第24話 サンタの街の合理化
文明の進歩は何処にでも押し寄せてくる。ここサンタの街も例外ではなかった。
「これからは、ネットショッピングの時代だプレゼントはネットショッピングによって配送される。我々は自ら配ることなく、パソコンの前でワンクリックするだけで良い。世界中色々な所に配送されるという訳だ」
サンタたちは、ついにプレゼント自動化という新たなシステムを獲得したのだった。
「これで不法侵入だとか、プライバシーの侵害だとか言われないで済むな。年末の寒い中、飛び回る必要もなくなったという訳だ」
「私たちはどうすればいいのですか」
声を掛けたのはトナカイ達である。ソリを引く事もなくなれば彼らはお役御免となる。
「すまないが。君たちには仕事が無い。申し訳ないがこれからは合理化の時代なのだ」
突然暇を出されたトナカイ達であった。サンタたちはトナカイに別れを告げた。
申し訳ないというサンタ。サンタはトナカイ達に退職金を支払い。その場を去った。
ところが、トナカイ達はサンタがさるのを待って電話を取り始める。それは宅配の連絡だった。
トナカイたちはささやく。
「サンタの奴ら自分たちだけが得をしたとおもってやがる。だが、得をしたのは俺たちも同じだ。これからは配達の時代。デリバリーの時代だ。これからは配達でひと山当ててやる。これで安い賃金でクリスマスに、こき使われなくて済む。合理化の時代さまさまだよ」
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