9月20日
美咲は今日、いっぱい話してくれた。
クラスの担任に悩みを打ち明けてきたらしい。
私もそれに応えるように、いっぱい話した。
美咲が大好きだということ。
美咲のことを心配していること。
美咲が私に話してくれてうれしいこと。
思っていること全部を話した。
私は、どうなんだろうか。
笑うしか、ない。
どんなに苦しくても、悲しくても、誰にも話さない。
話せることじゃない。
もちろん、親にも友達にも先生にも。
話したら、どんどん悪い方向に行ってしまう気がする。
自分が、いってはいけない道へと進んでしまう気がする。
なんだか、毎日心がもやもやする。
疲れているのかもしれない。
下校中に人間の足が木からぶら下がっているような幻覚を一瞬見たり、何もないのに突然恐怖を感じたり。
霊感はないと思う。
たぶん、気のせいだとは思う。
それに、私自身無理やり毎日を過ごしているような気がする。
無理に笑顔になったりとか、思ってないのに口から言葉が出たりとか、ただしゃべっているだけなのにイライラしたりとか。
まるで私じゃないみたい。
ただ、美咲にだけは、仮面を外せるようにしようと思う。
憎しみも受け入れて、怒りも悲しみもうなずいてくれる親友に対して仮面をかぶり続けるのは、私が嫌だ。
「ユカちゃんは親友」
そう言ってくれたのが、素直に嬉しかった。
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