第324話  カラスと水がめ


2月30日(光曜日)


朝起きてアロちゃんに思考齟齬しこうそご※の観測を二時間弱やってもらった。


※アルの経験、記憶、感情、性格が三か月間で少しずつ変遷へんせんして行くのをコアが観測して、現在のアルの思考論理と三か月前に観測した思考論理の齟齬そごを無くして、コアの(アルが取るである選択や思考の)予測精度を上げる観測。


「王都の用地でお悩みですか?」

「はは、そういうこと(笑)」

「王都の画像をお出ししますか?」


「いいよ、揉めてる利害団体の内心も分からないしね、派閥に分かれて揉めるなんて欲だよね(笑)」


「欲があるから進化いたします(笑)」

「そうだけどさ・・・あーあ(笑)」


思考観測しながらいろんな話に花が咲く。



・・・・


思考齟齬しこうそごの観測を終えてタナウスに跳んだ。


メルデス7時>タナウス9時


3月7日(光曜日)に大教会のセレモニーがある。

メイド部隊のお菓子の露店や楽団演奏、人形劇やシスター達からお茶とお菓子が振舞われる。


何よりもクラウス司教のチョレスや笛を使ったお話がある。セレモニーらしく集まった者には教会に親しみを持ってもらう為に女子供に分かり易く、笑えるお話や子供が食いつく童話を話して教訓や神の感じ方を説法する様にクラウスには伝えてある。


成人には樽ブランデーが振舞われるので、ノリ気になったドワーフとノームが本気で祭りの用意する(酒を振舞う教会は無いらしい)民族楽器の演奏と共に民族衣装で女子供が噴水を囲む教会広場で踊ってくれる。すでに国民の総ドワーフ・ノームが神教国の信者となっている(笑)


余計な話は置いて、今日はクラウス司教の先生をしてくれた聖教国の司祭学校の校長先生、ブラウナー大司教を送って行く日だったのでお土産を持たそうと教会に来たが、教会セレモニーを見てから帰るとおっしゃった。教義部の上司であるアルノール卿の許可も得て3月7日に送ってもらうことも聞いた。取り合えずブランデーを二瓶お礼に置いてクラウスの準備を聞くと弟子の説法が待ち遠しいと楽しみに言ってくれた。


ブラウナー大司教の横にクラウスもいたので説法がてらに面白そうなお話を聞かせてあげた。


イソップ物語のだ。


「太陽がジリジリと地面を焦がし日照りが続いた土地にカラスがやってきました。川は干上がって見当たりません。喉が渇いて仕方が無い旅のカラスが水を探し回っていました。ようやく見つけた水がめの中に溜まった水。飲みたくても水までくちばしが届きません。


あと少しで飲めるのに・・・カラスは悲しそうにカーカーと鳴きました。喉が渇いて仕方が無いカラスは良い事を思い付きました。周りの小石を拾って一つ水がめに落としたのです。確かに水がめの水は少し上がってきました。


これはしめたぞ!カラスは何度も何度も往復して石を落しました。水は石の分だけ次第に上がって来て、ついにカラスは水を飲む事が出来たのです。カラスは嬉しそうに鳴きました。カーカー!


カラスは元気に故郷に飛んで行きました」


「目標に向かって努力する姿」

「自然に負けず、諦めない姿勢と工夫」

「困難に打ち勝つ人生の知恵と汗」


「この三つの宝がこの話に埋まっています」


「要約してますが、途中にカラスの独り言が入りますよ?」


「こんな日照りの中飛んでたら焼き鳥になっちゃうよ!」


「川は枯れて水が無いなあ、もう喉がカラカラだ」

「あそこに水瓶があるぞ!水があるかもしれない!」

「届かないよー!どうしよう!飲めないよー!」

「まてよ?石を入れたらいいかもしれない」

「もう何回石を入れたか忘れちゃった」

「くちばしの先に届いたぞ!」

「もう一息だ!頑張ろう!」

(一口飲んでは・・・)

「あぁ美味しい!」

(一口飲んでは・・・)

