第57話 人材を集めよう

 住む家はまだ出来てないから実家にお世話になっている状態だけど、人材集めを始める事になった。


 先ずはラターシ王国での人材集めだ。実家の庭で行った募集面接は、執事、メイド、領兵、料理人、庭師、農夫が家での仕事をして貰う人達だ。

 

 執事面接には十五名の応募があった。そして、執事長としてセバスーン三十八才を雇い、その下で次代を担うバスチャン十五才を雇った。


 メイドには貴族子女からも応募があったけど、孤児院からの応募があったので、そちらを優先的に雇う事に。けれど、メイド頭としてとある男爵家未亡人のハーニャさん○二才を雇い、もう一人マアヤの幼馴染で、結婚した先で暴力を受けていたらしいイメルダ嬢も副メイド頭として雇う事に。コチラはイメルダ嬢の婚家から抗議が来たが、父上が公爵家の権限を発動して抑え込み、イメルダ嬢は晴れて自由の身になった。

 他にはメイドとして孤児院から五名のを雇う事に。

 

 料理人は副料理長が伝手つてを使って集めてくれた、五名をそのまま雇う事にした。


 庭師は実家の庭師の次男が来てくれる事に。そろそろ独立させようと考えていたらしく、良かったらと打診されたので即採用した。


 そして、農夫も孤児院から五名の男子(十二才〜十五才)と、二名の女子(共に十六才)を雇った。


 そして領兵だけど、これが一番大変だった。応募してくれたのは僅か三名。一人は元軍人だった人でラターシャお姉さまの知り合いだったので採用したけど、二名は只の冷やかしだったから不採用に。


 しかし、一名では格好がつかないし、領民が出来ても守る事が出来ない。せめて十五名は確保したいけどと悩んでいたら、マアヤが実家に知らせてカーライル伯爵領から二十名が応募してきてくれた。

 皆が真面目な気持ちで応募してくれていたので、全員採用したんだ。


 さて、ここで一つ問題が起きた。それはイジイさんが締群ていむしたガイアウルフだ。今やカインズ公爵家になくてはならない存在だからと、家族から連れて行かないでくれと泣き付かれたのだ。


 ソコでイジイさんに相談したら、群れのリーダーであるコタロウは既に僕の家族を上位として認めているから、イジイさんが居なくなっても大丈夫だとの事。けれども、ウチの妻達もガイアウルフとは離れ難い。ソコでつがいになっている四頭と、その子供九頭が付いてくる事になったんだ。


 そして、ラターシャお姉さまとマラヤが主導して家を建ててくれているけど、ソコに来ている職人さん達もウチで雇う事になった。皆が腕が良い人ばかりだし、八才のマラヤの言う事も素直に聞いてくれている。ウチの家を建て終えたら、自分達用に家を建ててソコに家族も連れて一緒に住んでくれる事になった。

 最初の領民さんだ。こうして、ラターシ王国でやる事を終えた僕は、ラスティネ皇国に向かった。


 ラスティネ皇国でも同じ募集をしたんだ。


 コチラはカリーナとサクラちゃんが中心に動いてくれて、応募して来た人達の面接を先にしてくれていた。何とサーパさんが。


 そして、最終面接を僕が行うだけで良かった。コチラは家の規模をラターシ王国よりも小さくするので、王国の時より雇う人数が少ないのも良かった。


 サクラちゃんの希望でマッシイ村から二百メートル離れた場所に家を建てる事になったしね。あまり大きな家を建てるとマッシイ村の人達も気後れしちゃうと思ったから。


 そうして、コルク・アキンドとしての地固めを僕は着実に進めて行ったんだ。


 でもソコに邪魔するヤツが現れたんだ。そう、皆が既に忘れているだろう、あのハラードが僕の爵位を自分よりも下だと思って横やりを入れて来たんだ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る