第75話 司令部制圧
何だか中が騒がしいな。話が違うぞとか、お前の所為だとか、聞こえて来るけど。その内にドカッ、バキッなんて聞こえてきて、最後には爆発音がしたと思ったら、壁を破って十人位が飛んできた。
穴が開いた壁からオリューカットマーが出て来た。
「全く、馬鹿な上に弱い者ばかりで困るな。私に反逆するとは身の程知らずが」
そんな台詞を吐きながら僕達の方を見るオリューカットマー。そして、
「ふん、この国の魔術も少しは進歩したようだな。下級の火球位しか打てる者しか居なかった筈だが。だが、私を相手にするのは無理だぞ。私はかつて、この国の最高魔術師を倒した事もあるからな。まあ、前世の話ではあるがな。しかし、この世界に帰って来た私には前世と同じ力がある。中々やるようだが、小僧、私と対戦してみるか?」
話が長いね。僕は有無を言わさず、神級魔術で気絶させたよ。中に残ってた九人も一緒にね。
コレで凡そ三千人近い奴隷が手に入ったよ。彼らは一方的にやって来て、僕の同胞を手にかけた。生かして捕えたのは死ぬよりも
性欲はあるけど、生殖機能を壊したから自分で処理する事も出来ない彼らを僕は奴隷として、アーマゾ・ネース国に送る事に決めていた。
アーマゾ・ネース国は、女王様が君臨し、騎士も兵士も王宮で働く人全てが女性だけの国だ。それも常夏なので、女性達は皆が薄着で過ごしている。そんな国だが、汚物処理等の汚れ仕事は男性の奴隷にさせている。あの国では男性奴隷は去勢された上に、片足の腱を切られてしまい、腱が再び引っ付かない様に処理されるのだ。逃げ出せない様にそうするらしいんだけどね。
今回は去勢は僕が代行しておいたから、腱を切って処理するだけで済むから高値で買ってくれると思う。あの国で侵略者達は苦しみながら生きて貰おう。そんな事をしても、亡くなった同胞は帰って来ないとか言う人も居るかも知れないけれど、僕は亡くなった同胞の家族達が生きていく為に、必要な事を実行するつもりだ。
僕の考えを、ボトル兄上も、ミレーお姉様も、そして婚約者達も賛成してくれたからね。
僕はそれから気絶した侵略者達を全て連れてアーマゾ・ネース国に転位した。いきなり現れた僕に騎士達が槍を構えて何者だと聞いてきたから、僕はラターシ王国とラスティネ皇国の【
「コルク国良爵、何用があってこの国に来られましたか?」
女王陛下は優しい声で僕に聞いてきた。
「はい、女王陛下。実は奴隷を買って頂けないかと思いまして、突然ですが訪ねさせていただきました。奴隷は我が国に侵略してきた者達で三千人弱おります。去勢は済んでおります」
「まあ、そんなに。ソレで一人に付きいくら位で売ってくれるのかしら? ちょうど今の奴隷達が年を取ってきたから入れ替えようと思ってたのよ」
「女王陛下、一人金貨一枚でどうでしょうか?」
「あら、それは高過ぎだわ。一人銀貨五枚が良いトコロでしょ?」
ここからは僕と女王陛下の駆け引きだ。結果は僕が負けた。歴戦の女王陛下は強かった。
「それじゃあ、一人銀貨二十枚で決まりね。でも、コルク国良爵、成人したらちゃんとした手続きを踏んで入国してちょうだいね。成人前だから今回は見逃すけどね」
「はい、成人前でも次回は必ずそうします。良い取引を有難うございました」
そして、侵略者達を引き渡してお金を受け取った僕はまた転位して皆の元に帰った。皆も既に転位で屋敷に帰ってたから、そのまま経緯を話して国王陛下の元に出かけた。
そして、侵略者達の処理を説明して、奴隷として売ったお金を陛下に渡して、遺族に渡して下さいとお願いした。
因みに、バイクや装甲車や戦車は
アーマゾ・ネース国に売った奴隷達の後日談だけど、自ら命を断つ者が多くいた為に、女王陛下が隷属魔術を使用して使う事を決定したそうだよ。売った僕にクレームの手紙が届いたけれど、丁寧に無視しておいたよ。
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