第347話  大人の露出狂参上!



ハーヴェスの戦勝記念式典の同日。


5月10日(光曜日)にサントの移民船が三隻タナウスに向かった。すでに洋上のワールス移民船と同じく移民相談所のメイドが各船に乗りこんで気象、海象情報を欠かさない。


同じく5月10日には信徒国の教会に配置していた神教国司祭(ニウさん担当の武闘派司祭)を回収した。以後は各国の首都大教会だけに神教国の司祭は駐在する。


神教国が監督するシズン、シーズ、パリスと違ってテズ教が残した爪跡の行く末がどのような流れになるか分からない。カラムがハーヴェスに委譲された短期間では内陸への情報伝達も不十分で情勢が読めないのだ。


当然ハーヴェス帝都の大教会にもニウさんが存在する。困り事は帝都のサンテ大教会を訪ねましょう、と陛下や宰相に言った。それを言った瞬間ゴルゴ13と連絡取るみたいやなと思ってしまったのでコアさん達も当然思ってると思う。


後は3つの宗教国に出した神教国の案件、ハイブリッド作物の大量生産案件と大陸間交易路の設置案件に移行して行った。


・・・・


俺は5月に入ると毎日シズクとスフィアを連れて回って開門村、S.A、銀行を作ってはインベントリからメイドさんを置いて行く作業に掛かっていた。銀行の二階は銀行の従業員宿舎を作った。地元の大工さんに頼まなくても建築や銀行の内装、部屋の調度を観測した銀行のカウンターレディーが資材を冒険号で作り出しショートジャンプで送り込んで自分で部屋を作って行く。(ドワーフは同じ規格の大量生産品を作ってくれないのよ)


辺境伯家、侯爵家領内でシャドが切り倒した木を俺のインベントリに入れまくり、領で一番大きい材木商に任せて代金を執政官事務所に届けさせた。


シズクとスフィアは俺の考えを読んで自由自在に魔法を使ってくれる。俺が御子服でキューブハウスを作ってる最中にも整地しゴミを飛ばし馬が転がって寝られる芝の絨毯じゅうたんまで作ってくれるのだ。


精霊は存在を示すために得意な具現化を行うが、俺の場合は自由に魔力を使えと言うので、効率を考えずに苦手な具現化をバンバン行う。苦手は下手と言う意味では無い。具現化するのに魔力消費が高かったり、具現化が遅かったりするだけだ。


二人は天と地の神に繋がる末裔の精霊なのが良く分かった。何かにつけて攻と守、動と静、山と谷なのだ。お互いの得意、不得意な事が正反対とは言わないが二人でワンセットみたいに天と地だ(笑)


とにかく俺の魔力を使うのが大好きなの。


極論。シズクが風魔法を使いスフィアが馬車の駐車場を建てる。魔力が使えるなら何処にでもついて来る。俺と繋がってるから何処に居ても一緒なんだけど俺の視覚的に側にいるのといないのでは全然違う。


この作業中会話は一切ない。


具現化してる精霊のシェル、シズク、スフィアと俺の4人は無言でマジ喋らない。お互いに心を視ながらそれに自分の意思を足してサポートしてくれる。リルもシャドもシェルもそこにいる。シェルはネロ様の命で繋がりリル、シャド、シズク、スフィアは山ほど生まれる精霊の中から唯一の名を与え繋がっている。心で繋がり、分かり合って会話しない。心が繋がった存在があるだけで満足。


だから俺がこの世界で見聞して思うのは、魔法使いが名前を付けた眷属はアニメの説明キャラな訳よ。名前をもらった存在を世に示す眷属はしゃべんないんだよ、スフィアが来た時のシェルと俺の様に心でやり取りするんだから。


ちなみに胸を盛ったエルフ姉妹は遠ざけている。ミニスカに太ももを見せ付ける上にバインバインで側に寄られても目のやりどころがなくマジ困るからだ。本当にロクでもない物を渡してしまった。


・・・・


マルテン侯爵家とミウム辺境伯家の開門村とS.A(詰所)と銀行の三位一体のセット売りはマジで省力的に大きかった。代金の支払いは銀行で自動受け渡しなのだ。ミウム伯に報告したセットの値段を執政官が証文にして代金を銀行に入れるとルーツ(ミウムの街)代金入りました。ホルン(ミウムの街)代金入りましたとコアさんから報告される。


その代金をロスレーンに知らせると代金分の発注がサルーテのミウム執政官に伝えられ、次の建物の資材がミウムから運ばれて行く。流れを知っている俺は永久機関かとツッコミ入れたい気分だ。


