15:おやつ
せめて何かおやつになりそうなものを持ち歩いていれば、と思ったが、部屋の中からいきなり外に連れ出されたのだから、当然持ち合わせているわけがない。出かける時にいつも使っている鞄があれば、飴玉の一つや二つ見つかっただろうに。好奇心に負けて準備せずに行動したのは失敗だったと思う。反省。
とはいえ空腹だ。諦めきれなくて、僕はポケットを探る。どんぐりだらけのそこはガシャガシャと音を立てた。やはり期待するようなものはない。渋々ゆっくりと手を引き出す。
袖口に引っかかったどんぐりがポケットからこぼれ落ちて、坂を転がり始めた。僕は初めて振り返る。
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