「あぁ美味しい!」


「こんな感じですね(笑)」


「御子様、勉強させて頂きました、土産話に致します」


「是非、説法に使わせて頂きます」


それは小さな明が令子から聞いた一番好きな話だった。



・・・・



元々ブラウナー大司教を送るのに来ただけでは余計だった(笑)


送った後の予定に掛かる。

ドワーフの町ガンズ街区に頼んだコルアーノとサルーテの銀行の内装と集合住宅の内装を見に来たのだ。二月の初旬に(銀行と集合住宅の窓やドア用の穴を)現地で測った長老のガンズ親方が言った。


「なんちゅう精度で作っとるんじゃ。一階から五階(ペントハウス)まで寸法が全く一緒じゃ!こんな建物見た事無いわ(笑)」


「よく言われます」メルデスの大工、クラム親方に。


「ここの冷暖房紋に蓋を作る。暖房を起動したら蓋を閉めて壁と床の部屋の周りから暖まる間接暖房とする」


「あ!温風が直接吹かないのね?」

長老がニヤリとする。


「部屋全体の板の隙間から少しずつ吹くな(笑)」

「銀行の窓には格子を作る。タナウスの紋章でな」

「あ!素晴らしい!」

「二階以上は子に窓が危ない、手すりを付ける」

「お願いします」

「玄関ドアは樫と魔鉄で味良く作る、来客窓も付ける」

「はい!」


※悪人のアジトのドアに付いてるのぞき窓。


三週間前はこんな感じの集合住宅訪問だった。


今日は進捗を見に来たのだ、据え付けの問題もある。


「どんな感じです?」


「三週間で半分と言う感じじゃな、あと二週間で試作も終わり中旬には取り付けに行くぞ、付けるのは大工じゃがな(笑)」


「試作?」

「そうじゃ」


「三月中旬の材料の運び込みはどうしましょう?地区担当のメイドに言ってもらえたらサルーテに連れて行きますけど」


「まだよい。あっちの試作を見てくれんか?」

指差す工房の裏へ誘われた。


「何の試作?」

「これじゃ、ここからこの辺。そのドアノブもじゃ」


「これ素晴らしい燭台ですね!」

蔓草が伸びて優雅に上を向く燭台だった。


「燭台では無い、このガラスフードを被せてここの手にお主が紋を刻めば、あの無味乾燥むみかんそうな街灯紋は必要ない」


蔓草は真ん中に座るガラスフードの押さえの装飾だった。


「あ!魔法ランプだ(笑)」

「さよう、内装に凝るなら装飾も必要じゃろ?」

「よろしくお願いします」

「今の街灯紋は内装で隠すぞ?」

「どうぞどうぞ!」

「今はこの四種類。うちらで勝手に作ってええな?」

「はい!」


「ガラスフードは居室はオレンジにしたぞ」


「さすが!」白色、昼光色、電球色とかあったな。


「あとな、出来上がったら弟子たちを連れて行きたい、新しい建築にも過ぎる高機能な住宅じゃ。世に無い作りを見せてやりたいのじゃ」


「あの住宅は試験的に作りました。外装のノウハウと使う窓枠、ドアなどの装飾や内装が決まり次第にタナウスにも同じ物を作ろうと思ってますので助かります」


「同じ物は進歩が無くつまらん、その都度色々冒険してくれると儂らの仕事にも張りが出る(笑)」


「分かりました。色々遊びましょう!」


「そうじゃな!儂が一番驚いたのは外装じゃ。石で出来た外回りの装飾にわざわざ何処にでもあるレンガを薄くして張る発想が信じられんかったわ(笑)」


「あの時ってもう貼ってましたっけ?」

「石には貼れんと言うのを毛羽立たせておったな」

「あー!私がやってたのを見たんですか(笑)」


「そうじゃ、わざわざツルツルの石の壁をザラザラにした上に、そこら辺のレンガの建物と変わらぬようにする意味があの時は理解できなかった」


「周りの建物と調和の為ですね(笑)」

「うむ。自身の作は他と違う所を誇るドワーフとは違い、調和させる心は学ぶに値すると思ったぞ」


「あ!すまぬ。木工職人が呼んでおるぞ(笑)」

「いいです。これから行って来ます(笑)」

「すまんの、忘れておった(笑)」


・・・・


「ゴルゾ親方ー!」

「アル様、ようこそ。待っておりました!」

「出来た?」

「看板も装飾もこの様に!」

「うひゃー!凄い!あの板がこんなに?」


「黒漆にと言われましたが板が余りに見事な年輪なので、レリーフ彫りのタナウス信用金庫の部分に黒漆で、折角なので背景にタナウスの紋章も掘りまして朱塗りのレリーフに木目と節をそのまま生かして作りました」


