第285話  ジェシカさんの秘密


7月10日(風曜日)


兄夫婦は結婚式から1週間後のこの日。ロスレーン領の視察名目の新婚旅行に旅立った。ヘクト湖の別荘で1週間程のんびりして気合を入れ、ミリス男爵家やギシレン男爵家、各街の代官や執政官に二人揃って結婚の挨拶をする新婚旅行だ。


ロスレーン領を西へ東へ走り回る。最後に領都に程近いライツ湖の別荘で疲れを取ってから帰って来る。1カ月の新婚旅行で騎士団と執事、メイドを伴った新婚旅行の後ロスレーン家に入る。


ロスレーン領地図。

https://www.pixiv.net/artworks/100819215


罰ゲームじゃないのか?(笑)


聞いて苦笑いした俺の内心を読んでか、シュミッツとジャネットが花婿の立場や花嫁の立場をお互いに話を補強しながら教えてくれた。


家の都合で相手の家名と容姿、眉目秀麗びもくしゅうれいと賛辞で紹介される貴族学院と貴族院在籍時の実績。そんな縁談で婚約し遠隔地の恋愛になると手紙だけが唯一相手を知る手段。お互いが相手の目も見ず表情を見ない文章の恋愛となる。そんな二人が結婚して大家族の貴族家にいきなり入る。家風や土地のしきたり、結婚相手の生活も知らずにいきなり暮らし始めると花嫁が参ってしまうと言うのだ。


花嫁も実家ではお姫様で暮らして来た相手だ。大貴族になればなるほど新婚旅行の時間を通じて、生の相手を知りあってお互いに理解し、花嫁にとっては自分を守ってくれる旦那と同行した使と新婚旅行を通じて親しくなり、その家の家風や考え方を知り、自分のを知ってもらう期間となる。そうする事で花婿の家に入り易くする儀式らしい。


聞けば歴史と知恵が詰まった良い風習だった。それでも罰ゲームと思う俺の気持ちはまた別の話だ(笑)



聞くまで知らなかったが、やっぱ貴族の婚約は色々家同士の繋がりで難しいみたい。フラウ様のように伯爵家当主が相手を決めて『どうだ?』と婚約を勧める方法とロスレーン家のお爺様とお父様の様に『この人が良い』と親に打ち明け、相手の家格を見た親同士の同意を得る方法があるみたい。


貴族学院の子女は前者の様な、顔も知らない相手と婚約を勧められてもたまらない。自家の家格で婚約の可能性ある相手を同派閥から重点的にリサーチして備えるらしい。当然だ、俺だって相手の顔ぐらい知りたいし、親に突然言われる前に学校で色々と調べるぞ(笑)


ルシアナお婆様は中立派、辺境伯家の次女。家格が高くそこら中から縁談を望まれるのが分かっていた。ボヤボヤしてると相手は家格で決められてしまうので自ら当時の辺境伯に子爵家長男のお爺様の所に嫁に行きたいと頼み込んで婚約した。


俺が聞くとフーンだが、この時代は違う。適齢期の姫が相手の男の同意なく逆縁談を家長に言い出すなんてトンデモ仰天な時代だ。言い出した時点で割腹自殺もいとわぬ根性が要る。ミウムの血を引くお婆様の腹の据わりようが垣間見えるし、兄のミウム伯が大笑いで話しのタネにするのが分かる(笑)


エレーヌお母様は同じく中立派、ルーミール伯爵家の三女で貴族学院の同級生でお互いに好きになり親に報告して婚約。


次男、三男、次女、三女は親が許せば自由自在に何処にも行ける。アランお父様の弟の三男サルマン叔父さんは当時次男が生きていた事もあって中立派男爵家に望まれて養子に行った。アンドリュー男爵家の四女と結婚して男爵家の跡継ぎになった。



話しは逸れたが、そんな理由でフラウお姉様は8月中旬しか帰ってこない。リズの魔法の鍛錬は9月以降からとなっている。


7月中旬からレンツ様がフラウ姉様の代わりに魔法を見てくれて魔法技術のアドバイスは勿論、魔法士の倫理、道徳観の授業をしてくれている。その授業は覚えるタイプの勉強では無かった。魔法士の歴史を知る授業だった。


魔法大国同士の戦争で宮廷魔導士は死体を作り出し、回復士は翌日ピンピンして戦う兵士を作りだした。加えて制約や禁忌が無い時代には継続紋の完成と共にヒールの魔法が一般化する事で通常の戦争より長引き、戦争は終わらなくなった。手負いにして戦力を削ぐ作戦は意味をさなくなった。殺さないと翌日傷を直して参戦するのを防ぐために殺し尽くそうと戦争はなお苛烈かれつとなった。


