模擬戦/想起の図書館その2
魔術というのは戦闘のためだけに使われるわけではないが、やはり物事をはっきり決める上や、魔術で簡単に人を害する事ができるということもあってか必要な技術。まぁ、それも電脳も同じではある。敷居が低く出来るとなるとやる人は多く出るだろう。
大学の施設の中に模擬戦用の部屋があり、色々なケースを対応することもあるが、今回はまっさら何も障害物のないところで戦うようだ。
「俺がトリスタン抑えての遠距離攻撃、アーサーとハーンが前衛やってホームズが後方支援でのバフ担当こんな振り分けでいいか?」
「問題ないと思うよ。ハーン、今回数うちらが不利だから。」
「どういうこと?」
「それはすぐに分かると思う」
そう言って、模擬戦が始まる。今回の相手はガッツリの魔術師だから電脳はある種のメリットになるはず。初見殺しを仕込んでおきたいな。
戦闘開始となると意味が分かった。
相手のパーシヴァルから繰り出されたのは5体の人形。全部が自分に向けて飛んでくる。そしてトリスタンからは弓から矢が放たれる。
「トリスタンの矢、結構やばめだから注意したほうが
「分からん殺し防いできたって感じだね!」
アーサーがエーテルの刃を一時的大きくし人形らを防ぐ。その隙を狙いこんでくるエーテルの流れ!
「槍使い!いいねぇ!」
ガレスの槍と接触する。アマノヌホコとシステムで単純な筋力だけで見れば押せるが、今の感触から言って、ガレスの槍も何かしらギミックがある。
青い目の方から見えるエーテルの流れから、ガレスに向けて放つべき流れが見える。
電脳のシステムのメリットというのは、身体にめぐらされた神経を拡張できる点にある。だから、今のアマノヌホコだとリーチの延長。そしてそこから放たれる叩きつける一撃。
ガレスが少し後ろに引くところにアマノヌホコの長さは延長されて追撃をする。火のエーテルによる火力支援の一撃。
ガレスのところに水のエーテルが流れているのを見る。それが槍先から流れているのを考えるとあの槍は増幅装置……
「まずい、トリスタン頼む」
弓の襲撃。ホームズの防壁の魔術を展開して直撃を防がれる。
「ちっ。すまん取り逃がした」
「銃も素晴らしいが、上に行くためにはやはり弓だよ」
モルドレッドとトリスタンがさっきから遠距離での戦いにずっと持ち込んでいる。
トリスタンの弓攻撃には結構えげつないエーテルの流れをかき乱すものを感じさせる。電脳メインで戦わざるを得ないか。
槍使いってことを考えると……近接に持ち込む!
トリスタンの方に槍を投げ込み、システムで高速戦闘に持ち込めるように割合を振る。
ガレスに対して間合いを詰めて、一発入れつつ、拘束魔術の応用で槍を取り上げて遠くに投げ飛ばす。
「そういうこと出来るの!?」
手数で押し切る。水のエーテルから考えるに受け流しで乗り過ごしている。ならば、数で押して、受け流しができなくしてやる。土のエーテル込みで物理、魔術両面でだ!
ラッシュを決めてガレスを戦闘不能に追い詰める。
「ガハっ!?」
背後からの槍の一撃、避けきれずに完全に致命な一撃をもらう。
「別に……人形の操れる数はまだまだありますので……」
6体目の人形があった。あんなに同時に動かせるってどういうことなの。
「流石だ。やはりパーシヴァルは素晴らしいよ」
モルドレッドもトリスタンに押し切れられて、ホームズ共々倒れる。
アーサーに向かってトリスタンの一撃を放たれるところ、パーシヴァルの人形を盾に防ぐが、他の人形に一撃を貰ってやられる。
「僕たちの勝ちだ。あっさり過ぎるだろうよ」
あっという間に形成が追い込まれた。エレナ先生が割り込み。
「勝負ありというところだね。君たち私が見ていたら落第だよ」
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