帝国歴740年 春 頭の痛い数字/危険な調合

 帝国勇猛社の契約社員が組合の発足前にも拘わらず、気が早いことに活動を始めて暫し。決算期が近づきつつある帝国安閑社の事務所では、アウルスが経理書類を眺めながら苦い表情を晒していた。


 余人の前では常に余裕のある、張り付いたような薄ら笑いを浮かべているアウルスであっても自分一人の執務室では素を晒す。いや、正確には晒さずにはいられない。出費の多さを鑑みれば、自分に素直にならねばやっていられないこともある。


 「……これ、株主から突き上げ喰らわなきゃいいんだが」


 決算書に用いる予定の経理書類。ほぼ決定稿である複式簿記様式の貸借対照表には、目を覆いたくなるような数字が刻まれていた。


 売上げはよい。数々のTCGがしでかした失敗を反面教師とした“征服と統治”は、参謀という全体に支援効果を及ぼす目玉要素を組み込んだ第Ⅺ弾“神謀鬼策の芽生え”の発売に至っても劇的なインフレを迎えぬままに売れ行きは好調。むしろ生産ラインの増大によるプレイ人口の増加、今期より始まった近隣属州への公式輸出、そして限定カードを餌にした大会によるカンフル剤も相まって歴代最高益である。


 やはり大会にスポンサーを募って広告を出したり、記念カードでスポンサーをモチーフにしたりしたのが――単なる絵違いで効果と名前は既存カードと同じにすることを落とし所として、遂にアウルスが折れた――利いた。この手の大勢、それも金持ちが関わる競技で利益を出したいなら、印刷部数と販売部数も大事だが、最も影響を及ぼすのは“興業”にしてしまうことだと実感できる数字だ。


 今の所、デッキアーキタイプは数多く、一強がのさばって環境が冷え切る気配はない。ネットによって最高効率のデッキが簡単に共有されぬことが、TCG事業の寿命を飛躍的に延ばしていた。今のところ、A・B・Cトリオが子供だった時のように、身内であれやこれや突飛なデッキを作っても、何とか戦えるバランスが奇跡的に成立している。


 また、ベリルが昨年「もう一人じゃ無理」と音を上げ、造詣の深い趣味人まで雇い入れて発足したカードデザイン部の貢献も大きい。


 何より金もあるからか、更にテストプレイ部も用意して事前に明らかに壊れた強カードが弾けているのが強いようだ。


 この手の競技性を含むTCGは一強アーキタイプが生まれると、一気に業界全体が冷え込むため関係者各位が必死でバランスを保とうとしている。


 三人もモチーフにしたTCGを遊ぶ上で、歴史としては知っているのだ。とある冬とか夏とか、仲良し無機物や後のギャルゲ主人公、そしてド腐れ鹿野郎などが暴れた結果、市場がどうなったかを。


 アウルスの好みもあって些か黒、理力の民が強い気があるが、カードパワーの問題より巧手が握れば下手なグッドスタッフデッキを凌駕する玄人好みな性質のため、差して問題にもなっていない。


 “禁止カード”を制定せずに済んでいることから、その安定さが窺い知れるであろう。


 懸念事項があるとすれば、下手に絵違いのカードなんて刷ってしまったもんだから、取引先よりの「家をモチーフに強カードを刷ってくれ」という圧力が以前にも増して増えたことか……。


 どうあれ断ることができる程度の政治的熱量エネルギーを持つアウルスは、曖昧な答えと笑顔で受け流しているものの、その内に何か考えねばならぬなと思うようになった。個人をネタにしないカード作りにも限界が来つつあるのは事実であり、同時に断るのも年々難しくなってきているから。


 話題が少し逸れたが、売上げは依然好調である。


 また、その他の生産品も全てよく売れている。ストーブや扇風機などの家具、マッチや麻布などの日用品、美容品事業は言うまでもない。茶会や夜会で一際輝く貴婦人に内心でハンカチを噛み破った奥様方が、旦那のケツを引っぱたかない訳がないのだから。


 今や新しい口紅や、来夏に先駆けてお得意様に試供品を提出したカラフルな爪紅マニキュアは、作った端から羽が生えたように売れていき、夏頃には爪に加工をしない婦人は貧乏だと噂されるようになるだろう。


 軍需向け製品も倉庫に詰んでおく暇がない程に捌けている。背嚢は生産が追いつかず、作れば作るだけ売れ――類似品は性能差によって軍が他を拒否する勢い――キャンプギア類も提案した所、兵士達から大好評であったためか大量の受注を得ている。


