第287話 禁忌のハイブリッド
7月11日火曜日、アルムハウス 19時。
「そんな深刻な顔しなくていいです、夕食がまずくなりますよ、みんなで笑って食べましょうよ(笑)」
「いや、神敵が現れたと聞いてはな」
「神敵では無いです(笑) 神も彼らを見守ってます。一月中旬ぐらいにシズン教の行く末が見えなくなって、シズンに伝わる言い伝えで調べても原因が分からず、自分たちが滅ぶ事を知ってました。滅ぶ原因さえ分かれば回避出来るらしいので、危機感を抱いて国の政治、外交、経済、ありとあらゆる現在進行中の政策を未来視しても分からず、シズン教国及び周辺の信徒国の教会に触れを出し、万全の備えをして3か月後に教国を脱出して来てます」
「半年前から察知するのも凄いの」
「その割に脱出して捕まるのも不思議ですな」
「それに関しては食事後に(笑)」
「アルを害す
食事中、やっぱ気になるのか質問されてポツポツ答えてたら、止まらなくなった。なだめるのが大変だった。御子の敵と聞いただけで拒否反応起して否定の一点張りだ。
夕食後、ウズウズする皆に詳細を説明した。
鑑定眼、読心眼、未来眼、隷属眼、衝撃眼、幻影眼、
敵認定されたら、混乱させられ、心縛られ、隷属され、
シズン教の始祖から脈々と受け継ぐ秘術の宗教国。
恩寵を受け継ぐ研究に一生を費やしたシズン教の始祖。己の持つ未来眼の
闇の遺伝学研究の始祖が行った魔眼発現率を未来眼で操作する実証研究。
有益な恩寵を持つ者を教団幹部とするシズン教の儀式が有る。恩寵を持つ幹部候補者1人と1000人の神託式だ。未来眼で神の名の元、神託と称して恩寵発現の夫婦を組合わす。
基礎研究から2300年で研究進化した魔眼継承術。
恩寵、それは血が濃くなればなるほど強力な才能となって現れ、より強い近親婚により強化する事につながった。
そのような恩寵継承の研究成果を
現教皇は父と娘の間に出来た兄妹の子。そうして未来眼の形質を強く受け継いだ恩寵強化人間である事。
それは希少で有益な魔眼を発現した者には神託式により幹部に取り入れ、対人兵器としての恩寵は
全てはネロ様以下6神の名の元で神託を行いシズン教はその様な秘事を行ってきた。
未来は確定しておらず、おぼろな幻影を輪郭が付くほどまで確定してやると大体の望む未来に向ける事が出来る事。とにかく恩寵優先で不具合は間引くという、恩寵強化人間を作り上げる交配を行っていた事を三賢者ならびにエルフ姉妹に平たく聞かせた。
血の濃さに付いて姉妹は良く知っている、濃くなれば濃くなるほど群れは弱くなるのだ。優秀な者が生まれても不具合が出る子供も生まれる。そしてそれを血が知る様にアルムさんの様なエルフの本能が外れる者が出てそれを防ぐ。姉妹はその禁忌を良く知っていた。
普段怒らぬアルノール卿が激高した。優しい人ほどその怒りは心頭に達する。神の名の元に禁忌の恩寵実験の連鎖。聖教国で7大司教まで登った人が許せる訳が無いのだ。邪教だ、邪教の
俺は検索を掛けて知った遺伝情報の流れをかいつまんで話した。皆が錬金術を知る科学者だ。恩寵強化人間はどの様な確率で生まれ、どの様な形で不具合が出るのか説明した。それを10年育てて中身を見て間引く。
その場の話を聞く皆が経験に当てはめた。導師は古来のキャンディルでは雪で閉じ込められた村では学も無く(口には出来ないイケない事とは知って口はつぐむ)本能のまま求めあう親子、兄妹の近親婚があり、村の掟で裁かれた(村八分)家では相手もおらず兄妹で夫婦になったと言った。多かれ少なかれその様な不具合の子が呪いで出来たと村の噂で耳にしたと
未来視とは(俺と同じ感じで)視る対象で見る物で、滅びは視えても何で滅ぶのか滅びの元凶を視ないと繋がらないらしい事を話した。ブツンと途切れる未来視が見えてシズン教国では内政や外交、考え付く限りの今行われている政策が滅びに繋がるのではないかと未来視しまくった事を伝えた。
