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記録と記憶、感情が昇華して生み出された
人の全ての感情と記憶は無間の狭間に漂う大きな掌の上に置かれた皺一つ無いまっさらな一枚の紙に綴られている。
書き連ねていくうちに紙から言葉が漏れそうになると少しずつ大きくなって外へ外へ広がっていく。
ではその掌からも溢れるほど大きくなった感情は何処へ行くのか。
心優しいその両の手は、溢れた記憶達が無間に落ちないように掌からはみ出た箇所を幾重にも歪に折り重ねて掌に閉じ込めようとする。
そうしていくうちに言葉は混ざり、意味は歪み、真髄は砕けて粉となる。
累加し膨張するそれらを抑えきれなくなったそのとき、
混濁した記憶と感情の暴走が始まる。
正暦保全者 @4093
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