魔法大国の両国は養成するのに時間の掛かる魔術士、回復士を最優先の標的と狙い、お互いに失う事で甚大な被害を出して衰退し魔法大国ではなくなった史実に残る実話を授業でする。


それは魔法大家ならではの情操と倫理、道徳観の授業だった。


・・・・


俺とアルムさんは7月の10日よりエネイ王国~エスジウ王国の国境を飛び越えた場所から旅の続きを始めた。幌馬車があるから起点の街から出発しなくても良いのは助かる。


道行く人を視るとやっぱ武力で成る国はプライドや自尊心が高いのが分かる。やっぱエスジウの民はエスジウナンバーワンだ。住んでる自国が一番の贔屓ひいきに決まってる。アルムさんに周辺国の話題は出さない様に注意しておいた。


阪神ファンの中で他球団の話題はご法度だ、たとえボロクソこきおろしててもそれには愛があるのだ。軽く同意してもそこに愛の無い同意は見抜かれてエライ目に遭う(笑) こきおろしてる横で六甲おろし歌っておけば間違いない。


何の話だ・・・。


そんな中、15時頃に幌馬車を仕舞ってメロの街に入った。検索で出てきた宿屋さんに向かうと、街のメインストリートは賑やかで吟遊詩人や弁士の姿も見える。


実は1週間分端折はしょるとアルムさんに言いながら10日分端折はしょった。丁度跳んだ所が大森林と大山脈の横の道で冒険者が森をゾロゾロ歩く。獲物積んだ荷馬車の冒険者や旅人と護衛の冒険者も道にウヨウヨいて幌馬車出せなかったの。アルムさんに先に良い所があると大森林の切れた所に跳んだ(笑)


あと1週間も旅すればエスジウ王国の首都だ。国境紛争はあるが当事者の領主と領主のいがみ合いで国対国の戦争にはなっていない時期が7年続く。エスジウは今、富国強兵中の充電してる国。先の戦争で後先考えず2面で戦争やったら国内物資が枯渇寸前まで行って思い知った国だ。内陸の国は絶対に四面楚歌を避けなければならない事をその時エスジウは知った。自給自足では賄い切れず物資が枯渇するからだ。


隣のイノシシ、アドワと揉めた時にハムナイと全面戦争中だから引くだろうと紛争で強気に出たらアドワと戦争になった。同じ様な経緯で普段大人しいロフトンの守備隊と揉めた時に殴りに行ったら2面の戦争になっちゃった。


エネイからの補給線をロフトンに封鎖されダイロン公国のみ(パリス教国は信徒国同士の紛争は止めなさいと戦争国には経済制裁する)の軍需物資を頼る二面戦争は足元を見られた。ダイロンも物資が高いと思うなら一つ戦争を止めなされと涼しい顔で値上げする。結果ものすごい戦費を失ったのだ。


アドワとハムナイの両国は国を上げて鉱物資源を掘って海路を使って交易するため、兵の強さ以前に継続戦闘能力がすでに特産の国となっている(笑) 産めよ増やせよの原住部族優先保護政策で国軍と共闘して国境線全域で押しくらまんじゅうやって泥沼の10年戦争やってるのだ。


俺がハムナイの岩山の要塞に行った時は毎日戦争やってる感じじゃ無かった。にらみ合っていつでもやったるぞ!みたいな感じだった。


だから、ダイロンとエスジウは両国の戦争の間に軍備増強に走り、今では4強序列はダイロン>エスジウ>ハムナイ>アドワじゃ無いのか?と好事家の間ではささやかれ、分析者の観点一つで4国の軍事的な序列はクルクル変わり、面白可笑しく弁士の話の種になっている。


今いるメロの街頭弁士(各国の国策や戦争話の解説を面白可笑しく聞かせて投げ銭を取る弁士)はその様な南中央大陸の現在情勢とエスジウの状況や国力分析を地図の絵巻物を見せながら解説してくれている。


それを聞く冒険者が燃える。腕が立てばハムナイかアドワで士官の道が見える。出世して貴族の道もある、燃えない訳が無い。そう、話してる弁士はハムナイ行くなら紹介しよう。アドワ行くなら紹介しようと集まった若者を行きたい国に誘導して兵士を募る口入れ稼業もやっている。