大きくなった紛争解決には、戦争で勝ちたい>勝ち方がわからない>3つの戦術をシズン教に提示する>未来視で視ると確率の高い1つの戦術が見える>煮詰めながら作戦を色々提案して視る>勝利が視える>神の宣託を国に持ち帰る>勝てるならここに伏兵を要請しよう、寄り子の初陣にちょうどいい、あそこの新領主に教えようと収穫期を外した5か月~10か月も掛かる国同士の戦争準備の間に勝てる戦が噂になり、開戦時には当初の1.5倍の戦力になって、宣託の通り大勝利となる構造。
自由自在にどこを直せば未来が確定するのではなく、あくまで受け身で当事者の姿勢と方策を視ないと分からない事を伝えた。今回の場合は何を視てもブツリと途切れるのが分かったため逃げ出してもブツリが変わらず、旅の最中も未来視についての危険を探っていた。未来視がブツリと切れる元凶がたまたま恩寵範囲に現れたため未来視の脅威がアルを
俺は17時にアルムハウスを辞してから、気合を入れて踏み込んで見て行ったが余りにも闇の悪魔的所業の歴史で途中で視るのを拒否した。魔眼の強化種を取りだすとは濃い血の掛け合わせだ、その分の反動も半端じゃ無い。恩寵の強化人間である代わりに化け物として生まれ処分される。
元々が血の濃さとは、人として余りにも忌み嫌われる形質が出て来るので禁忌となるのだ。同じ始祖の末裔、未来眼同士の近親婚の極まった姿がそこにあった。
未来眼の恩寵能力と人の交配実験による実証の二つが交わってマッドサイエンティストに生み出された禁忌のハイブリッド理論だった。その二つが交わらなければこの様な醜悪な宗教は生まれなかった。
その禁忌を神の下した神託として未来眼で成功させ、子に継承した恩寵を
一般の人なら禁忌だと思うはずだ。
しかし、生まれてからその様な環境で育った者は始祖が伝えた理論を一族が繁栄する秘術と認識して禁忌と思っていない。
2300年に渡り行われてきた常識が
やってる本人の罪の意識がなければ反省は不可能だった。それは一族に伝わる聖なる秘儀とまで思われていてはどうしようもない。恩寵の秘儀を有すること、それは人に命じる地位の優越感と差別意識と栄華を求める歴史の暗部だった。
アルは否定論一色の教会部の皆に、胸の内を全部吐き出した。自分がそうやって生まれ、恩寵を与えられ崇められる地位に付いた場合の人間の
聖教国では始祖セリムが大陸の混沌をもたらす魔眼の持ち主を狩った。その後の聖教国はセリムの遺志を継ぎ、魔眼の災厄を防ぐ為に御子、聖女として地位と高度な教育を与え一般家庭で発現した魔眼持ちを強制的に神託の子と保護した。
始祖セリムの遺志が無ければ、魔眼持ちによる災厄に聖教国も怒って滅ぼしていた事態も有った事を伝えた。現に聖教国は御子や聖女を導き、魔眼で引き起こされる災厄を無くした宗教国となっている事。聖教国という手本があるのだから滅ぼすのではなく、教えましょうと説いた。
初めて聞いたアルノール卿以外の皆は驚いたが、アルノール卿が落ち着いたので本当の話だと納得した。
最後に教義に照らし合わせ以下の罪を問う事に決定した。
・虚栄
・貪欲 金銭、栄華に
・理念なき政治 布施の為に他国に戦勝を暗示。
・人格なき学識 始祖の罪を一族で歴史に伝えた。
・人間性なき科学 恩寵強化人間を作った。
・献身なき信仰 ネロ様以下の神を隠れ蓑とした。
判決は決まった。
教皇以下隷属の上、更生村で有益な作物を作る。
現在10歳のシズン教国末裔をシズンの後継者、新教皇として現教皇が指名。以後神教国タナウスの従属国としてタナウスの教義で真っ当な宗教国にシズン教を変遷させる。シズン教国内部の沙汰は教皇以下の一族と強化人間は恩寵を取り上げ、危険思想の者はタナウスに護送。神教国タナウスから新教皇を補佐する宰相及び側近のメイド部隊を各部署に配置してシズンの舵取りを行う。
隔離施設の妊婦も神託で交配した子だ。そこで働く世話人も関係者及びその種を付けた者も一緒に他の村とは一切隔離する。強化人間はタナウスの一つの村に全部集めて、村の者との結婚は禁忌とし、他の村人と結婚する事が常識と隷属する。介護と農耕を天職として隷属する。