「素晴らしい出来です!」時代劇の越後屋風だ(笑)

「こちらが集合住宅の看板と表札です」


見て固まった。素晴らしい芸術品だ。


20cm×15cmの周りに樹皮が付いたままの赤茶けて磨かれた板に、黄銅で作られたピカピカの数字がめ込まれ触ってもツルツルの平面に仕上げられている。板に201とはまってるだけだが、どれほど素材を生かす技術が注ぎ込まれてるか分かる。ニスか何か?で木目美しい透明な光沢が出ているが、多分湿気対策や老朽化対策だと思う。


「・・・」


「差し出がましいとは思いましたが・・・」


「イエ!ドワーフ族は本当に物作りで縛られてますね、余りの素晴らしさに声が出ませんでした」


「アル様の嬉しいお言葉!飲みますぞ!」

「まだ飲まないでください!」


取り合えず小壺を一個持たせておく。


「こちらが内装の板です」空になった壺を回収する。


「うわ!これ使っちゃうの!(笑)」

「使うために加工しておりますぞ(笑)」


木の素晴らしさを見た瞬間、五階のペントハウスは俺の家に決定した。他人に住まわせるのはマジで惜しい。


「子供に重い物を落とされたら泣きますよ、コレ」

「その傷が歴史の重みになりますのでな(笑)」

「えー!」


「アル様はまだ子供じゃ。子供が作った家の傷を見て楽しかった時代を親は懐かしむのですぞ(笑)」


「まだ分かりませんね(笑)」


「この木は人が住んでおれば三百年はちましょう」


「三百年です?」


驚いた。それだけの技術で板を加工してるんだよ。この世は物が高いのがそれだけで分かる。一世代が住んで終わる感じの日本人の感覚が抜けて無かった(笑) 日本でも田舎なら三世代、四世代住む家があるもんな。あ!寺社の彫刻とか凄いよな、やっぱ物が高い時代はそうなるのか。


「それで、内装材は出来ましたので儂のせがれが現地で弟子と内装をやりますでの、いつにしようかと相談をしたかったのです」


「丁度いい!銀行五階に転移装置置きます、この場所に転移装置置きますので、ここから材料をサークルに入れて飛んで下さい。五階の材料が一番多いのでまず最初にペントハウスから行きましょう」


「サルーテからですかな?」

「サルーテの後にコルアーノの銀行ですね」

「分かりました、そっちは5月頃になりましょう」

「充分です、よろしくお願いします」


「3月の中旬ぐらいですが、内装が出来た部屋からガンズ親方の調度品の取り付けで大工さんが出入りさせて頂きますね」


「これはあなどられる訳にいきませんな(笑)」

「同じ血筋の親戚でもそういうのあるんです?」

「仕事が重なれば毎回勝負ですな(笑)」

「すごいや!」


視たら酒飲んで、俺ならああする、こうするとケチの付け合いだった(笑) それは木工屋視点と鍛冶屋視点の戦いだった。


「五階から順々に下に行き二階が終わったら、最後の銀行は横に資材置き場を作ります。ロスレーンの銀行にはガンズ地区の担当メイドを呼べば転移装置の用意はこちらでします」


「昼から運んでもいいですかの?」

「え!そんな早く?七日の教会は来て下さいよ?」

「光曜日は休みとアル様が仰いましたぞ(笑)」

「イヤ、仕事が面白かったら教会来ないと思って」

「む!キツく言っておきましょう」


「そんじゃ、これ。5mのサークルの中に少しでも入っていたらあっちに跳ぶからね?これがキー、使う人が持ってね。行くときに地区の担当メイド連れて行ってね、お茶やお菓子の接待させます。汗かいた時のクリーンやトイレは部屋の使って良いからね」


