第1章 特別です 02

お茶を飲み始めるリエル。

後に続くようにティーカップに口を付けるティア。


「美味しい?」

「えっと…美味しい…のだと思います。比較する記憶がありませんけれど。」


それ以降リエルはまた黙ってお茶を飲んでいる。

その様子を見兼ねた1号が代わりに切り出す。


「まず、この御方はリエル様。あなたをお創りになられた女神様ですよ。」

「女神様…。」

「はい、ちなみにここはリエル様が住まう場所です。」

「その通り。」


リエルも肯定する。


「私は1号と呼ばれている天使です。私をお創りになったのもリエル様ですよ。」


リエルという少女の正体は女神。

白とも銀とも思える髪色。

長さはティアより長く肩を超える程。

瞳は透き通る青色で美しい。


「えっと…そのような御方が何故…いえ、それ以前に創ったとはどういう意味でしょう。それに起きる前の記憶が全くなくて。」

「そうでしょうね。本来あり得ないのです。ここで意識を持つことは。」


「1号。チャナを呼んで。」

話を遮るさえぎるように自分の要求をする。


「もう、急になんですか!チャナ様?どんな御用ですか?」

「呼んできて。」


唐突すぎる指示により、1号は嘆息しながらも扉の奥へ消える。

暫ししばしの沈黙の後、ティアが意を決して尋ねる。


「リエル様、私は何者なのですか。」

「ティアはティア。」

「そうではなくてですね。ええと、天使様もリエル様がお創りになられたと言ってましたが、同じく創られた私も天使なのでしょうか?」


首を傾げかしげてはいるが表情に変化はない。


「ティアは人類。」


天使ではなく、人類であると告げられる。


(人類?人間ではなく?他の種が混じっている?そもそも、記憶はないのに知識がある感覚が不思議な感じです。)


「ん。説明は後。」


リエルがそう告げるともう1つ椅子が現れた。

同時に扉が開き、凄まじい速度でリエルに飛び付いた。


「リーエールー様!お茶のお誘い?お誘いだね。嬉しいな。嬉しいよ。リエル様から誘われるなんて初めてじゃない?初めてだね?」


「ん。離れて。」

「相変わらず淡白だなー。」


リエルの素っ気ない態度に不満を訴えながらも、スッと離れ椅子に座る。

そしてぐっと反り返り、冷たい目でティアをジッと見つめ、不気味な笑みで言い放つ。


「で、これは何かな?何だろうね?」

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