シズン教皇の女帝に引導を渡すための儀式を明日10時から行いますので、賢者の皆さんは謁見の間にて罪を問うための相応しい格好ありますか?と聞くと三賢者はコルアーノの宮廷魔術師の正装、大司教の正装、チリウの宮廷魔術師の正装とバラバラだった。
神の御子を補佐する三賢者なら職務が別っぽくて逆に箔が出て良いと皆で笑った。姉妹はミスリルの鎧に帯剣の教皇護衛。謁見の間の立ち位置や、罪を問う問答、神託など明日の打ち合わせを
・・・・
15時から19時までアルに内面を視られた囚人たちは、目と耳の自由が与えられた。5体の自由は奪われたままだ。昏睡が取れ眼を覚ました教皇は驚いた。
身代わりの珠が弾けた直後に麻痺し、1~2秒後に昏睡。起きたら薄暗い地下牢の中で手枷、足枷に両足に鉄球がついてゴワゴワのドンゴロスの麻布で出来た
貴族名がステータスボードに無かった。ただのベリルになっていた。職業が神への反逆者と変わっていた。
伝言を伝えに来たメイドが牢の前に立つ。
「明日神の御子に裁かれる事を伝えます。それを知る為に目と耳を許された事を知りなさい」
許された視覚と聴覚でそれは32人に言い渡された。
それは栄華と地位に溺れた者が最も恐怖する言葉だった。
裁かれる恐怖。
・・・・
翌日9時30分。
牢に入れられた罪人の下半身の麻痺が解かれた。
執事により罪人は足枷と鉄球を外され、首に縄を付けられ地下牢から引きずり出された。宮殿の廊下を手枷で歩く裸足の罪人32名は謁見の間に貫頭衣で教皇以下序列順に並べられた。
そこは間違いなく一国の王宮だった。神の御子にこれから裁かれると言われた。なんとか高貴な者であることを知らせ、自由を勝ち取らなければならなかった。目と頭は目まぐるしく動き一筋の生還の希望を探していた。
自分たちの後ろには執事たちが縄を持って立つ。部屋のサイドにはズラリとメイドが並んでいる。
罪人たちは王の玉座に正対して並べられていた。玉座の脇にはニウさんとコアさんが立つ。
カラーンカラーンと教会の鐘が10時を告げる。
「護衛騎士のお越しである、一同控えろ」
執事長のニウさんが言う。
全ての者が見た。あり得ない物を見た。そこに見目麗しい女性騎士が二人、突然現れたのだ。その様な恩寵など聞いたことも無い。恩寵の科学者たる者が知らない現象だった。
涼しい顔で玉座2段下の左右に整然と立つ女性騎士。
「三賢者のお越しである、一同控えろ」
執事長が言うと、アルムハウスで待つ三賢者にファーちゃんがGOサインを出していた。
今度は三者三様の格好をした魔法使いたちが護衛騎士の横に同じ様にスッと現れた。
ジェシカさんは転移を特訓し、ファーちゃんのGOでジェシカさんが跳ぶとそれを見て導師と卿が一瞬の時間差で跳んでいる。三者三様の場所から来た様な壮大な演出だが内幕はバタバタしている。
驚く者達を制するようにニウさんが言う。
「神の御子のお越しである!威儀を正してお迎えせよ。そこな罪人、虚礼の礼式など要らぬ。直立せよ」
最後に俺がファーちゃんのGOサインで玉座の前に飛ぶ。
護衛騎士の真ん中に教皇装備の可愛い子供が現れた。玉座の前に現れた子供は座面が高い玉座にお尻を振る様に深く腰掛けた。
子供が周囲をねめつけ、シズン教皇を直視し口を開く。
「神を
それは、何の怒りも感情も抜け落ちた(演技をする)声変わりしてない子供の声だった。
「ほう、こ奴達が?」
「神にツバするとは恐れ多いですな」
「・・・」冷たい目でねめつける。
三賢者がさまざまな反応をしてくれる。
「三賢者にも罪に対する天罰の是非を聞かせてもらう」
「なんなりと」
三賢者はうやうやしく御子に頭を下げる。
「まず教皇から裁こうかな」子供が軽く言う。
「体の自由と口が使える様にしてあげる(笑)」
優しげに神の御子が人差し指で教皇を指した。
「もう喋れるよ。教えてもらおうかな」
「ベリル。よくも神の名を
「何かの間違いでございます、神の名を
「うるさい!