弁士だ。あおるのも上手い。


単純な世界では無い。両方の陣営から口銭取って周辺国の若者を戦場の栄光に駆り立ててあおりに来てるの。俺とお姉ちゃんが普通の冒険者の格好だからどちらが優勢だと思うね?と水を向けて来る。


さっきは贔屓ひいきの国を聞き出して、ハムナイは勇敢な君の様な冒険者を待っている、アドワを許してはならぬと背中を押していた。視るとアドワ贔屓びいきの者には極秘情報でアドワが反転攻撃に出るからそれまでにアドワに行くと得をするとあおる。


俺は子供らしくトンチンカンな質問で困らせる。


「パリス様は戦争は許してくんないよね?」

「すまんな、国があれば戦争は起こるんだよ」


「生まれて来る子を守るのにパリス様が祈ったのに、大きくなった人が戦争で死ぬとパリス様が怒るよ?パリス様に祈ってる人同士が戦争したらダメだよね?」


「そうだなぁ。パリス様も困るかなぁ」

「そっちのお姉さんはどっちが勝つと思うね?」

「美味しい物がある国が好きよ」


誰もそんな事聞いてない。と弁士が困る。


戦争の話がズレるので弁士の興味は他者に移った。


大銅貨1枚でこの辺の状況を含む軍事情報は充分頂いた。村人や街の人と違って実際に見て来た者の情報は街で視る100人分の情報より役に立った。


どんなに列強でもその大陸に根ざしたネロ様以下6神をまつる宗教である以上周辺国は畏怖を持ち不可侵の国がパリス教国だという事が分かった。エスジウが二面戦争で困った時には戦争国とは交易しないと通告する国だ。


そんな事を言うパリス教国と揉める。それは神に逆らい剣を向ける事になる。どんな列強でも国のTOPが人間である以上、天罰を恐れる。病気や不慮の事故、思わぬ災厄を恐れる。


そんな南の中央大陸はメロの街のパリス教会。


教会が大きかったので経典になった魔法のスクロールを全種類3枚ずつ強奪しておいた。(アルは人の作ったパリス教など怖いとも思わない) 


司祭とシスターが5人居たので誰かが3枚横流ししたと思うだけだ。実際にスクロールを仕入れの3~4倍の値で売ってるのよ。まぁ圧力掛けてでも家の備えで欲しい領主もいるしな。戦争が身近な国ならなおさらだ。領主に忖度そんたくして尻尾振る人間や教会はどこの国だってある。今回の消えたスクロールはそうやって横流しして儲けた金で補填ほてんされると思う。


奪った使い切りスクロール技術を丸裸にしちゃるぜ。取り合えず導師と卿にお土産にして、利点があれば販売しても良いじゃない。パリスの総本山でどうせ視るから魔術紋の解析に俺は焦っていない。


検索で知る宿は隊商に人気の宿で森の子ヤギ亭という鈴が意匠の宿だった。姉弟の2人で大銅貨16枚(1万4千円)朝夕二食付き、2Fの2人部屋だ。


カウンターで鍵をもらって階段上がる時に無意識に鼻歌歌っていたらしい。森の子ヤギの歌を教えてくれとアルムさんに言われて気が付いた。日本語で歌っても恩寵、心声Lv10で共通語で聞こえちゃうのだ。エルフ的には食いつき所は間違ってないと思う。森が付いてたらエルフ的と思う俺も変かもしんない。


部屋は狭く最低限、ベットとベットの間に机が一つあって水浴びできるぐらいだから二人で8畳ぐらいあるかも?


検索したら著作権消滅と出たがのでチョレスで弾きながら教えてやった。


めえ~めえ~

森の子ヤギ~ 森の子ヤギ~

子ヤギ走れば 婆やに会える~

会えりゃ 爺やも 可愛がる~

そこで子ヤギは めえと鳴く~


めえ~めえ~

森の子ヤギ~ 森の子ヤギ~

子ヤギ帰れば 家族に会える~

会えりゃ みんなが 可愛がる~

そこで子ヤギは めえと鳴く~


ちちを飲んだら 頭がコツン

頭をけたら 隣にコツン

乳飲み子ちのみこヤギは めえ~と鳴く



なんか曲の明るさの割にダークで怖い歌詞だった。ダークエルフになっても困るのでアルムさんに教える前に並列思考で速攻で改編した。著作権以前に二次創作になっているが


日本語で歌うとちゃんと異世界語で同じ歌詞でアルムさんが歌うのが俺には凄いことだった。きょうが乗って夕食が出来るまでチョレスを鳴らして伴奏して歌ってやった。アルムさんも覚えて一緒に歌ってたら森の子ヤギ亭の女将さんがノックした。


