ゲームセット…3
あれから数日、部活の連中や俺のことを気にかけてくれていた先輩たちが代わる代わるお見舞いに来てくれた。
俺はその度に明るく何事もなかったかのように振舞った。
部活も正式に退部して、俺は生きる気力が湧かないままボーっと日常を過ごしていた。
「…天太。どう?気分は?」
「いつも通りだよ。そんなに毎日来なくても大丈夫なのに、母さんは心配性なんだよ」
お茶らけて話す俺を母さんは何とも言えない表情で見つめてくる。
やめろよ。そんな目で見られたら、俺が無理しているみたいだろ?そう思えて母さんから視線を逸らす。
ガサゴソと紙袋を探る音が聞こえる。
また暇つぶしのアイテムでも持ってきてくれたのかな?
入院中脚と頭の怪我以外は健康体な俺は暇を持て余していた。それを察したのか、勉強道具一式や漫画、スマホを持ってきてくれていたのだ。
勉強は馬鹿だから進んでやりたいと思わないけど、ノルマ化して少しずつやっている。娯楽は漫画とスマホだけ。漫画は新鮮だったけど、読み終わってしまえば暇になる。スマホもSNSを頻繁にチェックするタイプでもない。
ずっとサッカーしかしてこなかったからな…。
「姉さんのところの息子さん…、えーと、あ!そうそう!
「彰さんが?」
彰さんは、母さんの姉さんの息子で俺とは従兄にあたる。俺より二歳年上で今は高校三年生だったはず…。
「そう!これね、オンラインゲームだから暇をつぶせるんじゃないかって教えてくれてね」
オンラインゲーム?
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