第22話 秘密基地

 夕食後、当然のように、寝室に案内されて、また、家に帰してもらえなかった。


 お父さんたちは、旅行から帰って来るために昼寝をしていなかったため、前の感覚でいうと、徹夜明けになる。

 寝室に通されて、すぐに寝入ってしまった。


 私は昼寝をしてしまったため一向に眠くならない。

 それに、夕食での出来事が気になっている。

 アルフになんと謝ったらいいのだろう?

 アルフが突然席を立ったのは、私の言ったことが原因だということはわかっているが、それがなぜなのかがわからない___。


 大体、もう、私の前に現れてくれないかもしれない。

 隠れ家の場所は知っているが、行く方法がないし、連絡先も知らない。


「アルフ___」


 なんだか悲しくなってきてしまった。

 いろいろありすぎて、情緒不安定になっているようだ。


「呼んだかな?」

「アルフ!」


 突然アルフが目の前に現れた。

 思わず大きな声をあげてしまうが、幸い皆んな深く眠り込んでいるようで、目を醒さなかった。


「なんでここにいるのよ!」


 私は小声で文句を言う。


「え?呼ばれたから?」

「あなた、また覗き見してたの?」


「監視だよ。監視。それより、ちょっと、つきあってくれないかな?」

「え?えッ?つきあう?」


 え?急に告白?お付き合いなんて、まだ、今日会ったばかりなのに・・・。

 でも、アルフが望んでくれるなら、私はつきあってみてもいいかなー、なんて!


「そんなに時間を取らせないよ」

「時間をとらせない?___どこかに行くの?」


 なーんだ。

 あるあるの勘違いか。

 でも、今は夜よ。

 こんな夜中に一緒に行こうなんて。一体どこに?

 もしかして、ラブなロマンスになっちゃう!


「ちょっと取り立てにね」

「取り立て?」


 取り立て?ラブなロマンスじゃないの?


「いいから、いいから」

「えっ!ちょっと!」


 私はアルフに腕を掴まれ転移していた。


「なんなのよー!まったく!それでここはどこ?」

「うーん。秘密基地?」


 アルフが秘密基地と言った場所は、大きな倉庫のような場所で、中には飛行船が格納されていた。つまり、格納庫か!


「これ、飛行船よね?」

「そうだよ。今からこれに乗って、夜の遊覧飛行と洒落込もうじゃないか」


 二人きりで、夜の遊覧飛行!やっぱり、ラブなロマンスなの?

 ううん。騙されないわよ。


「さっきは取り立てって言ってたけど?」

「まあ、まあ。乗って、乗って」


 アルフに背中を押されて私は飛行船に乗りこむ。

 飛行船の中は、高級クルーザーと言いた感じだった。乗ったことないけど。


「それじゃあ、出発!」


 床が開いて、飛行船はゆっくり降下していく。


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