「ありがとうございます」


「今からあっちに転移装置を置いて来ます」

「はい」


少し慌ててタナウスに帰ってきた。銀行前に串焼きと酒を飲ます露店が出てた。アレはマズイ・・・匂いが。銀行に美味しそうな匂いが充満してたぞ。ニュータイプな串焼き屋が昼から来るドワーフをピンポイントで察知してた(笑)


※銀行は人通りが多いと目を付けた露天商だった。


「あっちで飲んじゃダメだよ、他国のお金無いんだから!こっちにいっぱいあるから絶対飲んじゃダメね(笑)」


「必ず担当メイド様を付けます」

「それが一番!」


小壺を渡すとすぐ飲むので壺を回収する。


・・・・


道すがら魂を背負しょってない町人を見つけて交感会話でドワーフとの会話を周知しておく。良い匂いの露店が一杯あるので一応コルアーノのお金を持って行くように言う。言う事聞かなかったらたたんんで引きずって連れて帰る様に言った。


俺の心配症も大概たいがいにしないとなぁ・・・イヤ、あいつらレベルだ!俺より何倍も齢食ってても安心できない!


今では一年経って慣れてきたが最初はドワーフと人との認識のギャップがひどかった。親方以外は鍛冶しか評価しない人自体をバカにしてたのだ。移住した後に次第に長老に案内される街の作りを見せられて、その意味と根拠を説明されて人もやるな!に変わってきた。


分かり切った物を量産する様な事を嫌う。こちらが頼んだ事の上を絶えず考えて新しい物の創作に意欲をかき立て物作りに励む種族なのだ。窓枠一つでもその辺にある物を頼むのはご法度はっとだ。この建物に合う窓を頼むというと汗水流してつくり出す。


先程の注文した内装部材や装飾部材一つでも違う。時間を掛けて思うがままに創造して行く。注文した俺の驚く顔が見たいのだ、それを取りつけて使う人の姿をドワーフとノーム。


ドワーフと相性が悪いのはモルドの執政官タイプだな(笑)


注文したのと違う物が出来てきて困るのは執政官だ、間違いない。税収でより良い物を注文したつもりでオーバークオリティーの素材違いを作られたらたまったものじゃない(笑)


俺は視たらどの様な苦労したのか分かるし、この国の国首の注文にドワーフとして恥ずかしくない物を作ろうとしてるのが分かるから許せるし価値の対価も払える。


あれだな、量産物とワンオフ一度限り物だな。それを知らずにドワーフに頼むと大げんかになると思う。


・・・・


陽光煌めく神都を歩いてベガの店に向かう途中。ひらめいた。


あ!S.Aを神教国に委託すれば他国の施設だから貴族は無料と言えなくなるじゃん。好きなだけ作ってやればいいし(笑) 派閥で都合の良い所に作れと言うのなら集客順位をさらして恥掻かせる?あはは!派閥なんて皆貴族だ、恥掻くのは流石にイヤだろ(笑)


でも金出すのは王家だしな。うーん。

S.A欲しいと言いだした派閥に集客平均値出して平均値までの赤字分を補填させたらいいじゃん(笑)


イヤ、考えが薄いな。それだと増収どころか王家が身内に足を引っ張られる。最初の狙いは増収ありきだ、最初からころんでどうする。


王家は初期投資無しでタナウスが持つ資産なら強権で赤字S.Aは取り潰せるな(笑) 一年ほどの試験導入で儲かるS.Aだけ残せば良いし、その時点で王家に売れば誘致合戦は回避できるな(笑)