途端に子供がべらんめえと怒りだす。
「神が与えるのは祝福だけだ。加護こそ神が与える祝福だ。ここにいる者は持ってないな。お前らに神を語る資格は無い。お前らが自分で一番分かってるな。シズン教などと腐った宗教国を立ち上げ、神の名を
子供に威圧が付いて段々と暴君の口調になって行く。
「人がこの世に器で生まれ、磨かんと神界より降りた魂を
罪状を読み上げる。
「恩寵を収集せんが為、欲に踊り人を馬やヤギの様に扱い未来眼を悪用し不幸を振りまく~・・・
~~~~
・・・~以上の事は恩寵研究の秘術の名の元に許されざる神への
「神の教義に照らし合わせ罪を言い渡す!
・虚栄 自惚れと見栄に踊る罪
・貪欲 金銭、栄華に執着の罪
・理念なき政治 他国に戦勝を
・人格なき学識 始祖の罪を一族で伝えた罪。
・人間性なき科学 恩寵強化人間を作った罪。
・献身なき信仰 ネロ様以下の神を隠れ蓑とした罪。
以上の罪を言い渡す」
「罪を犯したと言えど、闇に葬った神の子たちの様に殺してはつまらん、死ぬまで神の国の奴隷として土地を耕し豊かにする事、恩寵施設に暮らす母から生まれる子の面倒を一族で見るが良い」
「三賢者、罪と罰に申す事があるか?」
「御子様、妥当と思います」
「それでよろしいかと」
「御子様の申す通り」
「ベリルよ、つまらん事は考えるな。神をたばかり、言い逃れ、この神都から逃げられると思うのか。そう考えるのが悪人だな。お前は自分を悪人と分かっている。そこに並んだ誰のせいにしようとか無駄な事は考えるな。すべて己の命令でやっていただろう、神の前で嘘が通ると思うのか?丸見えだぞ(笑)」
ここに並ぶ罪人全てに言い渡す。
「ステータスボードは見たな?シズン教国に帰ればなんとかなると考えるな。お主たちが勝手に家畜の様に増やした恩寵は全て無に帰す。お前たちに恩寵などいらん。以後一生付かぬ、現シズン教に寄り添う者は恩寵は消える、ステータスはそうなる。神の名を
「神の国で反逆者は可哀想だ、奴隷に変えよう」
「お待ち下さい、シズンの民の事がありますれば」
アルノール卿が
「民か・・・慈悲を
罪人をねめつける。視て行く。
「そこの子供の魂は一族の罪悪の
体の自由を教皇と子供だけ自由にした。
「教皇、自由にしたぞ、子供に譲り渡せ」
「お待ちを!教国はそんな事はしておりません」
「おい!お前、今まで威張ってきた教皇だろ?この一同の前で恥ずかしくないのか?お前以外は認めているぞ(笑)」
「・・・」
「他の事が言いたくなったか?シズンがどうした?」
「何千年も恩寵を増やしてシズンは繫栄して来たんだ!ここまで築いたシズンを失ってたまるか、ふざけんじゃないわよ!一族がどんな思いをして教国を作って来たと思ってんの!」
「聞くに堪えぬ欲の汚さだな、真っ黒だ。さすがここに来るだけの事はある。神の天罰を受けるに相応しい魂のクスミを持った者だ(笑)」
「お前は、この現世で
「良いぞ、思っている事を存分に述べよ」
「うるさい!神を
「神を
隷属した。
「教皇を譲り渡せ」
「おおせのままに」
囚われた一族や側近たちが余りの
「シズン教国の教皇の座を、
「ニウ、今の言葉を投影せよ」
「は!」
今、起こった事が謁見の間でそのまま再現された。
「カムスを連れそれを投影せよ」
「は!」
「三賢者も聞いたな?カムスもそのままでは国に帰り辛いだろう、教皇に一筆書かせ、そこの教皇の持つ指輪や装備を与え、国まで送ろう。頼めるか?コア」
「おおせのままに」
「これが教皇の手荷物でございます」コアが持ってくる。
俺が教皇のマジックバッグから、コレいるな、コレいらねと選んでヒョイヒョイ教皇の証を取りだして玉座横のテーブルに出して行く。山のようになる教皇の装束。ローブや王冠、王杓が出されて行く。
皆が驚いて見るが、思う存分魔法袋の手品を見せてやった。
「賢者アルノール卿、シズンの教皇の装束を子供に合う様に
「命のままに」賢者アルノール卿が答える。
