7:引き潮
後から追ってくるものがいないように、僕はどんぐりを拾ってはポケットに入れていく。
今のところナニカが追って来ている感じはしない。空間を飛び越えてしまったようなので追うことができなくなったのだ――と思いたいが、これが引き潮時だと合点して下がったことをも期待する。
ナニカはおよそ人間ではなさそうな相手に思えた。その気になれば追って来られるんじゃないだろうかと考えられただけに、今後遭遇しないことを切実に願う。
そろそろポケットのどんぐりが溢れ出しそうだ。ずいぶんと集まったところで、花の匂いに心を奪われた。この甘ったるい花の香りには覚えがある。
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