『指×康トップ会談』(指宿リノ/指宿瞳・PRテキスト)

指×康トップ会談 1

「よう、指宿いぶすき。お疲れさん」

「……お疲れさん、じゃないですよ。康元やすもとさん、なんで普通に居るんですか」

「ん? 居たらおかしいか?」

「おかしいでしょ。康元さんは『美女と野獣の仮面武闘スーツアクト』のキャラじゃないですか。わたし、『IDOLIZEアイドライズ』専属なんですけど」

「いいから座れよ、ホラ。飲むだろ?」

「遠慮なく座ります。……スミマセン、大関おおぜきのオレンジジュース割りを」

「お前……」

「何ですか」

「いや、いいけど、いいけどさぁ。それが一国の大臣の飲む物かよ」

「だって、もうね。バーで大事なお客様がお待ちっていうから、わたし、てっきり政界こっち関係だと思って、バッチリ政治家モードで来たのに。康元さんならスウェットで十分でした」

「それがお前、サプライズってやつだよ」

「そんなサプライズ要りません」

「何か奢ってくれよ、大臣様」

「イーヤーでーすー。康元さんの方が稼いでるじゃないですか」

「まあ、じゃあ、時空を超えた一夜に乾杯」

「一夜過ごさず帰りますけどね。かんぱーい」


「それでー? 今日は何の用でいらしたんですか?」

「んー? いや、お前がカクヨムヒロイン総選挙で頑張ってるって言うから、陣中見舞いだよ」

「またまた」

「どうなんだ、票読みは」

「いやー、なかなか現役の頃みたいには行かないですよ。あ、でもでも、聞いてくださいよ、康元さん」

「『聞いてくださいよぉ、康元さぁん』」

「……あのね、こないだウチのひとみが、現実の『=LOVEイコラブ』ファンの人達に見つけてもらったんですよ」

「ほぉ?」

「わたし、正直それに感動しちゃって。届くべきところにやっと届いた、って感じですよ。今、『IDOLIZE』で検索エゴサしたら、イコラブのまとめサイトがゴロゴロ出てきますからね。わたしと瞳のTwitter票も、それで少し伸びたんですよ」

「よかったじゃないか。じゃあ、女王様は今回も一位を取ってくれるんだな」

「そ……れ、は、わかんないですけどね。まあ、出来る限りのことを頑張ります」

「まあ、そういうわけで、だ」

「あ、何か企んでますね」

「お前、公演プロデュースしないか。な。せっかく時空を超えてアイドルが集まる貴重な機会だから」

「はいはいはい、出ましたよ。そう来るんじゃないかと思ってたんですよね」

「指宿リノプロデュース・『超時空アイドル公演』」

「何ですか、そのダサいタイトル」


(続く)

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