そんな中、三位一体の施設は段々と小さな町に移って行った。作ってる最中に町を伺う盗賊を検索して本隊ごと神教国にお招きしてやった。盗賊が喜んで働くのはヘクトの鉱山も神教国の更生村も同じだ。


・・・・


そんな感じで5月に開門村作りをやっていた。


当然ハーヴェスの戦勝記念式典の翌日5月11日の風曜日もシズクとスフィアを連れて行って来た。


そんな日々。


開門村セットを作りに行くと、小さな町に行くほど何かの問題を視た。土地の掟や親族の繋がり、小さな利権への不満、色々視えた。小さな町には小さな町の問題があるんだよ。井戸を使える隣組とか粉ひき小屋の割り当てだとか、小さなコミュニティーには揉め事を回避するおきてが必ずあるの。


まぁ、問題や揉め事を視てしまうのは、俺自身への例題にしたりしてるからだ。俺だったらこうするなとか。二階建ての切り株の家も地元で有名な立派な木があって、街のシンボルだから切りたくない話を聞いてしまった。開門村とS.Aを作るのにその木は邪魔にはならなかったが木の周りを丸裸にしたくなかったから省スペースで周りの木に似せた配色で切り株のハウスを作った。


小さな町ほどローカルルールがある。教会も無いから閉鎖社会だ。揉め事があると村長がおきてに従って裁く。四千人から一万人クラスの街なら周辺に二、三百人クラスの村が三つ四つはある。


その時に俺が見た村の揉め事は村VS村の若者同士の戦争だった。侯爵領の一万人程の街の開門村を作るのに道端の木を切っていると遠くの方でワーワー言って土埃が舞っている。


何だアレ?と注視すると若い衆が集まって川を挟んで河原で石を投げ合っている。石が土手に転がって乾いた土埃が舞っていた。石投げて本気で殺すつもり?マジで殺気立って投げているのだ。見て噴いた。元凶はロミオとジュリエットの農民版だった。


川を挟んでも小さな川で目の前で石を投げ合っている。殺すつもりは無いかも知れんがやっつける気は満々だ。


仲裁しようとして思い付いた。


手に入れたばかりのメタモルフォーゼの腕輪と誘いのリングを使ってみようと思ったのだ。大人の貴族を気取って仲裁、イイネ!


あの神谷明に変身しようと思ったのだ。かっての己の鍛え上げたあの背の高い自分の身体をイメージして気合一発変身した。


変身してこれはイカンと気が付いた。


メリメリメリ、ビシ! ビシ!バリ!ビャー!


服が破れちゃったよ。イヤーン!マジ変身じゃねぇか、実体化すんのかこれ。大人の服もってねぇよ!ポリジュース薬と一緒だよ!半裸にパンツと妖精の靴で悪態も大混乱。


服は変身のお約束みたいに細切れにはならず、キツクなったところからビリッっと破れて縫ってあるところが全部裂けた。服もズボンもシャツもビリビリに裂けた。ベルトもバックルとかホックが飛び散ってリルもシャドも足元に落ちちゃった。パンツが唯一お腹と腿に食い込んで痛いよ!


変身!大人の露出狂参上! 


守備隊に捕まるわ!バシ!



一息ついて落ち着いた。


(シェルはチョーカー緩めてくれてありがとう)

(驚きましたよ!)

(首が締まって通した指輪に肉が挟まれ痛かった)

(シェルも慌ててたんです)

(いいのいいの、ありがとう)


探したけどオートアジャスト自動サイズ調整紋はミスリル鎧に教皇装備しか持ってねぇ!その装備は村人の仲裁に入るに不適当過ぎだ。


そもそも俺がバカだった。賢者やエルフ姉妹が普通に変身してるから魔法の幻影系の変身かと思ってた。そう考えたら子供が大人になって腕が長くなったら幻影部分の手じゃコップ掴めないわ。正義の味方になり切って明で剣を振り回しても幻影的に変な所に剣がある事になっちゃう。手首の当たりから剣が生えてたりして(笑)


シズクとスフィアの前で良かった。アロちゃんの前でやってたら世界中のメイド部隊にリアルタイムで俺のイヤーン!な姿が発信されてしまう。


まぁ、今後の課題が増えた(笑)


