霜降 一センチメンタルの隔たり

 あんなにも暑く煩わしかった夏岸ナツの陽射しも、秋岸アキの終わりにはひどく懐かしい。無情にも手の届かぬところへ拡散してゆく熱に名残惜しさを感じたところで、もはやどうすることも出来ず、いそいそと冬支度を始めるしかない。


 過ぎゆく季節と迫りくる冬岸フユ

 四季巡礼シーズンの旅も、残すところあと僅かじゃ。





【秋の寄稿】


 すれ違い、決して追いつけない差、そして決して掴み留めることができぬ季節。届きそうで届かない心理的距離Mental Gapは、いつも一センチメンタル。


 ――『時間と距離のセンチメンタリズム論』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る