ゲームセット…2
「…天太?」
俺の顔色に母さんが不安そうに名前を呼ぶ。
でも今は母さんのことは考えられない。だって俺は監督の期待を裏切ってしまったから。
「…負けた。小越高校が…、負けた…?」
鈍器で頭を殴られたような衝撃に俺はただただ唖然とすることしか出来なかった。
理解したくないのに、理解しなければならない現実が俺に襲い掛かる。
そんな中、更なる絶望が俺を襲う。
「今の状況で告げるのはあまりにも酷だと思いますが、お母様もよく聞いてください。」
神妙な声で話し始めるドクターに視線を上げる。
「渡会くんの脚の怪我が完治したとして以前と同じように走ることは難しいでしょう。リハビリさえ頑張れは歩くことは可能になります。普段通りの日常を過ごすことができますよ」
え?
俺、走れなくなるの?
「じゃあ…、先生、天太がサッカーを続けることは…?」
「…難しいですね。詳しい話は別室にて説明させていただきます。お母様はこちらへ」
・・・え、ちょっと待ってくれよ。
おい。冗談だよな?
サッカーが出来なくなるなんて、そんな…。そんな…!嘘だろ!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます