5:秋灯
日が暮れ始め、景色が朱に染まり始める。紙飛行機が赤く燃えたように見えた。
視線が自然と引きつけられる。
ナニカの腕がこちらに伸びたことに気付けず、判断が遅れた。咄嗟に鍵を握り締めたままの拳を振り上げる。
ガチャリと金属音。
暗転。
――移動……した?
夜景の美しい日本庭園。灯籠に火が入っており、周囲を優しく照らしている。色づいた葉がはらはらと舞い落ちる様は絵画のようだ。
僕は目を動かす。
不気味なナニカの姿はないが、この薄暗がりに潜んでいる可能性は充分にある。
僕は大きく動くことはせずに、息を潜めて警戒した。
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