第362話  アル様マスク


8月17日(土曜日)


未明にリケットマスクが現れたラウナン王国の街ニベ。冒険者宿、森のたき火亭の五人部屋にコアさん、ニウさん、シズク、スフィア、俺で泊っている。


朝食を食べ終わった俺はその部屋に二度寝に帰ってきた。コアさんとニウさんにシズクとスフィアを街に連れてって遊ばせてとお願いした。俺はまだ眠たい。


ベッドに入って未明に言った言葉を思い出す。


・ネロ様に代わり天罰を与えるリケットマスク!


これ冗談じゃないわ。嘘いてるよコレ。濃縮嘘還元100%どころか生搾なましぼり嘘100%だ(笑)


ツッコミ入るレベルでネロ様に怒られそう。


何度も言うが神はばちを与えません。


神が罰を与えるんじゃない、人が自分の因果や巡り合わせで引き寄せると思う。縁の様に、吸い寄せられる様に。


今回の事も多分そうだ、検索も掛けてないのに『俺に知られるってどんな確率やねん!』とツッコミを入れたくなる。摩訶不思議まかふしぎな因縁で引き寄せられた出会いがそこにはある。


俺は神に何も言われてない。ネロ様に儂の代わりに天罰与えろとか言われて無い。神はそんな事言わない(笑)


俺自身が破滅に向かった時にもネロ様は顕現けんげんしなかった。顕現けんげんしたのはまだ現世の執着を残す荒人神あらひとがみのシュウ様だ。俺を見て気に入ってくれたのかクロメトの一門衆まで導いてくれた。


そういう事から神は罰を与えない。同じ様に褒美も与えない。全ての因縁や辿った人生は永遠に磨く魂のかてとなるからだ。わざわざ神が乗り越えるべき困難をつぶしに来たり、困難があるからと横道に逃がす様な事はしない。


神がどうのこうの言う奴は、本当に分かってない奴だ。どっかの本能に働き掛けるアプリみたいに教義には沁みる事が書いてあるんだろうさ。それだけ偉大な神が人の個人や種族だけに特別に便宜べんぎを図ると本気で思ってるからおめでたい。


その上にその神を信じないと不幸が訪れるだの、幸せになれるだの人を惑わす。神敵認定して異端だと攻撃したり口撃する・・・そんな人間的な欲を持ってるなら神じゃねぇよ!誰が言ってんだソレ。人間が会議で決めてんだろとツッコミたい。そんな偉大な神がなんで壺や絵画を買わすんだ。神を語る者が金品を巻き上げるために決まってる。


悟りを開く者は天上のハスの花咲く極楽浄土ってのは良いけど一代で悟って極楽浄土と思ってる短絡思考がおめでたい。気の短い人もいるから忖度そんたくしてるんだな。


アルマゲドンで善きものと悪しき者に審判を下すのは良いけれどどうも公平じゃ無い。人の事しか語らない。星は良き物なのか?太陽は良き物で月は暗いから悪しきもの卑しい者と古来から決めてきた人間なら月も滅ぶのか?


それとも全ての動物と世界は許されて、人間だけの審判を行うのか?万物の神がどんだけ狭量きょうりょうだ。どう考えてもそんなのは万物の神じゃ無い、逆に悪魔の様に思える。時代背景と人の我田引水の考えが見え過ぎだ。


きらびやかな服、荘厳そうごんな神殿、英知を結集した宗教的建物でも良い。人を圧倒し偉大さを思い知らせ帰依させる道具。欲や物質世界に訴える物など魂には必要ない。殊更ことさらにそれを見せる所ほど物質に毒されている。


北の海商王なんて宗教国の真実を見通してたよな。同じ様に俺を扱って〆られた。まぁそんな事は過ぎ去った思い出だ。


そんな人が作った教義が無かった時代。例えば原始時代の人は生き抜いた。生き抜いた上に進化して人類になっている。それこそが祝福だ。


原始人は進化して知恵を付けた。人を洗脳して搾取さくしゅする技術を覚えて、今もそれは進化している。見抜いた者は研究して新しい宗教を作る。そしてそれぞれがお互いに異端の邪教とののしり合っている。


