エーテルの縁/想起の図書館その6
「やっぱり私の見込み通りですね。貴女はエーテルの縁を辿ることが出来る」
「線ですか?」
アマノヌホコで投げる際に頼りにしている青い目の方から見えるエーテルの流れ。最初に見た時は分からなかったけども、その線に向かって投げるとエーテルが応援するかのように致命的な一撃を与えられる。ホームズらに聞いてもピンと来なかったからなんなのかは分からなかったけども。
「さっきの模擬戦の際にも使っていたのでもしやと。極稀にいるエーテルに対する感受性が強いいわゆる”天才”が」
天才という言葉はあまり聞きたくない言葉である。私にとってその言葉は日本にいる頃からの呪いじみたものに感じるからだ。
「その一握りの天才であっても必ずしもずっと見られるわけではない。ただ、私なら貴女にそれを強化してずっと長く見させることができる」
「出会ってすぐだと思うけどもどうしてそんなに考えてくれるのですか?」
敵がやってくる。いつものように線が見えるが、パーシヴァルがエーテルを行使するといつもよりもはっきりと見えてくる。
「私には私の目的がある。ただ、その中に貴方が関与しているだけです」
目的があるから動くという人は気が楽でいいです。ホームズといるとそういうのから無縁な人生を送れるじゃないかって考えるけども、結局の所私のこれまでからすれば、やり方としては手慣れている。
「その縁を辿って撃つと一撃が決まる……」
「力を使うのに躊躇しないですね」
「まぁ、別に」
日本にいた頃を考えると力を使うのに躊躇するのは理解できることだ。私も紆余曲折あって、こうして生きているという実感はある。
学校、お父様の職場……嫌な思い出といい思い出が温度感なく混ざってくる。幸福の隣に不幸が同じ顔をして立ち並んでいる。ごちゃごちゃになっているこの感覚は一生慣れない多分そんな感じがする。
周囲にいた敵はいまだに数が減らない。人形での感知を持ってしてもこの数は多く感じる、相当に数が多く動員している。
「エレナ先生から図書館の復旧システムが来るそうです」
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