噴水の縁に腰を下ろしてお爺様を呼びだす。


「お爺様います?」


・・・・


「アル様、しばしお待ちください」シュミッツ。


・・・


「なんじゃ?お主からとは珍しい」

「誘致合戦の解決策が思い浮かびまして」

「お!そうか、申してみよ!」


「元々の考えがですね・・・」


~~~~


「うむ、分かった。宰相に伝えよう」

「進むといいですねぇ(笑)」

「進んでも気はむわい(笑)」

「それでは!」

「うむ、明日朝に王都を出る」

「お気を付けて」

「アルもな(笑)」


さてと、太陽サンサンなので冷えた葡萄ジュースを飲もうと思ったら切れていた。・・・そう言えば切れてるな。思い出したら八カ月も切れてた。みかんジュースを飲みながら毎回やるミスを反省した。


自分が好きだから自分が出した同じ葡萄ジュースばかりを皆に配り、自分の分が無くなって抱き合わせで買ったミカンジュースを飲むミスを。


ミカンジュースが無くなったら買おうと思って約八カ月。ミカンジュースがまだ無くならないミスを。


・・・・


タナウス13時>メルデス11時。


メルデスの北東ギルドに行く。

2月も終わりなのにミゾレが降っている。寒い!常夏から冬に来るとマジきついわ。


葡萄ジュースの補充に来たら、食堂カウンターのお姉さんに『最近見ないと思ったら来たわね!』と言われた。雷鳴食堂ではジュースの絶対量が足りないので北東ギルドに来ないと詰められない。


一回当たりドラム缶一本以上買っている。大壺が10リットルで26個。中壺が4リットルで80個。小壺が450ミリリットル。小壺はなんと140個程もある。


今回は葡萄とミカンと、すでに無くなってるパインジュースを冒険号で仕入れておこう。今を逃すとでまた半年後に同じ事を繰り返す。桃ジュースとかもラインナップに欲しいな。


カウンターで半分ほど壺に詰めて仕舞っている間に昼になった。目の前のカウンターで冒険者がプレート持って美味しそうに食べる。そのうちにギルドカウンターから食堂へ向かう動線に乗ったのに外れた奴に気が付いた。


視たら食えてないのにうちのクランじゃ無い。うちに来ずに何やってんだ、あいつはバカか! しょぼくれやがって(笑)


良く視てわかった。

訳ありでクランに入れて下さいと言えない奴だった。妹と一緒で身動きが取れない奴は冒険者になってまだ一カ月ちょい。


心がきしんだ。思わず声が出た。


「おーい!そこの七位!」

大食堂にとどろく声はキャッチャー時代から変わらない。


「お前だ!お前!しょぼくれた奴だよ。お前じゃねぇ!」


アルを見た何人かが(お前じゃねぇ!と)怒鳴られる。知ってる奴は知っている、泣く子も黙る雷鳴だ。


アルは走って近付いた。


「おまえ、七位で稼げねぇのに何やってんだ!うちに来ねぇか!このクソ寒い中で稼げねえのに何処どこ行くんだよ!雷鳴しかねぇだろがよ!」


恐喝勧誘だった(笑)

まくし立てられて七位の冒険者は怒られポカーン。


「お前、ここで待ってろ!」


「おーい!おまえらー!」食堂で大声!


アルには締まって行こうぜ!位にしか思ってない


「新年明けに冒険者になった七位の奴を見かけたら、どうせギルドの食堂で食えてねぇからな!こいつみたいにしょぼくれてる筈だ!特にこの時期はソロの奴らばかりの筈だ、自分でクランまで来る度胸もねぇ!見掛けたら雷鳴に行けって教えてくれるか?」


「うぃーす!」

「アル様、了解!」

「わかりましたー!」

「はーい!」

「アル様、わかったー!」←関係無い女だった。


問いかけたらクランの奴らが結構居た。


「おまえら雷鳴で食わずに何やってんだ!(笑)」

「依頼見に来てそのまま昼でーす(笑)」


あ!今日光曜日でクラン休みだわ。こいつら頑張ってんなぁ・・・。

※光曜日も雷鳴食堂はやっている。


「あ!そうね!失礼しました(笑)」


ALL「(笑)」


「おい!運がいいな。クランに入れるから来い!」

「はい、でも無理なんです・・・」

「妹がいるな?」

「はい」

「貧民街なんざ出て、妹と一緒に来い!」


「お前の近くに冒険者になった奴はいないな?」

「俺一人です」

「よし分かった、妹連れてこい」

「はい!」

「待った!待つのも面倒臭い。俺も行くから少し待て」


カウンターに行って残りの壺を仕舞う。


「銀貨九枚と大銅貨一枚ね」(9万1000円)

葡萄とミカンジュースで300リットル近かった。


ガス欠から満タンは流石に凄かった。




次回 325話  辿りついた入口

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