17:流星群

 ころころと地面を転がっていくどんぐりは、乾いた音を立てて坂を下っていく。少し経つと音が唐突に消えて、しぃんと静まったのちにぽちゃんと水の中に落ちる音だけが響いた。

 僕は改めて肩越しに背後を見やる。真っ暗な闇がそこにある。

 坂道をのぼっていくのにもちょうど飽きてきたところだ。先になにかあるのであれば、行くのはアリのように思えた。

 きっちりと身体を坂の下側に向け、もう一つどんぐりを取り出すと闇の中に投げ込む。そう経たないうちにぽちゃんと音がした。


 ――よし。


 僕は闇の中に一歩踏み出す。すると周囲の光が流星群のように後方へと流れていった。

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