第18話 皆で覚えよう
部屋に入った僕は三人にソファに座ってと伝えた。そして、僕も対面に座る。
「えーっと、三人にはもう一度聞くけど、本当に僕が婚約者で良いの?」
マキヤが僕をキラキラした瞳で見て返事をしてくれた。
「私はコルクじゃないとイヤです。もうコルク無しでは生きられない体になりました」
いや、マキヤ。七才に向かって言う言葉じゃないから。
続けてマラヤが
「わ、私もコルくんが良いの。一つ年上だけど仲良くしてね」
と太陽の笑顔で言ってくれた。けど、マアヤだけが何も言わずに俯いてしまったんだ。
「マアヤ、どうかしたの?」
僕が聞くと俯いたマアヤの目から涙がポタポタと落ちた。そして、理由を語りだすマアヤ。
「コルク様、いえ、今は様をつけさせて下さい。私は二人の妹と違い元既婚者で、子供が死産だった為に離縁された者です。そんな私がカインズ公爵家の婚約者になんてなって良い筈がありません。それに年齢も違い過ぎますし…… ですから私との婚約は無しにして下さいね」
何だ。何を悩んでいるのかと思ったらそんな事だったのか。僕はホッとしてマアヤに言ったんだ。
「マアヤ、何を気にしていたのかと思ったらそんな事だったんだね。僕はマアヤが僕の事が嫌いで婚約なんてイヤだと思ってるのかと心配したよ」
「コ、コルク様! そんな事はありません。私はコルク様を心から愛おしく思っております。ですから、そんな事で片付けて良い問題じゃないのです」
マアヤは顔を赤くしながらもまだ言うので僕が反論してあげた。
「マアヤ、そんな事だよ。考えてごらん? この公爵家を継ぐのは兄上だし、兄上の婚約者は第六王女様だよ。確りと公爵家の体面は保たれているよ。僕は次男だし、先の事はまだ考えてないけど
最後に僕が小首を傾げてマアヤを見ると感極まったマアヤは僕を抱きしめてくれた。そして泣きながら僕に言ってきた。
「コルクが結婚出来る年齢の時には私はお婆ちゃんになってるけど、それでも良いの?」
「マアヤ、理由は言えないけどマアヤは僕が大人になってもお婆ちゃんにはならないよ。約束するよ、マアヤ。僕はマアヤを幸せにするって」
「ッ! コルク!」
泣きながら、僕を見つめているマアヤにそう言って僕は軽くキスをしたんだ。良かったよ。二次性徴がまだで。じゃないと大事な場面が台無しになるからね。(何かは聞かないでね)
そして、その日の夕食の時には
色々と先まで読んで動かれる
明けて翌朝。婚約したとはいえ、男女が同じ部屋で寝る訳じゃないからね。僕を起こしにマアヤだけじゃなく、マキヤとマラヤも一緒にやってきた。
そこで僕は前から考えていた事を実行しようと思って、忙しい父上と
そして、
「漢字魔術の初級を家族に教えたいと思います!」
って。二人の返事は……
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