試しに開けステータス!
……ねえ何も起きませんけど女神様?
「秋
「
えっつまり?季語も入れなきゃいけないの?
ただでさえ字数縛りがキツイのに?
「
「
「立て
「
わかったよ行きゃいいんでしょウルサイな
秋ですよ旅に出るんだ俺勇者
焼け落ちた村の跡地に秋の風
秋ですねチートがあるとかそう言えば
秋めいて試してみるかステータス
【
【広域に
【
【
なるほどね?確かにチートだ秋だなあ
秋の雲さっそく転移魔王城
結界のそぞろに寒し城の外
秋風や魔物の群れが襲い来る
受けてみろ!
おぉ凄い楽勝じゃんか秋深し
「
何だって?
結界に踏み入りひやりと肌寒し
こっちにはチートがあるんだ秋の声
……おかしいな魔法が出ないぞ
「
えっマジでチート無理なの魔王城?
あっやべっ季語が抜けてた秋の宿
しょうがない剣で戦う秋の暮
秋の
さすが俺死屍累々の
しかし秋行けど行けども敵の群れ
五七五がそろそろ辛くなってきた
まして季語毎回入れるとか無理ゲー
確かホラ、自由律ってのあったじゃん?
分け入っても分け入っても魔王城
敵を斬っても一人
ぐっ何故だ!急に剣技が通じない
うぐあぁっ!俺の背中が地を削る
まさかこれ季語を言わなきゃ効果なし?
「季語なくば斬れぬ刃の
ほんとマジめんどくせーなこの世界
とりあえず秋って入れときゃいいんだろ
秋ですよ勇者が通る
大軍勢秋元康もびっくりだ
秋レスの如き強さの剣唸る
敵を
四天王容易く破り流れ星
渡り鳥最上階まであと僅か
魔王待つ屋上に出て秋の虹
秋空にエクスカリバー
散れ魔王!聖剣魔導紅葉斬り!!
秋風に溶けし悪鬼の断末魔
戦いを終えて見上げる秋の月
「人の子よ別れの
女神笑む揺らぐ視界に
「行く秋や平和の褒美に
「
転生は
秋過ぎて残る百句の旅の跡
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