 またビールも試験期間が済み、昨年買った物を開けたら本当に痛んでいなかった――流石に味は落ちていたが――として海軍から凄まじい量の発注が来ている。ガイウスが増産したにも拘わらず数年先まで予約が詰まっているビールの予約が更に伸びたりもした上、付け届けとばかりに帆布などを帝国安閑社から購入してくれるようになったため、本当に売上げだけで言えば前年比の十倍以上である。


 問題は支出の方だった。


 資産は純資産と負債を足した物、という形式は残念ながら近代的な経済観を持つ人間だからこそ理解できるものであり――まぁ、21世紀になっても理解しない人間は多いが――設備投資に依る現金の著しい減少が大変よろしくない。


 A・B・Cトリオはこの一年で、それはもう大きな買い物をしまくった。


 大きいところで言えば探索者組合の会館設立のための諸費用だ。幾ら土地が治安問題で格安とはいえ、大きな施設を揃えたため施工費と人件費含めて結構な出費になった。その上で探索者達に配る装備を揃え、人数を雇い、完全子会社の帝国勇猛社設立の諸費用を計上すると壮園が小作人と奴隷込みで幾つか買える位の出費になった。


 剰え、それを実現させる前段階で蕩尽した予算も多いのだ。


 探索者を束ねることの根回し、無頼を集めて私兵集団に近い物を作ることを認めさせるための鼻薬、諸々認めて貰う交渉の場を作るための宴席費。これら全てを接待交際費として数え上げたら、とんでもない額になる。


 前世の普通の企業であれば監査法人の激怒不可避。上場なんて一瞬で取り下げられて、こわーい役所のお兄さんお姉さん方が段ボールを抱えて本社ビル前に列を作ること請け合いである。


 極めつけは、アウルスが議会に働きかけて“株式会社諸法”を制定させるための工作費だ。


 皇帝に頭を下げ、議員に媚びへつらい、護民官を口説き落とし、議席はなくとも市民から信頼を集める有力者に“株式会社”を帝国の法律に組み込む合意を得るのは大変だった。それこそ、私兵集団を一つ二つ持つのとは比べものにならぬ額を動かす必要があった。


 論ずるまでもなかろう。帝国のため、株式会社という制度にケチをつけぬため、健全な経済を護るためなれど、恣意的に法律を作らせるのは並大抵のことではない。


 相手も「ああ、確かにこれは整理せんと危ないな」と分かっても、一番困るのが結局はアウルスであるため勿体付けて金を引き出そうとする。


 貰えるなら貰ったれ、の精神は全世界共通なのだ。


 ギブ&テイクといえば聞こえは良いものの、薄ら暗い政治暗闘である事実は変わらぬ。これを帝国安閑社の金でやり、必要経費として計上し純利益を減らしたとあれば、出資者も苦言の一つも呈したくなるだろう。


 とはいえ、アウルスが受け取っている役員報酬や株式配当だけ処理できる金額でもないので――かなり身銭は切っているが――どうしようもないのだが。


 「配当は前年から減らさんで済むだろうが……毎年増えるのが当たり前という状況になれきってた株主共が、この売上増を見て配当増加がないことに文句を言いそうだなぁ……何かセンセーショナルな新事業でも考えにゃならんか?」


 今年もどれだけ配当が増えるか楽しみにしていたであろう株主諸氏を納得させるだけの演説を打つのは大変だ。原稿を考える作業を思えば、今から胃が痛い。


 この株式会社という制度を守り、将来にも渡って株主諸氏の財産を安堵するためと言っても、やはり手元に入る金が減れば文句を宣う阿呆はいなくならないのだから。


 広義の意味では設備投資費と言えなくもないが、やはり世間の人間を納得させるのは困難である。新規事業のため設備投資をして赤字を計上しただけで文句を言う層が現代にも尽きなかったのだから、この世界でも現れない理屈もなし。


 更迭されたり財布の紐が理不尽に硬い最高財務責任者を押しつけられたりする心配はなさそうだが、やはり難度が高い交渉に挑むのは気が重かった。


 「やっぱこれ、私だけ精神的負担大きすぎないか……?」


 経済、政治担当をすることは納得ずくであろうが、辛い物は辛い。


 特に今頃、ベリルは工房で無煙火薬作るわ! とアウルスから大量にむしり取った予算にて造った新しい設備を楽しそうに弄り倒している頃であろうし、カリスは慣れきった気楽な軍務に邁進している筈である。


 一方で自分は笑顔で嘘と毒を吐く百戦錬磨の政治的怪物であるオッサンやオバハンと面を合わせ続け、延々と楽しくもない話やら、年々断りづらくなる縁談を肴として精神的に不味い酒を呷って肉体を痛めつける日々が連なる。


