十一の月と十三日目


 国立リアド学園初等部一年 メリル・ラントル


 きょうは がっこうで だいすきの ひとの にがおえお かきました

 わたしは ぱぱの にがおえに しました


 ぱぱは けいびへいで まいにち もんばんお してます

 いっしょに あそぶのは すくない でも ぱぱは とても かっこいい です

 ほんとうは ちょっと さびしい です


 いつか ぱぱに にがおえお みせたい です

 かっこいい ぱぱお かけたから です


                 おわり






   ***






 メモ


 言葉を覚えたばかりの小さい子の日記は、読んでいるだけで和んでしまう。誤字脱字があっても、すごく可愛らしく感じるからだ。一方で、それが減ってきて、成長したなぁと思うと、ちょっと寂しく感じたり……。

 メリルちゃんの父親は、境界警備兵のソミーさんだ。安息日でもあまり休めないので、メリルちゃんは寂しい思いをしているみたい。


 でも、父の仕事がとても大切で、立派なことだということは、幼い彼女にも伝わっている様子で、ほっとした。ソミーさんと直接話したことはないけれど、私は毎日彼の日記を読んでいるから、よく分かっているつもり。

 とは言っても、やっぱりメリルちゃんはパパと遊びたいはず。マイルニさんを通して、そろそろ休暇をとったらどうかと、それとなく促してみようかな。


                 ノシェ































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