05
『
敵の攻撃が
「あ?またテメェの移動能力かよ。何がしてぇんだ、黙って殴られろよ。」
「分かった、分かった。動かないからそのご自慢の腕で俺を沈めてみろよ。」
左に現れた流々川さんに対して再度腕を振るう。先の戦闘で攻撃を当てた部分に付けられた赤丸の印が強い光を放つ。
「あ、悪い。先にやられた分返しとくわ。」
流々川さんが不敵な笑みを浮かべると腕に付いたその印から先が弾け飛び、最後にはあれだけあった腕の殆どが無くなっていた。
動揺して動きが鈍ったバルドゥーヤに追い討ちをかけるように拳を撃ち込んでいく流々川さん。
「クソっ、一体どうなってる…!?」
隣から響くイニサルドの狼狽える声。
先程まで圧倒的だった戦局は一転し、攻撃が全く当たらないリリーさんに何とか食い付こうとする敵の姿が映る。鉤爪と蹴りを躱す様子は見てから反応しているというよりも、“予めそこに攻撃が来ると分かっている”ような立ち回りだった。
ゆらりゆらりとその攻撃を躱しながら、ひとつずつ確実にその影を消していく。背後から飛んでくる銃弾さえ振り返ることもせずにやすやすと躱す。
リリーさんの上の雨雲がフラッシュを焚くように眩い光を放ち出す。
「ルル、いくよ。“
左から右へ駆け抜ける閃光。一筋、というよりも一本のという表現が似合うその雷撃は、けたたましい音を置き去りにして宙を走った。
敵がリリーさんの射線に重なったその時を狙って放たれた雷撃は敵の身を焦がし反撃の余地もなく地に沈めた。
それを見届けたのを確認し倒れ込むリリーさん。それを狙うように放たれた銃弾。流々川さんは彼女の身を守るため能力によって自分の元へ手繰り寄せる。同時に少女を壁に打ち付け気絶させる。引き寄せたリリーさんを抱き抱えると崩れるように倒れ込んだ。
強張って固まっていた足を叩き私もそこへ向かう。
『お疲れ様。衛生班の正暦保全者を向かわせてるわ。記録の修復も既に始めてる。
そうそう、二人共。今回の
そう言うと通信は切られた。
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