 たしかにアウルスは内政ゲー好きで、若い頃は危うく受験に失敗しかけるほど“麻が来ない世界”に浸ったものだが、あれが面白かったのは極限まで面倒臭い要素を削られていたからこそだ。


 設備一個買うのにオドオドビクビクして、部下の機嫌を伺いながらやるのでは、独裁者も楽しくなかろう。


 「なんか、転生物ってこういうんじゃない気がする……あぁ……温泉行きたい」


 神の厚意によって転生する物語は、アウルスの記憶の中だと大抵は権力者に気に入られたら、後は後援者が完璧に便宜を図ってくれて実にストレスフリーだった記憶があった。大貴族だか大商人だかの恩を買って、トントン拍子にことが進んで鬱陶しい政治的折衝なんぞ考えずに済むのが普通だった筈。


 それがどうして、ここまでストレスフルになったのやら。仲の良い大貴族など、大抵の創作主人公が霞むくらい大勢居るのに――皇帝とも個人的な友人だ――どいつもこいつも使えない。


 いや、普通では絶対にできないことを相対的に気安く通して貰っているため役には立っているのだが、何かする度に求められる多義的なコストが面倒くさすぎるのだ。


 結局、前世でも仕事に疲れながら溢していたことと同じ愚痴を吐き出しながら、アウルスは株主総会の支度を続ける。


 愚痴ったところで仕事は減らず、厄介な案件も空気を読んで姿を消してくれはしない。ストレスのない将来を作りたいのなら、今の自分が気苦労と酒精で痛んだ胃と睡眠不足の脳に鞭を入れて努力するしかないのだから…………。












 工房の中でも一際厳重に隔離された、ベリル専用の個室にて鉄洞人の職人は上機嫌で多数の実験器具を手足のように扱いつつ鼻歌を歌った。


 その風体といい部屋の有様といい、最早ファンタジーの武具工房というよりも、第三世界の片隅アフリカとか南米で麻薬でも作っているようである。


 ファンタジーには不釣り合いな物品に対し、もう少し風情というものを……と苦言を呈したい者もいるだろうが、残念ながら浪漫で科学は成立しないためどうしようもない。


 不純物の少ないソーダ硝子やクリスタルガラスの製法を“偶然ゴミが混ざった原料が勿体ないから使ったらできた”という体で硝子吹きの職人に伝えたベリルは、無色透明の硝子で科学機材が山ほど作らせた。


 鉄を叩き、機械を削り出すだけでは届かぬ領域の工作に手を伸ばすため。


 ビーカーや試験管、オーソドックスな三角に始まり枝付き、三口など様々なフラスコ。大型の蒸留器や妖しい煙を立てる鍋など、様子を知らねば錬金術師が黄金や不死の妙薬を精製しようと、良からぬ物品を煮ているようにしか見えまい。


 しかしながら、実践されているのは単純な科学に基づく反応だ。


 「ふんふん、まぁこんなもんだな。下準備期間の実験通り……やっぱ家の職人は腕が良いぜ」


 ベリルは薬皿の中に乗った褐色の塊を眺めて満足げに頷いた。


 テルースにおいて最も先進的かつ実用性の高い火薬が、自らの手の中で生まれたからだ。


 全ては入念な下準備と、確かな職人の手による機器あってのことであった。


 さて、火薬自体はテルースにて既存の技術だ。帝国では発明されておらず、発明済みの東方大陸――奇妙なまでの相似性である――から伝わった“火の妙薬”として一部の人間が知るばかりである。


 然れども、それは一般人が火薬という単語を聞いて最も想像しやすい“黒色火薬”であり、性能は端的に言って高くない。


 製造は簡単だが湿気に弱く、硝煙も大量に発生する。更に重量比での爆発力も、21世紀地球の高性能な火薬とは比べものにならぬ。


 そして、ベリルにはそんなものを作るつもりはなかった。


 後追いはダサいとか、より優れた物を作りたいという格好付けによるものではない。


 製法が単純で素材が手近で手に入る物は、その有様と同様、簡単に模倣されてしまうのが目に見えていたからである。


 火薬だけをポンと用意されても、その組成を見抜くことは難しかろう。道具と違って分解することもできない薬剤は、製法と同時に伝わって始めて定着する。


 が、それは他の人類種に限定されることであり、鉄洞人にとっては鉱石に由来しているなら話が違う。


 指につけてペロッと味見してみれば、親方クラスの職人ならば硝石がベースになっていることが容易くバレてしまう。


 鉄洞人の味覚を軽んじることなかれ。ベリルでは未だ善し悪しくらいしか判断がつかないが、彼女の父、グインともなれば一口嘗めただけで鉄鉱石の産地まで当ててしまうのだ。多少混ぜ物で味が変わったところで、秘匿できるのは一月か二月が限界であろう。


