第17話 兄上も婚約決定
こうして、僕は
皆が何故地下室に居るのか不思議そうにしていたのだが、全てを見ていた
『皆がコルクを連れて会いにきてくれて嬉しいよ』
『キャラ、これからもコルクの為になる事はマルコやヴァンを気にせずにドンドンやりなさい』
「はい、お義母様」
『リーン、貴女もよ』
「ええ、分かってますわ。お祖母様」
しかし僕には二人が見えているから違和感が半端ない。だって
『マアヤ、マキヤ、マラヤ、コルクをお願いね』
「はい、私達は生涯コルク様を支えます」
『あら、婚約者になったんだから【様】は要らないわ。呼び捨てか愛称で呼んであげてね』
「「「はい!」」」
そして、マアヤとマキヤはコルクと呼び、マラヤがコルくんと呼ぶようになった。
僕達がゾロゾロと地下室から出ると、
「キャラ、帰ってくるなり挨拶もせずにリーンまで連れて地下室に行ったのは何故なんだ? それにマアヤに良く似たこの
「あら、マルコ。女にはヒミツがあるモノなのよ。根掘り葉掘り聞くモノじゃないわ。って、大した事じゃないのよ。お義母様に帰ったら何をおいても直ぐに地下室に来るように言われてたのよ。この
「えーっと、母上。嫡男のボトルですらまだ婚約者が居りませんが、コルクは既に三人もと婚約が決まったと言う事ですか? リーンもそれを承知したと?」
「そうですよ、何か問題があるかしら? ヴァン」
「いや、この公爵家は俺が当主だと思っていましたが、実は母上が当主だったんですね?」
皮肉交じりでそう言う父上の横で
「どうやら私は育て方を間違えたようね! ヴァン、今からでも遅くはないわ! その意味の無い自尊心を叩き壊してあげるわ!」
どうやら父上の物言いは
そう言えば
父上もそれを重々承知していた筈なのに、仲間外れにされたと思って年甲斐もなく拗ねてしまっただけだろう。出した言葉は不味かったけど。
左の耳を
「婚約、おめでとう! コルク。七才で三人も婚約者が出来るなんてコルクは凄いな!」
「兄上、有難うございます。でも、兄上も夏にはご婚約でしょう?」
「何だ、コルクは知っていたのか。そうなんだ、ミレーとの婚約を夏にする事がようやく決まったんだ。来年からは学園に行くから一緒に登校する事になった」
「ミレーお姉様なら僕も嬉しいです。兄上、おめでとう御座います」
ミレーお姉様は実は第六王女様だ。兄上と同い年で、カインズ公爵領の中に土地を構えて住んでいる。第六の数字から分かるように、国王陛下のお手付きでお産まれになったので、陛下からの認知は頂けたけれど王宮に住むのはダメだと王妃様と第二、第三夫人から言われて、困った陛下が
そんなお姉様だが、天真爛漫で魔術はそれ程でもないが、刀術に出会って今も絶賛修行中だ。兄上とも仲良く稽古をしておられる。
そして、僕にも優しく接して下さる気さくな方だ。僕は心から兄上におめでとうともう一度言ってから、三人の婚約者と一緒に僕の部屋に向かった。
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