テズ教、シズン教、シーズ教、パリス教、ラウム教、サンテ教、サルマン教、リケット教、聖教国、神聖国、神教国。


全ての宗教国が実在するネロ様をあがめてるのにそれぞれの教義が違うのは人により都合よく作られた証拠だ、俺の所は作られてもいない、宗彦さんの人生訓湯呑のパクリを改変してる。そりゃ山ほど生まれる訳だ(笑)


それを神はけがれと言う。

神は俗なものに関わるとけがれるのだ。故に神は助けない、救わない、罰を与えない。神に取って人間のそんな物はどうでもいい。どんな生き物も平等に生を受け、滅んで行く器の世界の俗世なだけだ。


俺は器の世界物質世界魂の世界精神世界を思うんだよ。


魂の世界を知らなければ、物質世界に囚われて己の一生が尽きるまで一分、一秒、たとえ一呼吸でも生に執着して頑張って生きようとするだろ?死が怖い物に感じられて死から眼を背けようとする筈だ。そして死について向き合って考えてみると気が付く。人は全て一回生まれたら一回死ぬ事に。気が付けば与えられた時間を精一杯生きようとする筈だ。


それは生ある時間を大事に過ごし魂を磨く時間になる。


そこまで考えられて器の世界は創造神様に作られたんじゃないかと思うんだよ。限りある生を混沌にさいなまれながら精いっぱい生きる。そうあるべきなのが器の世界ではないかと俺は考え始めている。


タナウスの超先進の星で作られたコアさんが認めたPerfect World完璧に調和した世界なのだから。


魂の世界から器をネロ様に与えられ、魂のことわりを知ってる俺が世にぶっちゃけて良い話でもないと思う、だから得意になって教えない。神を信じ神の御座おわす世のことわりを知りたい聖職者が乞えば教えてあげる。


俺だって器だ、立派な者じゃないから物質や執着に毎日引っ張られてる。俺も懺悔ざんげしたお父さんも一緒なんだよ。


神のゆりかごで同じ器として磨く同志だ。悪い奴らも同じ器として逆ベクトルで磨く同志だ。そんな逆ベクトルで磨く同志には正の方向へ導く倍返しのベクトルを合成してあげる。


俺が寄り添って懇切丁寧に叩き直してやる。



リケットマスクは己の視たくない奴に罰を与える。ネロ様の代わりに罰を与えない。この星に一緒に生きる同士に寄り添って罰を与える。


ぶっちゃけ正直にそんな事言ったらさぁ、とんでもない野郎になってしまうから言えないんだよ。オブラートに包んで言わないとダメなの。


何の事かって?


・・・試しに言ってみよう。



守備隊に聞かれる。


Q:お前は誰だ!


A:ムカつく奴を〆に来たリケットマスク!


お縄に付いたのはリケットマスクだった。


ウケル!俺の方が悪人に見える。だから以後もしかたなく嘘を吐き続けなくてはならない。しかたなく神に与えられた加護と恩寵で嘘を吐き続けないといけないのだ。


だからネロ様という錦の御旗を振り回して言う。


Q:お前は誰だ!


A:ネロ様に変わり天罰を与えるリケットマスク!


ちょっと嘘100%は流石に不味いな。


A:ネロ様の使徒、リケットマスク!


これでしょ?嘘言ってないよ。オブラートに包んで良い感じ。ネロ様の使徒だし。ホントだし。但しやる事はムカつく奴を〆て回るリケットマスクだ。神の仕事は代行してないとか、個人的に来ただけだとか勘違いしてるとか、守備隊にソレチガウと正直に俺の使徒としての立ち位置を教えなきゃ正義っぽい響きでお縄に付かない。ネロ様の名前は効くからなぁ、全ての宗教がネロ様推しだしな。


A:ネロ様の使徒、リケットマスク!


勘違い必至の絶対的正義!これで行こう!