 それこそマッチの製法なんぞ職人の間では露見して久しいのだ。今は株主の恩寵により大っぴらにコピー品が出回りはしないが、属州にどこの製品とも知らぬ物が流出しているのも事実。


 火薬なんて何にでも使えそうな素敵な品が出て来たら、好奇心旺盛な鉄洞人が味見しない訳がない。自分の工房でも作って、素敵な作品の糧にしようとするのは自明であるから。


 なにせ風の噂では、既にどこぞの工房が秘蹟に手を掛けたとさえ聞く。早晩、東から渡った火の妙薬は単なる量産可能な道具に成り果てることだろう。


 そんな物を作っても利益は然程上がらぬ。


 ならば、より高性能かつ科学知識がなければ、味見しようと分析できない品を作る必要があった。たとえ作り出すのに大変な手間が掛かり、大量生産するとなると更に厄介なことになろうとも。


 では、これが何かというと、火薬は火薬でも黒色火薬とは原料の時点で異なる火薬である。


 創作に触れて来た人間ならば割と知られている、硝石、硫黄、木炭の混合によってできる黒色火薬は、銃砲に用いる火薬として適しているとは言い難い代物だから、より優れた物を作り出した。


 それが薬皿の上にて完成した無煙火薬コルダイトである。


 無煙火薬と一口で言っても種類が多いが、その中でもダブルベース火薬と呼ばれる科学的に合成された火薬であり、ガスの発生量や硝煙が発生しない点など、あらゆる面で黒色火薬より銃の装薬として優れている。


 「頑張りゃ小学校の化学実験室レベルでも何とかなるもんだ。実際作れるよう、簡素な道具だけで練習しといて正解だったな」


 原料はニトロセルロースとニトログリセリンの他、黒鉛やアセトンにワセリンなど少量の安定剤。


 ニトロセルロースはセルロース、脱脂した植物繊維を硝酸と硫酸の混合酸に浸して作る硝酸エステルの一種だ。どれも劇物なので扱いは難しいが、入手も作成も簡単である。硝酸は親戚筋の山から購入できるし、硫酸も流通コストの問題で割高なれど、天然物を仕入れることができる。


 ニトログリセリンも扱いには最も慎重を要するが、原料となるグリセリンは迷宮産の捨て売りされている肉の更に価値のない獣脂から加水分解によって得られる上、もう一つの素材は先に用いた混酸なのでついでで済む。


 後はその二つに歴青天然アスファルト由来のワセリンを添加し、酢酸カルシウムを乾留して精製したアセトンで溶かして慎重に練り上げる。


 そうすれば褐色の安定した無煙火薬の完成だ。


 失敗しても死ぬことのない下準備空間で、本来ならば指どころか手首から先が吹っ飛ぶような失敗を経験しつつも製造方法を体で覚えたベリルは、不安を抱きながらも転生後の体でしっかり成功させた。如何に鉄洞人の体が頑丈とはいえ、強い衝撃を加えたり、火花一つ散るだけで腕がなくなるような工作をするのは度胸が必要だ。


 「本当はシングルベース火薬のがよかったが……ま、エチレン作るの大変だし、仕方ないな。ワセリンが“モドキ”に過ぎない品質だから安定性がチト不安だが、これでも上等上等……」


 出来映えには満足しつつも、小火器の火薬としては最良のシングルベース火薬を作れなかったことに悔いは残る。シングルベース火薬には、ジニトロトルエンという石油精製の副産物を原料とする高度な化学物質が必要なので、今の技術力では実現が困難だったのだ。


 それでも安定性、性能、どちらも黒色火薬とは比べものにならないので、上を見ればキリがない。人間、時には諦めも肝心だ。それに、将来的に火砲を造ることになったなら、此方ダブルベース火薬の方が推進力に秀でるため潰しも利く。


 必要なのは製造が困難で僅かにしか製造できぬ最適解ではなく、簡単に作れて数が用意できる次善策なのだから。


 どれだけ高性能でも、いざ実用段階になった時に「銃は二人に一挺だ」などとソビエト式物資節約術人命軽視を使いたくはなかった。


 「これで実験は最終段階に入れると……問題は」


 これ、扱いが慎重すぎるから適当な職人には頼めないんだよなぁ……と呻いてベリルが頭を抱えた。


 どうやら暫く、彼女は火薬を作る機械にならざるを得ないらしい。


 アウルスに頼んで器具に理力を付与させ、内部で摩擦による火花が発生しない混合器を作ればいいだけじゃん、と気付くのは大分後になってからのことであった…………。

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