第429話 【一緒に冒険・4】
その後、休憩部屋に入った俺達はお昼休憩をする事にした。
その際、レンが「久しぶりに俺も料理して良いか?」と言ってきて、一緒にお昼ご飯を作る事になった。
「レン君がご飯作るって珍しいね?」
「最近、全くやってなくて忘れかけてたからな、いい機会だと思ってな」
クロエからそう聞かれながらレンは作業を進めて、俺達は全員分の料理を作り終えて昼食にする事にした。
「それにしても、イリスの動き見てたけどかなり良かったぞ」
「本当ですか? ありがとうございます!」
「正直、予想を遥かに超えた動きだった。普段、訓練を頑張ってるっていうのもあるだろうけど、能力値を上げる【運命のダイス】はかなり強力な能力だな」
「はい。あの能力のおかげで、多少強い相手でも戦う事が出来ています」
能力値を二倍にするなんて、能力はかなりのレア能力だろう。
それにイリスのあの能力は、他の能力上昇系のスキルと合わせる事も可能だと言っていた。
これから先、そういうスキルも手に入れて行けばイリスは益々、強くなるだろう。
そうして昼食を終えた俺達は再び迷宮探索へと戻り、その日は一日迷宮でイリスの成長状況を確認した。
「ねえ、ジン君。イリスちゃんだけど、あの能力があるなら私達の仲間にするの早めてもいいんじゃない?」
迷宮探索を終え、宿に戻ってきた俺達はシャワーを浴びて夕食まで自由時間とした。
その際、俺の部屋にクロエがやって来て、イリスの仲間への合流について話をしてきた。
「その事だけど、俺も正直迷ってはいる。【運命のダイス】の力は、元々知ってたけど既に今の時点でもかなりイリスは戦力になれる力を持ってるからな」
「うん。私もそう思って、ジン君に提案しに来たんだ。今のまま経験を積んでいくのも大切だとは思うけど、現状イリスちゃんは一人で行動してるから、一緒に迷宮探索をして連携を磨くのも良いかなって思ったんだよね」
「まあ、それは一理あるな……イリスの考えとして、俺達と一緒に冒険がしたいから仲間は作らないって言ってたからな」
イリスを仲間にするというのは、再会して決めた訳では無く村にいた際にちょっとした約束をしてしまったのが原因だ。
その約束といのうは、もしもイリスが戦える力を身に着けて、俺達に付いてこれるようになったら一緒に冒険がしたいと言ってきた。
正直、まだ先の事だろうと考えていたが、イリスの成長速度は予想を遥かに超える速度だった。
「……仮期間を設けるのはどうだ? 正式な仲間というより、俺達と一緒に迷宮探索をして、動きについて来れるか見てみて、危険が無さそうならそのまま正式に仲間に加えるのはどうかな?」
「私は良いと思うよ。レイちゃん達も呼んできて、二人の意見も聞いてみよっか」
そうクロエは言うと、部屋から出て行きレイ達を連れて来た。
そして二人にも、イリスを仮で仲間に加えてみようと思っていると伝えた。
「私も賛成だよ。いつまでも一人だと、仲間との連携とか分からないままだし」
「反対はしないけど、イリスを仲間に加えるなら行く場所は限られてくるからそういうのは考えた方が良いとは思うな。俺達が今通ってる迷宮だと、最初の方でもイリスと力の差があるから一緒には難しいだろうからな、かと言って今日言った岩石山は俺達には簡単すぎたから良い所を探さないと仲間にしても意味が無いだろうな」
レイは賛成といい、レンは仲間にするなら良く場所を考えてからの方が良いという意見だった。
「レンの言う通り、確かに行ける場所は限られてくるけど、そこに関してはちょっと当てがあるから大丈夫だよ」
「というと、イリスを仲間に加えて行けそうな迷宮は既に検討がついてるのか?」
レンの言葉に俺は頷き、その迷宮についてはイリスも加えて話すと言い、夕食後にイリスも加えて話すと皆に伝えた。
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