すぐに他の貴族服に変えて止めに入ったが、すでに村対村で何度も戦い二年で死傷者まで出ていた。取り合えず怪我した者をヒールした。


めんどくさいので侯爵の孫を語ってこの様な書類で開拓してると侯爵の委任状を見せた。


それは、村と村の男女の悲恋が始まりだった。


村と村での交易は当然あるが物々交換だ。それ以外の付き合いは無かった。そんな中で二年前男女が恋に落ちた。男が女の村に行くと女は家から出してもらえず、女が行くと追い返された。そんな帰り道に女が森で襲われて殺された。村と村の境目だ。発見された時には獣に荒らされていた。


現代の村ではない、陽が落ちると真っ暗で誰も通らず、陽のある時にはよそ者が通ると何処どこの者だ?と誰もが声を掛けて顔を見る時代なのだ。見慣れない者は部外者で記憶されるから余所者は入り込めない土地だった。


女の兄弟は激高して、相手の男を村長に突き出したが男は当日会っていないのだ、親が追い返したからである。娘が一人で村外れに歩いて行く姿も目撃されていた。男が下手人では無かった。


それから娘の兄弟が最初に隣村への嫌がらせを始めた。最初は馬糞や泥水を掛けていたのだが、やられた若者がやり返してから二年も続いてる戦いだった。


俺は双方の村長を呼び出して決着を付けると言い放った。検索で顛末てんまつが見えた上に真相しんそうを知ってしまったのだ。フラッシュの追視で分かっている事件を追うと犯人は野犬だった。娘を七匹で襲ったのだ。


マルテン侯爵の孫(を騙っている)が乗り込んで来た。裁定次第で村が無くなる?と赤ん坊を抱いた母親まで村の境界に裁定を見に来た。


娘の親父は知っていた、遺体を埋めた三人の者も知っていた。娘は好きになった男の家に行って死んだのは本当だった。帰りに襲われたのだから。知っていて知らぬふりをした。隣村の奴らに嫌がらせをしても罰は当たらないと思った。見て見ぬふりをした。


隣村の若者がやり返したお陰で大喧嘩となった問題が起こってから少しして死人が出た。死人は娘の好いた若者だった。娘が死んだのは野犬のせいだったと言っても、兄弟はだと決めつけ、隣村の若者を見ると襲った。


隣村の男の村では見解が違っていた。


恋仲の男では無いにしても、自分の村の若い衆が帰る女を見てムラムラしたと思っていた。恋仲の男は隣村の石投げの一番の標的になり最初に死んだ。


アルは両村の村人が息を凝らして成り行きを見守る中で娘の遺体を葬った者に質問して行った。質問するたびに鮮明にイメージが生成されて行くのを視た。村人に分かり易い様に丁寧に聞いて行く。


何しろアルには娘が襲われる様子がフラッシュで視えて全部分かっている。


「娘の足に特に噛み傷があった筈だ」

「ありました」

「何の噛み傷だ?」

「野犬と思われます」

「遺体は動物に食われていたな?」

「食われておりました」

「それは臓物からだな?」

「腹からです」

「足は残っていたのだな?」

「残っていました」


「動物が食うのは腹からだ、柔らかく栄養もある。腹から食いだしてその周りの肉を食っていく。年を食った者は知っているな?」


皆が静かにウンウン頷く。


「殺された者の足には噛み傷は付かぬ。立っている人を引きずり倒すための足の噛み傷だからだ、人が殺したあと動物に荒らされたなら足に噛み傷はおかしいのだ、それがあるなら足ごと嚙み千切られる筈だ」


「これで隣村の疑惑は晴れた」

「二年前最初に嫌がらせをした者は誰だ?」

「・・・」


「村長裁定せよ、両村の若者がもう三人も死んでいる。こんな騒乱に巻き込まれ、失った息子の親がここにいる。息子を失った無念を晴らしてやれ」


「娘の親と兄弟の家族、娘を弔った者の家族三家族を掟破りの汚れ者とする。直ちによごれ者部落に移れ」


要するに村八分だ。家を建てるにも木を切り倒すにも誰も手伝わない。村の者からの絶縁だ。


「ぬるい!」


両村の者達がビクッとする。


「そもそも領で騒乱を起こした者は死罪だ。そんな法は世の常と知っているだろう?」


村長が頷く。


「村長に裁けと言うのも酷か・・・」


「この中には嫌がらせで被害を被ったり、骨を折るなど生活が立ち行かなくなった家族も居る。両村の敵対感情を悪戯いたずらあおり、騒乱を起こした罪がそんなに軽い訳が無い。村民が三名死に、不具ふぐになった者もいるのは皆が知っている。そんな裁定では済まされぬ。以後、騒乱を起こした者は直ちに死罪とする。領内の人を増やすのは良いが減らすのはいかん。