ネロ様の加護が消えた(笑)


ウケル!


何やってんですか!(笑)


イヤ、裁く意味なら審判の神のウルシュ様かも知んない。つかさどるのが審判、道徳、善悪だからリケットマスクにぴったりだ。テミス様の直系だぞ!


A:ウルシュ様の使徒、リケットマスク!


良い感じだけどウルシュ様マイナーだしなぁ。



はい、ウルシュ様の加護が消えたー!(笑)


大丈夫ですって!この世はテミス様よりウルシュ様の方が断然知名度上なんだから。全ての教会にいるくせねないで下さいよ。分かってるくせにー!(笑)


ネロ様の加護が点いた。 

続いてウルシュ様の加護が点いた。


点滅か!接触不良か!何やっとんねん!天界大喜利か!ボタン押すとランプが点いて回答権を得るグッズを思い出した。はい、ネロさん行ってみよう!みたいな春風亭昇太が視えた。


まぁ、こんなおちゃめな事しても俺の人生に介入した事にならないのだろう。こうやって遊んだだけでけがれたら面白いけどな(笑)


一人でベッドでウククと笑ってたらその内に寝た。



・・・・



二時間寝たら寝足りた。


目をパチっとの様に開けたら10時半だった。部屋に誰もいないと思ったら皆に遊んでおいでと言ってた。


首をバキバキ鳴らしながら桶に水出して顔を洗って髪を整える。久々にやるか!


リルを出して寝巻のまま超スローの型を遣う。今では体が覚えてしまい、一切の刃筋もブレずに思った空間を一秒以上掛けて斬って行く。今ではリード師匠にタッカート師匠、アルムさんの縦横無尽の変化、クロメトの型が融合する事で気付きもあり、アル流の新しい型が生まれていた。


リルはここまでゆっくりと振られた事が無いみたいで最初は戸惑っていた。元々持ち主の刃筋をリルが矯正していただけあって、繋がった俺からその意図を知り刃筋がブレない所を喜び感心してくれていた。それはリルの扱いを理解する主人への信頼感。俺はリルの気持ちをそう感じていた。


没入してるとコアさん達が帰って来た。


「アル様、良い剣筋でございます」ニウさんが言う。

「下で女将さんに昼食を誘われましたが?」

「うん、お願いしよう」


階下の食堂に降りると大将は帰ってた。


視て愕然がくぜんとした、大将がリケットマスクと疑われてた(笑) プーと噴いて、顔を見られない様に机の下をガン見で耐えた。守備隊にも女将さんにもケチョンケチョンにやられて大将は押し黙っているが理不尽過ぎて内心は凄く怒ってる。


笑いごっちゃなかった(笑) 笑ってゴメン。


昔から筋の通る道理で歯に衣着きぬきせぬ物言いの大将。ぐうの音も出ないキツイ物言いに恨みを買ったり敵を作ることが多々あった大将。街区の寄り合いで起こった事を出席した者から聞き込んだ守備隊も『執政官の差配も受ける元締めには穏便な言い方もあっただろう?思っても大人が口に出す事じゃ無いぞ!』と火を付けられる側なのに嫌味まで言われていた。


朝早くの事情聴取から大将が帰って来ると女将さんが心配して事情を聞いた。会合で元締めの恨みを買い、森のたき火亭への放火未遂に繋がったと伝えると烈火のごとく女将さんに怒られた。『あんたは昔から何度言わせるの!』とマジオコの女将さんにやられてた。


そして俺である。アル様マスクでリケットマスクをかたったのは良いが、中身は大将だ、しかも大将の声だ。それはそれでアルにも理由がある。もしも暴れて仮面が落ちた時に大将なら、やっぱ2位冒険者のあいつが正義の味方だったんだなと街の評判や株が上がると思ったのだ。コミュニティーの精神的支柱の大将に良かれと思って変身したのだ。


一回視たら忘れないアルが変身したら声までそのまま大将本人だ。


大将が仮面被って2位の身体強化で放火未遂犯を四人引きずって来たと思われている。背格好は大人の明だが体つきは似てる、冒険者の風体で声も同じ。


八回も言わされていた(笑)


「ネロ様の使徒、リケットマスク!」


もっと低い声で言えとか、感情を込めずに言えとか、こんな格好をしながら言えとか、10m先で言えとか、かがり火から同じ位置に立たされて目撃した四人の守備隊がそれぞれに確認した。立ち会った守備隊員は大将がリケットマスクと確信した。


同じ声だしな。


笑える。どうすりゃいいのよ!


