06
静かに横たわるリリーさん。身体に残る幾重もの傷が心身の消費を物語る。安らかなその表情は何処か儚げで、命が燃え尽きたようなニュアンスを含んでいる。
「安心しろ。安らかな顔して“ただ寝てる”だけだ。」
気の抜けた笑いと共に流々川さんがそう呟く。「奴らがいた所に虹色に光る円盤があるから取ってきてくれ」その言葉に従い敵が倒れた場所を探すとその身は解れ跡形もなく消えていた代わりに、それが地面から数センチのところで浮いていた。
手に取った一瞬、その光が強くなり何事もなかったかのように元に戻る。それを手にして二人の元へ戻った。
「座ったままで悪いな。もう少し回復するまで待ってくれ。こんな形で何だが
C:Dは保全戦闘で
そしてこれを元に作られるのが俺たちを回復してくれてるあの女の子に使った
ここからはマイナス面の話。C:Dは一度身体に取り込むと取り出せない、…訳じゃないが取り出してしまうとD:Cに劣化して無駄になる。尤も戦闘スタイルに合わなくなったから取り出したい、ってことなら話は別だけどな。D:Cの方は消えて無くなって終わりだ。それなのに鷹島屋さんが回収しろって言ったのは、残したままにしておくと記録修復が面倒になるかららしい。
そして最後にいちばん大事なこと。それはC:Dの容量だ。
俺らの身体は痕跡索で構成されてるって何度も聞かされたと思うけど、それらは体と同時に記憶も宿してる。
C:D自体にはそれほど痕跡索が含まれている訳ではないがそれを取り込んだ時点でその数は激増する。もしもその量が身体を構成している痕跡索の量を超えたらどうなると思う?」
「…爆発…ですか?」
「フッ。爆発こそしないが、痕跡索が激しく混ざり合うことで記憶、記録、トレイス体のバランスが崩れて人の形を保てなくなる。まぁ広義的な意味での“死”という部分で言えば同じか。」
「だから
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