「その子供の職にシズン教教皇と入れる。カムスよ最後のお別れにステータスボードを一族に見せてやれ」
子供は震えながら全員にゆっくりと見せて行った。
--------
シズン教国 教皇
カムス・デ・フォン・イル・シズン。
--------
10歳の子供のカムスは泣いていた。カムスを愛し、可愛がってくれた一族に泣いていた。神の罰を受ける家族に体を震わせて泣いていた。
冷たく一同に言い放つ。
「異端の宗教国シズン教国は絶える、以後はその名しか残らん。
子供カムスを除いて全て隷属した。
「お別れは終わったな、お前たちは今日を最後に生まれ変わる、シズンと名の付く邪教関連の記憶は全て忘れ、神の国の農奴として村に住み世のために食糧を作る事、神の土地を豊かにする事が仕事となる。人の養殖場の様な恩寵増産施設を解体し、連れてきた妊婦から生まれる子供に対し、一生介護に身を捧げる事を命じる」
神との制約を言って聞かせる。
・シズン教に関する事は全て忘れる。
・家内仲良く、親と子を大切にしなさい。
・獣人・人には親切、仕事に熱心でありなさい。
・獣人・人を恨まず
・腹を立てずに悪口言わず正直に生きなさい。
・笑顔の絶えない楽しい人生を歩みなさい。
「皆を解放した。手枷を外し村に連れて行け」
「かしこまりました」
たちまち後ろの執事が皆の首縄と手枷を外す。
「カムスよ一族の見納めだ。もうお前の事も覚えておらん」
皆カムスに
「神にツバした一族の
「分ったな?」
「はい・・・」
・・・・
王宮で三賢者と軽食とソーダ水みたいな昼食。姉妹はシズクとスフィアと一緒に昼食でアルムハウスに跳んでった。
「落とし所は、あんな感じかと思いました」
「神の国という物は大変でございますな(笑)」
「でもあれが神の教えなのでしょう?」
「その様な教えと言うか、皆さん一人一人にある心、感情の元はそれぞれの人の器に入った魂にあります。人の生きる意味はその魂を磨く人生の話です、皆さんにもそれぞれ魂が入り磨かれた輝きを放ってますよ。
あの者達がやっていた行為はアルノール卿が怒った通り許されません。科学を使った神への
教えでは無いです、神は村で働く罪人を喜んで見守ってくれますよ。それは人が生まれて来た道に沿う人生に戻った筈なんです。少なくても私はそう思ってます。私が宗教国を正せば無益な殺し合いは無くなるとネロ様が
「そう仰ったのか?」
「はい」
「儂も一度で良いから神にお言葉を頂きたいのう(笑)」
「神を忘れて、物質世界で己を磨く旅の途中で何言ってるんですか。親の元を離れて旅して磨くって大喜びで神界より世に出て来たのに親の顔見たいんです?(笑) 神様神様言うなって私が良く言うでしょ?三賢者は神様神様言わずに、ずっと研究して磨いてるから賢者なんですよ。親の顔見たいと磨くの忘れたらダメです、研究してください(笑)」
「もっと研究しろと初めて怒られたの(笑)」
「私もその様な言葉は初めてですな(笑)」
「大丈夫です。死んだら親の元に帰れます(笑)」
「教皇様(笑)」
・・・・
その日からシズン教を名前だけの
以後シズン教国に未来視を求め紛争の行く末と利害を占う様な国は執事の部隊が潜入して痛い目に合わすだけだ。前線で命令に従う者ではない。権力に
シズンの内幕を薄々知り、内部でその秘儀に関わる者を隷属してタナウスに連れて来た。関連施設の家族、一族合わせて2万人。皆が平等で介護を受け入れ当たり前の村人となって暮らす村の集合体が更生村の土地に生まれた。
恩寵は付かぬと言ったが、作るのは世に出回る不作に強い高収穫の種苗の増産なので皆に農業Lv1を付けた。
ついでの話なので同じ事やってるシーズ教も同じ様に終わらせた。始祖を視たら千年以上前、当時の兄弟の跡目争いで、能力も変わらないし長男でいいか?みたいな教皇の決められ方した弟がキレて側近と共に自派閥を連れて
次回 288話 ナレスの夏休み
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