うるさいと怒られると思ったら、その歌を教えてくれと言われる。メモまで取られて覚えられた。食堂で弾いてアルムさんが歌う度に机にエールだツマミが増えて行った。


最初は鼻歌から始まったサクセスストーリーだった。

そして俺たちは旅のバスカー大道芸人と思われた。


・・・・


まぁ、そんな話はいい(笑)


夕食後に桶に井戸水を汲んで、部屋からハウスに二人で跳んだ。アルムさんを先に風呂に入れて、俺はアルムハウスに行くと全員揃って入浴後のお茶をしていた。


「お!アル、この時間に珍しいの?」

「ちょっと変わったスクロールが有りまして」

「お!見せてみい」入浴後でも相変わらずだ。

「これなんですが、パリス教の回復スクロールです」

「スクロールとは1回きりか?」

「はい、これで聖教国と同じに教会で回復してます」

「お主、持って来るところが違っとろうが(笑)」


「あ!」


---アルの回想がカットイン---


ジェシカさんは魔術紋をそのまま解き明かせる魔紋眼の持ち主だった。チリウ王国、元宮廷魔導士 序列4位のジェシカさんとの邂逅かいこう


ポヨーン村でアルは魔法のお婆さんを視て魔紋眼の恩寵を理解した。魔術紋の恩寵とは似て非なるモノだった。魔術紋とは別名魔法陣とも言う。アルは最初継続の魔術紋を導師から学び、魔法を吸う紋と魔力を吸う紋を知った。聖教国のプロテクに使われる被付与者の魔力を吸って自立する魔術紋。それより導師が吸魔紋を分割させて魔力を保持する充填吸魔紋が生まれた。それは魔石でも魔力でも魔力を蓄え魔術紋が発動するモノだった。そしてその編みを改変し暖房紋が生まれ、街灯紋に生かされている。


魔術紋は刻み込むのに編込みを知らねばならず、魔力線の編込みをもって魔術紋(魔法陣)を物に刻む。アルは単にその魔術紋を編むのを解いたり、改変する事が出来るのが魔紋眼の恩寵で、Lvによってマジックバッグの認証紋を読み解ける者と思っていた。


マジックバッグの認証紋の構造は複雑ではあるが認証紋についての研究は進んでいて、認証紋自体の編みはどのような物か高次の魔術士には解き明かされていた。導師は何も危険のない自分のダンジョン産マジックバッグの認証紋の構造をアルに教えて認証紋の初期状態に書き換えるすべを教えた。以後アルは導師のマジックバッグを使う事になった。


そして後日魔紋眼を持つ片目の賢者のマジックバッグ開錠の怖い実話を聞き、魔術紋Lv10と魔紋眼の恩寵は同じものと勘違いしていたのだ。だから魔紋眼も魔術紋も単に便のように思っていた。


しかし、ジェシカと巡り合いその魔紋眼を視た時、認識とまったく異なる恩寵であることを知る。


魔紋眼は魔術紋魔法陣をそのまま中身を理解し構築する編めることが出来る恩寵だった。魔術士が魔術紋魔法陣を刻むが発動できる魔法を刻めるのだ。編みが分からない魔法は刻めない。マジックバッグの魔術紋をいくら眺めても空間魔法の編みなど見えない。だから導師はマジックバッグの編みが見たかったのだ。


しかし魔紋眼の保有者がそれ魔法陣を眺めると魔術紋魔法陣が理解できる。Lv が上がれば上がるだけ高度な魔法陣を理解してどの様な編みも読み解けるのが魔紋眼だ。


一度見たら理解してそのまま。刻めると言うのは編めるのだ、そのまま手の平から発動できる。魔力眼が魔力を視るに特化するように魔法陣を視るのに特化した恩寵が魔紋眼だった。


魔法陣をそのまま理解しコピーするのだ。コピーして発動することが出来るから同じ様に魔術紋で刻める。


魔力眼と違って手の平の編込みを実際に見て改変したりは出来ない。魔力効率や威力を上げる熟練と努力は他の魔導士と同じだ。緻密ちみつで高度な魔法陣でも丸ごと理解してLvや魔力制御がその域に達していたら発動できる。