俺のはた迷惑なお節介でエライ事になっちゃった。


元締めたちを一回牢から逃がすか、四人を脱獄させて明日昼間にリケットマスクが捕まえて来たと大将の前で守備隊に突き出すか?それなら大将は炎上しないな。


あ!それ以前に俺が脱獄させてるじゃん。逃げた直後に捕まえて来たら悪人より俺が怪しい。守備隊が俺を捕えに来たら戦うのか?守備隊と戦ってる時点で正義の味方じゃ無いわ!


流石にマズイだろそれは・・・。


ああいうのは夜に出てひっそりと片ずく事件って相場が決まってんだよ。昼間にリケットマスクが出たらハンパ無い目撃者だぞ。どうすりゃ良いんだ。



ネロ様の使徒、リケットマスクが大ピンチだ!



あーもう!なんて名前付けんなよ!名前で因果が寄って来てんじゃねーのか?放火も炎上も炎繋ほのおつながりで!


(お前が火を放っている)


でも脱獄させたら、放火未遂でも今度は大変な罪になりそう。リケットマスクなのに元締めの罪を増やした上に成り行きで守備隊と戦っちゃダメだろ、そりゃ悪人側だ!


とにかくこの件を何とかしないと田舎の街だ、大将がリケットマスクと後ろ指さされて森のたき火亭が炎上する。


マテ!


なんで後ろ指さされてんだ。良い事したのになんでそういう炎上扱いな訳?


どうしよう?ピンチにも程がある。


とにかく関係者がどう思ってるか視まくるしかねぇな。昼食をパクパク食べながら考える。お茶を飲みながらコアさんに交感会話で見てもらったら大ウケ。どうするのです?どうするのです?と窮地におちいった俺に食いつきまくる(笑)


コアさんいわく早急に過ぎたそうだ。


だよなぁ・・・反省。


冒険者どうなった?と視たら朝にたき火亭を確認に来て今は教会空き地で遊ぶ子供を見てた。牢に入れられている元締めはリケットマスクが消えたのをこれ幸いにと言い訳してる。シラを切ってたら執政官が口添いしてくれると思っている。多重視点で牢の中にモブで映った少年。何だこいつ?と牢にいる若い奴をついでに視たら、パンを盗んだ異世界のジャン・バルジャンも発見するしどうすりゃいいのよ。 


リケットマスクが脅したとか好き勝手に言いやがって更にピーンチ!


まぁ、元締めが牢を出て来たら出たまでだ。出て来たらキッチリ〆てやる。上手く収めるには冒険者のお父さんが守備隊で放火を依頼されたと証言する事なんだけど動いてくれるかとかさぁ・・・そんな自首するような事ねぇわなぁ・・・うーん。


冗談抜きにどうしよう?収まるのか、コレ。


そもそも何でこんな小さな町の人間関係にしなきゃならんのだ!この感覚は教室で困ってる奴を陰で助けながらしてた気持ちに似ているぞ。


・・・うーん。


どの道リケットマスクが出なきゃ大将の炎上は納まらないなぁ。


「コアさん付き合って」

「どこにでございますか?」


「名乗り出るよ、リケットマスクが(笑)」

「名乗り出るのでございますか!」

「責任取らなきゃいけないでしょ?」


「交感会話で見てね」

「かしこまりました」


「こんな感じで・・・台詞せりふはこう(笑)」



・・・・



ニベの街。14時。


立派な執事二人(アルベルト邸執事のフォボスとダイモス)が御者する四頭立ての豪華な馬車と荷駄の専用馬車がニベの街に着いた。前後は南方馬と呼ばれる精悍せいかんな馬にまたがるミスリル鎧の騎士が四人ずつ付いている。



