第4話 家族紹介

 祖父おじい様と別れて自分の部屋に入った僕は早速【魔術大全の書】を読もうと思ったけど、母上に呼ばれてしまった。

 広間に行くと祖父おじい様が祖母おばあ様と父上に怒られていた。部屋に入った僕を見て母上が僕に言った。


「コルくん、コルくんしか止められないわ~。お義父様を助けてあげて~」


 そう言って母上は僕を祖父おじい様がいる場所まで連れていく。僕は祖母おばあ様と父上に声をかけた。


祖母おばあ様、父上、どうかしましたか?」


「まあ、コルちゃん。良く無事で。ご免なさいね、マルコに無理やり連れて行かれたんでしょう?」


祖母おばあ様、違いますよ。僕が祖父おじい様にお願いして連れて行ってもらったんです」


「コルク、何だって地下室なんかに行ったんだ?」


 父上が聞いてきた。


「僕は見てみたかったんです。カインズ家に封印された書物を。だから祖父おじい様にお願いして連れて行ってもらいました」


 父上は僕の返事を聞いてウームと唸った後に言った。


「しかしあそこには悪霊ではないみたいが、霊体が二体も居ただろう? 怖くなかったのか?」


 そう言われて思わず祖父おじい様を見る僕。祖父おじい様は僕を見て言った。


「私の父上と母上をはっきりと認識出来たのはコルクが初めてなんだよ。私はちゃんと父上と母上の霊体だと伝えていたのだが、誰も信じてくれなくてな」


 僕はそれを聞いて驚いた。だってあんなにハッキリと見えたのに、他の人には霊体としか分からなかったなんて。僕は祖母おばあ様と父上に言った。


「地下室にいたのは間違いなく曾祖父ひいおじい様と曾祖母ひいおばあ様でしたよ。お二人がこの家を見守って下さっているみたいです」


 僕がそう言うと父上が驚く。


「なっ! コルクにはちゃんと見えたのか? それにどうしてじい様とばあ様だと分かる? 俺でも会った事がないのに?」


曾祖父ひいおじい様のお顔が祖父おじい様にそっくりでした。あっ、逆ですね。曾祖母ひいおばあ様も顔の輪郭や鼻筋を祖父おじい様が受け継いでおられます。それに、お二人ともとても優しく温かい雰囲気で僕を見てくれました」


「あら、まあそうなのね。ボトちゃんが怖がっていたから悪霊ではないけど封印しようと思ってたのだけど······」


「お祖母ばあ様! 僕は怖がってなんかいません!」


 祖母おばあ様の言葉に兄上が抗議の声をあげた。うん、僕もこのタイミングで言われたら抗議するかな。弟の前で言われたくはないよね。


「あらあら、ごめんね。ボトちゃん。でも封印しなくて良かったわ。お義父とう様とお義母かあ様に呪われるトコロだったわね······」


「あら~、コルくんだけズルいわ~。私もお会いしたかったわ~」


 祖母おばあ様、恐らく大魔術師だったお二人には封印は効かなかったかと思います。母上、ズルいと言われても僕も困ります······


 ここで、僕の家族を紹介しようと思う。

 先ずは祖父おじい様。

 先代のカインズ公爵で、今は父上に代を譲り悠々自適の生活かと思いきや、お城の魔術研究所の所長をやってます。得意なのは元素エレメント魔術です。

 祖母おばあ様は癒しの名家、ハウント伯爵家から祖父おじい様の元にとつがれた方で、癒しの魔術の達人と言われてます。名前はキャラメーナです。長いので祖父おじい様はキャラと呼んでます。

 そんな二人から産まれた父上は名前がヴァンで、現カインズ公爵です。年齢は二十九才です。得意なのは剣術。アレ? 魔術の大家なのにと思った方も安心してください。付与魔術が父上の得意な魔術です。

 そして母上。母上は現在二十七才にはとても見えない若々しい人で、八才の兄上と六才の僕の二児の子供を持つ元平民です。大恋愛(主に父上)の末に結婚されたそうです。おっとりした性格で怒ったトコロを見た事がないです。名前はリーンです。魔術は生活魔術と呼ばれる魔術が使えます。

 兄上は現在八才で、ボトルといいます。とても賢くて魔力も多く、既に火と風魔術を使用できます。弟の僕にも優しく色んな事を教えてくれる良いお兄ちゃんです。

 そんな家族に囲まれて毎日、楽しく暮らしております。


 

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