領の人口を増やすための男女の仲を許さぬ事がそもそもの間違いだ。以後は好き合った者を引き裂くのは許さぬ!村で協力して立ち行く様にせよ。皆聞いたな!」


皆が平伏して聞く。


「全ての汚れ者にこの村最後の食事を腹いっぱい食わせよ。夕餉ゆうげを食い次第に連れて行き町の裁きで罪人とする。全ての村人はこれをもっていがみ合う事を禁ずる。村に騒乱を起こす罪を今回の事で思い出せ。村長はお互いに話し合って良い村を作れ」


「以上!領主の言葉と思え」


皆が納得して平伏してくれた。異世界の名探偵コナンが出来たかな?わーい。(イヤ、お前推理して無いし)


ステータスボード持ってない人には赤ちゃんにも漏れなく農業Lv1を付与した。


~~~~


食事の済んだ汚れ者を見て、なんか多いなと思ったら俺が全てのよごれ者と言ったから元から村にいた汚れの二家族も合流してた(笑) どうせついでだ、文句は言わん。


村外れまで連れて行った汚れ者四十五人を隷属してシャドで巻いてタナウスに連れて行った。再起する村はナレス村だ。その辺のメイドさんと交感会話で仔細を伝える。


「現役の農夫は珍しいですね(笑)」

「うん、このままだと悲惨だから連れて来た」


「汚れ者部落から逃げてこの村に受け入れてもらったみたいな余所者よそものぽい設定なら調子に乗らないかも?まぁお任せします」


「かしこまりました」


「アル様」

「ん?」


「お帰りになられたら、自室で明様に変身下さい。サイズをお測りし、お預かりしている鹵獲品の衣服からチョイスして自動調節をお付けいたしますのでご安心を」


バレた。


すぐに大人の貴族服を注文に行き、聖教国に行って大人の大司教服と司祭、御子の服も用意してサイズ自動調節オートアジャストを付けた。


貴族服と司祭服があれば取り合えずかたれるから安心だ(笑)


・・・・


5月17日にハムナイの移民船が六隻タナウスに向け出港した。


・・・・


5月19日にロスレーン銀行の調度品まで完成したと現地帯同のメイドさんから連絡があり、転移装置も含めて撤収に行った。サルーテの銀行と住宅とはまったくおもむきが違った。(同じもの作りたがらないの)


二番街と三番街の銀行を兼ねるという意味で二番街はお洒落なスタンドバーの様な形態で壁にお金を置くカウンターが10cm程飛び出し、壁の厚みを利用して銀行内からは80cmの机状になっている。金箱も小銭も無理なく出し入れできる高さの受け取り、窓口の上の壁にはタナウス信用金庫と青銅の看板が吊られて風に揺れる。


貴族が使うに相応しい窓口だった。


三番街側はそんな重厚さは余り無い、ウッドハウス的にも思える木の香りが高い店舗で馬車も人も同じカウンターで預け入れと引き出し窓口が分かり易く並んでいる。こちらも看板で預け入れと引き出し窓口が分かる様になっている。


中で働くメイドさんに色々聞くと一日一回は警護付きの荷馬車が金箱を預けて行くそうだ。金箱を置いたすぐ後に空の金箱と預け入れ証が発行されるので執政官が大事に持って帰るという。



受け応えのメイドさんがいきなり移民船の事を言い出した。


「ワールス移民船の相談員より海上から緊急連絡です、通信で聞いて下さい」


「え!あ。あぁ、分かった」


事の起こりはワールス、サント、ハムナイからの移民船の高空観測。天候の変化を予測し寄港地の停泊日数を決めたり航路を迂回する事で時化や低気圧を回避するために行っている。


その時は移民を乗せた魔動帆船よりはるかに遅い大きな船と洋上ですれ違う状態となった。観測してる移民相談員(コアさん)は海賊を疑ったそうだ。すれ違うかなり前に観測してみると船内に熱源が異常にあった。その船のクルーを高空観測するとどうも奴隷狩り臭い。


1月から2月に掛けて奴隷誘拐に走っていた俺の行動から、また奴隷がどこかで売られるのかも?と俺におうかがいを立てて来たのだ。


早速当該奴隷船を検索してシズクとスフィアと跳んだ。跳んだ瞬間、どういう船か分かった。奴隷商売の一次産業、後進国からの奴隷狩りだった。そのままクルーを隷属してメイドを一人置きタナウスへの航路に乗せた。