六人乗りの馬車には執事長ニウさん、メイド長コアさん、ドレスを着たシズクとスフィア、明の身体にグレンツお兄様の精悍せいかんな顔でアル様マスクを付けた俺が乗る。声は大将だ。


グレンツお兄様は貴族しかあり得ないだろ?という特有のオーラを放つ武官系のモテ顔だ。貴族家の長男は顔付きが精悍せいかんに変わるのかもしんない。


一万二千人ほどが暮らすニベの街で貴族門なんて物は無い。代官さえも執政官4位の者がやっている街だ。門に到着した貴族馬車の御者フォボスがニベは通過すると守備隊に身分証を出す。一緒に御一行の身分証だとタナウスの身分証を渡す。


馬車の引き上げ式の窓から身分証の人数を確認した守備隊員は驚いて固まった。朝からてんやわんやになっていた事件の主人公らしきチャッキーが高貴な服装で乗っていたのだ。


「こちらへ馬車をお停めになって少々お待ち下さい!皇太子様のニベの街ご通過に守備隊長にご挨拶するよう呼んで参ります」


門番は真っ青になって守備隊詰所に走って行った。神教国タナウスの皇太子に仮面を取れと言えなかった。


門番は取り乱して隊長室に駆け込んだ。


「どうしたエイト、あわてて?」

「隊長!チャッキーが!チャッキーが!」

「なにぃー!」


そんな感じだったろう。


仔細を聞いた守備隊長が四人の隊員を伴って現れた。


「神教国タナウス皇太子殿下!ニベの街を訪れて頂き光栄でございます。ニベを通過とお聞きしましたが、馬車をお停めして申し訳ございませんでした!」


馬車の前に膝を付きこうべれ無礼を詫びる守備隊長。


物々しい動きをする門脇の守備隊に、野次馬が集まり出す。


馬車の中の人物が高らかに笑った。


「あっはっはっは!先触れも無く済まなかったな。今朝守備隊に先触れに参ったのでな。先触れは要らぬと騎士にわざわざ申したのだ(笑)」


見物人が多くなって来たので馬車から出た。アル様マスクが高貴な馬車から降りる。見物人が仮面の貴族を見て一段とザワザワとした。


「このたわむれに見覚えがあろう!」


その時、一陣のつむじ風が夏の花メッシュの花びらを巻いて馬車と守備隊を通り過ぎた・・・俺を読んだスフィアの仕業だ、コラ!(笑)


「ははー!」隊長が片膝付いて平伏してくれる。


「よい。ラウナン王との謁見えっけんまでの旅のたわむれだ、放火魔は牢にぶち込んでおるか?」


「は!手抜かりなく!」


「朝は済まなかったな、そうそう安く顔を見せられんのでな。身分証の通りだ、守備隊長には顔も見せよう」


「勿体ないお言葉ありがとうございます!」


マスクを外すと涼しげに微笑むグレンツお兄様が現れた。


「隊員の驚く顔は見ものだったぞ!(笑)」

「は!誰何すいかするのが役目でございます」


「うむ、お役目御苦労。ダイモス、酒を持て!」

「は!」


ダイモスが魔法袋から大壺を二つ隊長に渡す。


うまい酒だ、皆で飲んでくれ」

「ははー!」


「それではニベの街を通過させてもらうぞ」

僭越せんえつながらわたくしめが先導致します」


「世話になる、頼む」

「は!」


(リケットマスクを名乗った)アル様マスクを付けた神教国の皇太子、アルベルト・ド・カミヤ・メラ・タナウス殿下はニベの街に風の様に現れラウナン王都へ向け颯爽さっそうと駆け抜けて行った。



窮地きゅうちおちいったリケットマスクの痛快な逆転劇を見せられた神々は腹を抱えて笑っていた。




次回 363話  治癒士の誓約

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