第14話 ウィルス
世情不安があるでしょう
明日にもどうなるか わかったものじゃない
世界はまさに混沌だ
いったいいつから こんなのになったの?
わたしが幼少期の頃は もう少し世界は牧歌的だった気がする
気がするだけかもしれないけども
混乱のさなかで
共同よりは闘争で
わかってはいるけど
なにかつらい
社会はますます鋲系の先鋭を増し
一握りの強者のユートピアで
それ以外の大半にはディストピアで
わかってはいるけど
なにかつらい
腹を八分に満たす暖かいごはんと
美があったなら
もうそれでいいんじゃないの?
いよいよわたしには 皆目わからなくなった
微細な 生き物ですらないそれが
わたしたちに突きつけるのは
なぜ生きる という単純な問いだ
単純過ぎて平時には 忘れてしまうのだ
微細な 生き物ですらないそれを
わたしはひどく慄きながら
一方で
その生存と適応の美に圧倒される
ただ 共存などとは口軽く言うまい
わたしもまた生存をかけるのだ
この日々を自身の個人的哲学に消化し得るか
あるいは ただ心身を貧する過程なのか
どちらに転ぶかわからないが
わたしはわたしの生命に 睨みをきかす
じっと目を凝らしてやる
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