タナウスにこの船が到着するまでに潰す。


それは俺の行動が原因だった。


大陸中の略取された奴隷を誘拐して逃がしたのだ。逃げる所が無い奴隷はタナウスの村や街で使用人や下働きで暮らしている。


略取した奴隷が居なくなった大陸では奴隷の需要が高くなり、値段が高騰して奴隷商人たちも仕入れたら高く売れるので仕入れが活発になっていたのだ。


今までの需給関係が歪になった。

需要を満たすには奴隷が足りないのだ。


本来犯罪奴隷は国が管理して鉱山などで使う為に、外には出られない。しかし奴隷が足りない事態に国策として犯罪奴隷と戦争奴隷に赦免状を発行して後進国からの奴隷略取を始めた国があった。ならず者たちは奴隷狩りにの囚人だった。


この世は覇権国だろうと何だろうと意識は一緒だ。後進国の人間は奴隷要員や植民地政策のために存在している。


あり得ないと思うかもしれないが現実だ。


俺はこの世で、俺の知識でどうしようもない問題が出ると地球がどのように問題解決して来たか参考に検索する。そして地球でも根本が何も解決されてない事を知った。リノバールス帝国の時に俺は思い知っている。地球と同じだと・・・。


表面の能書きで討論するだけで動かない社会を知った。権力を持つ者は都合が悪い事には動かない。声を高くして根本の解決を叫ぶ者は黙殺される。程よく民に広報活動する者は援助が付く。


非核三原則をうたう被爆国が核兵器禁止条約に署名しない(笑)


まぁ、権力を持つ者とて自由にならない。ありとあらゆる物に利権が絡み身動きが取れない。産業をダメにしてしまう。失業と混乱の血を流す、権力者ですら動けないのだ、自分の代に歴史に名が残ってしまう、そんな責任など取れない、動けないのだ。


日本のテレビは根本の事言わない。秀吉がキリスト教を迫害した事しか言わない。宣教師や外国商人が貧しい人々を二束三文で買い占めて日本人を世界に奴隷として売っていた


過去形でも無い、現代社会に普通にある根本をテレビは言わない。表面をさらっと広報するだけだ。紛争はウクライナとロシアだけと思ってる者がいるかもしれない(笑)


話しは逸れたが、そんな感じで多くの国は人種差別、種族差別バリバリの世界だ。貴族と平民で特権認めてるのだから平民以下の後進国の人間や獣人は略取して奴隷にしても合法だ。平民以下の流民や貧民は殺して奪っても罪が軽いぐらいだ。


未開国や後進国の人間は奴隷で買われて行った日本人と同じだ。色が違うだけで人間と見なされていない。仕方が無い、この世の常識も当時の地球の常識も同じだ。史実に残されている水垢と糞尿にまみれた船底に押し込められた手枷足枷の悲惨な奴隷。当時の奴隷は船で運ばれる最中に相当数が感染症や餓死、脱水で死んでいたそうだ。そう言われる程に運ばれる環境も劣悪って事だ。


それが世の常識なのだ。


だから俺はになっている。


例えれば、サバンナのマサイ族の狩人が奈良公園の鹿が美味いと槍持って鹿狩りに行ってるようなもんだ。族長は美味いからもっと取って来いという。止めろと言っても無駄、美味しいんだもん。警察が介入して武力でマサイ族の鹿狩りを止めさせるしかない!そんな感じ。


商国連合の皇帝二人に通信で教えた。


「奴隷を略取した者は神の怒りに触れる」


・・・・


その日から移民やS.Aどころでは無い。


この世の常識で奴隷シンジケートを相手にした戦いになった。奴隷を狩っている者が狩られる側になった。先進国は自国民や他国民の略取ならうるさいが、未開地や後進国から略取した奴隷なら誰も悪いと思って無いから反省もしない(アルはいらない子供は居ないかと村に買いに来る奴隷商も含めて略取と呼んでます)


神教国のメイド部隊が総員戦闘配置で俺の送りこんだ奴隷の世話と始末に追われた。


狩られた者はスタッフメイド隊が責任を持って世話しております。


タナウスの受け入れ態勢が万全に整うまでは、海上の奴隷船を全て隷属し(銀行要員に持っていた)メイドを一人乗せてタナウスに進路を取らせた。




次回 348話  アリアとイーゼニウム

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