想起/想起の図書館その7
マズイな迷ったなんて言えないだけども。図書館の本が燃えているのもあるが、書架が倒れているのもあるから同じ道でたどっていくというのもなかなか難しい。後は単純に道なんて言うのは覚えらていない。
炎の中からナイフが投げ込まれる。炎の中でエーテルがごまかされていて索敵が全然出来ていなかった。すぐさまに防ぐが自分以外にでも守らないといけない対象がいる中で伏兵の可能性がまだまだいるのは結構マズイ。
「ひぃぃぃぃ」
さっき助けた子も怯えている。この状態が続くのはトラウマになるじゃないかって考えると恐ろしい。
敵が一斉に襲いかかる。一斉に掛かってくる攻撃を守りながらやり過ごす。その中で反撃の手を考えると僕のエーテルの刃だと手数の中で守る子に一撃が決まってダメになる。
助けた子を守るかのように後ろに一歩ずつ引いていくと、本棚に当たる。これ以上は引けない。
「どうすればいいのかな……?」
ここで応えなければダメなのは分かっているが上手く決められる方法が分からない。使いたくないだけどもなぁ……やるしかないのかな。
「あっ、本……」
本が落ちる。その本をその子は必死に掴む。
「助けてロビンフッド……!」
その言葉に呼応するかのように本が光る。炎によって燃えていく本は蘇生されていく。焼けていて失いつつある物語が復活していく。
その本から一人の狩人が現れる。その男から風のエーテルが込められた一撃が刺さり、突き抜けていく。
修正されていく。これまでの炎に囲まれ消えていくゆく中で人に応えるように。
「どういうことだよ!」
拘束魔術を仕掛けて一人抑えて、一人を自分のエーテルの刃を斬りつける。
別の本も呼応して湧き出ていく。偉人、理論らが抑えられることなく図書館を修復するべく動いていく。ある者は
「僕にも分からない。ただ、まぁ―――」
ただ、僕が考えるに。
「エーテルは人の呼応に呼応するだろうね」
そうして一つの伝令がやってくる。対象を問わずの誰にも聞こえる形で。
『伝令です。図書館の復旧システムが作動しました』
被害が消えていく。そして、敵は撤退を許さず取り押さえられていく。
「よし、送り届けるぞ!」
その男も頷き、走り出していく。
「すごいね。僕にとっては夢みたいだよ!ロビンフッドに助けられるなんて思わなかった!」
「本好きなのかい?」
その子は不安から抜け出したというのもあるがとびっきりの笑顔で喋っていく。
「僕にとって本で読んで出てくる人たちは、僕にはない素晴らしいものに溢れている。僕はいつかその人達みたいになりたいんだ!」
「なれるさ。その気持ちがあれば」
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