07
「うわっ!…もしかして私寝てた?」
気まずそうな顔と苦笑いを浮かべながらリリーさんが勢いよく起き上がる。流々川さんは慣れてる様子でそれをあしらうと小さな笑い声の和音が鳴る。
『
二人に促されC:Dを胸に押し当てる。それは元々身体の一部だったかのようにすんなりと身体の内へ入る。虹色の光が喉と胸に詰まったかのような息苦しさから思わず咳き込んだ。
「つかえる感じがあると思うけど直ぐに収まるからそれまでは我慢してくれ。
…やべっ。…鷹島屋さん?聞くの忘れてたんですけど今回のC:Dの能力ってどんなやつなんですか?」
『C:D名は【
“トレイスで構成された箱型の物体を12個刻みで作り出す能力”ね。』
「ワンダースクエア…ワンダース…ワンダース?」
辺りを静寂が包み、街角に静かな夜が戻る。そんな夜に申し訳無さそうな流々川さんの声が届く。
「な?だから言っただろ…大抵はこういうもんなんだよ。」
「ワンダースクエア!いいじゃん!ボクシーちゃんにピッタリだよ!似合うか似合わないかで言ったら…めっちゃ似合うよ!私の分のD:C作ってもらえばよかったなー。」
「リリーにはいらないと思うけど…。」
温かい笑い声が私達を包む。その後間もなくして衛生班の正暦保全者が到着し二人の傷は一つ残らず消え去った。
『
「お疲れ箱嵜。一応先輩として何かあったらいつでも話してくれ。出来るだけのことはやれると思うしな。」
「そうだねー。そうだ!戻ったらボクシーちゃんの歓迎会しようよ。会長とか蜜蜂ちゃんも呼んでさ!」
「リリーは会長を何だと思ってるんだ…?」
私達は三人欠けることなくバートンテイルへ意識を戻した。
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