14:裏腹

 あてがあって坂を登り続けてきたわけではないものの、不思議と脇道が現れないのでまっすぐ進むことになってしまう。この道から逸れたいのであれば、鍵を使うしかないのだろう。

 しかしそんな諦めの気持ちとは裏腹に、安易に鍵に頼るのもどうなのかとも思っていた。必要とされるから導かれているのだとすれば、鍵を使った時点で僕はここを見捨てたことになる。それはちょっと情けないのではなかろうか。


 ――とはいえ、靴下はいよいよ穴があきそうだし、お腹も空いてきたんだよなあ……


 ポケットの中にあるのはどんぐりだけだが、それでお腹を満たすことはできない。

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