10:水中花
――超越者? 神隠し?
怪異の発する言葉というものは、僕自身の中にある言葉からニュアンスの近い言葉を拾って語りかけてくるものだと思っていたが、彼が何を伝えようとしているのか意味不明だ。よくわからないなりに想像するに、本来であれば僕はここにいないはず、ということか。
思案していることもあって黙ったままでいると、「あ」と短い声がしたのちに宙空に水の入ったグラスが現れた。仄かに光るグラスの中には花の形をした玩具が沈んでいる。花が水の中で咲く意味を考えていると、彼が話し出す。
「ボクが抱いた違和感は、君がこの花を見て感じたことと同じだろう」
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