魔術紋のエキスパートが魔紋眼の魔法士だ。熟練度が足りていれば魔法陣の魔法がそのまま使える魔導士だ。


導師が言った意味は以下になる。


・ジェシカさんがそれを発動する(刻む)。

・刻む編みを見て導師も卿も俺も覚える事が出来る。

・導師と卿がその編みを見て研究する。

・魔法発動後にスクロール腐食の魔術紋を抽出する。


---カットイン回想は終わった---


「良い、置いておけ。朝から女史が来るじゃろ」

「コレが判明すると騎士が持つ事もありますな」

「有効な手立てじゃ、村に置くだけで変わろう」

「はい!明日の晩、16時~20時までに戻ります」


「うむ、そうせよ。女史に視てもらい、少なくともスクロールは刻めるようになっておろう」


「お願いいたします」

「ちなみにアル、女史についての啓示はどうじゃ?」


「何も問題なく。元々反射魔法陣は遺跡の古代文字が解読出来ず打ち捨てられた古文書からその魔法陣をジェシカさんが発見し、戦争特化の恐るべき魔法と生涯に秘匿ひとくしたものです。国に追われる難民を救うために発動していた魔法陣。その様な意志の方にお願いして魔法を見せて頂きました。私を信用しております、私も信用しております。なによりマジックバッグの魔術紋を読み説きながらその恐るべき技すら秘匿し自分で持たないお方です。私が言うのも無粋と思います」


「分かった、我らより先にこの地に来ただけあるの。お主が口にしたんじゃ、御子の啓示でそれが分かっておると伝えても良いな?」


「話が早いかと思います。よろしくお願いします」



シズクとスフィアにハグしてハウスに帰った。


「遅かったわね?」

「あ!いいものが!(笑)」

「アロちゃんが出してくれるわよ」

「自販機持って来たの?」


「ベント様やクルム様が使われてない研究室の倉庫を使わせて頂きました。了解は頂いております」


「そうなのね(笑)」


「最近Enterprise冒険号で食べられないので(笑)」

「忙しくて。ボタン押すしか行ってないね(笑)」

「あれ面白かったねー(笑)」

「うん(笑)」


「僕もお風呂上りにお願い!」

「かしこまりました、アル様」


お風呂から出て来たらクリームソーダを出してくれた。


森の子ヤギ亭に飛ぶ前に身分証の発行をお願いした。


・神教国タナウス 宮廷魔導師

 賢者 1位 ベント・キャンディルム


・神教国タナウス 宮廷魔導師

 賢者 1位 アルノール・ファルク


・神教国タナウス 宮廷魔導師

 賢者 1位 ジェシカ・アントム


ついでに身分証も追加した。シェルとシズクとスフィアの平民、貴族用の身分証も俺と同じ家名で作った。


・神教国タナウス 七星騎士団 第二騎士団 

武官8位 アルベルト・カミヤ


王家の家名を堂々と入れた身分証を作った。俺とシェルとシズクとスフィアが四兄妹になった(笑)(沢山の身分証を持つ事で並列思考が七つの顔を持つ男なキメ台詞ぜりふを考えている)


「タグも同じく作ってあげて、俸給はジェシカさんと同じ、月銀貨10枚(10万円)ね。それ以上の金額の物はタナウスには売ってないとちゃんと言わなきゃダメよ(笑)」


「かしこまりました(笑)」




※宮廷は君主に近しい廷臣と言う意味です。王は宮殿に生活しますので近しい臣は宮の内廷(君主の私的な場所)にいる意味で宮廷です。アルの私的なアルムハウスに住んだり出入りする賢者はまさに宮廷魔導師です(アルが三人の弟子だから師を付け二人はそれを見てアルの心を知ります)


※シェルはサルやポンチョや今はチョーカーに具現化してます。人型になる時はティンカーベルの様な羽根の生えた天使の形になりますが、アルが命じないだけで人間どころか何にでも具象化出来る存在です。


※教皇、法王は宗教団体のTOPを表す日本語ですので上記の王家はと理解してください。


は王の住む宮殿と言う意味で、正確に言えば王宮ならば法王の宮殿です。教皇の宮殿でも皇宮で同じ意味の日本語です。ハーヴェス帝国や帝政ミランダの表記に皇宮(皇帝の宮殿)表記してます。





次回 286話  察知する敵

--------------


この物語を読みに来てくれてありがとうございます。


読者様にお願い致します。


応援ポチ。☆も頂けたら嬉しいです。


ポチをしてくれる事。それはとても励みになるのです。


一期一会に感謝をこめて。よろしくお願い致します。



               思預しよ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る