第265話 剣神様がくれた時間
1月29日。
朝の読み書き教室を明日から休ませてもらう様にキャプターに頼み、イコアさんに教室のピンチヒッターを頼んだ。リズはロスレーンに行くまでは続けると言ってくれた。今日は光曜日明けなのでPTの面接を行って8PT6ソロ49名もメンバーに入れた。
ここ一週間のメンバーの集まり方が半端ない。号外のイコアさん効果がもの凄い事になっている。
もう2月はすぐそこ。以後は3月4日の光曜日開けまでメンバーの加入面接も1か月置きにした。
イコアさんの二つ名は雷光だと情報誌に報じられた。マスターに二つ名が無いのに序列として受け入れ
どこで決まっとんねん!(笑)
オマケで俺の二つ名が雷鳴になった。
顔を出し辛いのは街だけでは無い。
何より雷鳴食堂に行けなくなった。吟遊詩人があの一件を歌うんだよ。昼には来て歌ってやがる、北ギルドに見物に行った奴も行かなかった奴も情景を浮かべてヤンヤの喝采。俺とイコアさんを異常に長いチャンチャンバラバラで
まぁ、そんな騒動は皆知ってるので俺がクランから逃げ出すのをリナス始め事務員や教官たちも理解してくれた。
・・・・
同日1月29日。教室の後。
(師匠!)
(アル、あれか?)
(はい、これ)金貨の革袋を渡す。
(お!済まんな)
これがあるので俺が来るとお茶の用意をするメイドより先に応接に姿を見せるリード師匠に言う。
「剣聖を輩出する剣術学びませんか?」
「お!なんか
「今ヒース団長以下いないし修行しない?」
「いいぞ、何処へ行く?」
「家族達が帰って来るまでの3か月を他国で」
「外へ出るのか?分かった」
「光曜日は帰ってきます」
「週末に帰れる修行(笑)」
「変です?」
「普通、帰って来れねぇと思って行くだろ」
「・・・」
視たら殺されそうな戦場で生き残るのが修行だった。
「四峰と言う、剣術が盛んなムン国の・・・」
今回の家族の王都行きは
・・・・
すぐにタナウスに跳んでエルフ姉妹も誘った。
「二人共、インベントリは大丈夫だよね?」
クルムさんが円柱出して鹿をスッと乗せる。
アルムさんも円柱出してリスをスッと乗せる。
ドヤ顔だけど、鹿もリスも自分に向いてるのが笑える。
「お見事!二人共剣術修行しない?」
「剣術修行に行ってどうするのよ(笑)」
「アルムはやっても良いかな?」
「私は剣術はいいわ(笑)」
「アルムさん本当ブレないね(笑)」
「何よ!アル君に負けるのは嫌とかちゃんと考えてるわよ」
「・・・」自分の為じゃ無いのかよ!
「約三か月泊り込もうと思うの」
「え!そうなの?私はどうしよう・・・」
「光曜日は帰って来るよ」
「そうなのね(笑)」
「クルムさんも行こうよ!恩寵Lv落して基礎体力数値も一緒に上げる特訓するの。恩寵低い方が基礎数値が上がり易いんだよ。クルムさんの運動能力の底上げにもなるよ?行こう!」
「私は後衛だからねぇ・・・」
「まぁ、そうなんだけどさぁ(笑)」
「うーん、そうねぇ。アルが言っていたシズクとスフィアに付いて狩りとかお料理とか裁縫教えようかしら、ファーちゃん達も居るし」
メイド達がウンウン
「え!本当に?いいの!」
「スフィアも人の事知らないと困るじゃない」
「ありがとう!クルムさん」わーい!
「そんじゃ明日6時に導師ハウスから行くよ」
「アル君と私で剣術修行?」
「リード師匠とニウさんと四人」
「四峰って剣聖の一族がいてねぇ・・・」
・・・・
そのまま冒険号でタナウスの身分証を作る。
名前もそれぞれタナウス役職で付けた。
ラナン流
クロメト流 攻守バランス アルベルト・タナウス
エルブル流
カグア流
全員それなりの神教国タナウスの肩書を付ける。
ニウさんと一緒にコアさんの名前と身分証を作った。
王宮メイド長 コア・ラキストス:1位
コボルさんの名を付けたらコアさんが驚いた。コボルさんと最後まで過ごしたコアさんに相応しい名と納得させた。他の1番艦~5番艦まで船長の名を各艦の統括メイドに付けた。5人は各5つの衛星都市を掌握している。今回名前付けるついでに衛星都市の名も1番艦~5番艦の名にした。
衛星都市 統括メイド長 役職
マリン ナノ・ソムリス メイド長1位
ストック アクア・リンド メイド長1位
スカイ アポロ・グンナス メイド長1位
ソレイユ ガイア・エレス メイド長1位
ユピテル マーニ・バンクス メイド長1位
ニウさんのベイスンは、多段階層予測演算装置を作ったタナウスのベイスン社だ。ニウはコアのバックアップでコアの情報維持と非常時に待機していた同じ規格のコンピューターなのでそのままニウの実家の名前と言える。
話が
ニウ・ベイスンが多分一番強い。第一騎士団長:一位。六艦で一番高性能な演算装置が操る宇宙戦闘用ナノロボットが剣技で何処まで行くか楽しみ。違法な宇宙アウトロー達の船内制圧時は、敵対ロボの持つ量子に分解する光線の着弾軌道演算して放たれる前に回避すると言ってたからな、後の先だと思った。
リード・オーバン 近衛騎士団長:一位。
身体強化ⅡLv4は伊達じゃない、国に一人いるかというレベルのはずだ、当然剛剣が似合うと思う。恩寵的には一門枠の10人に届くと思う。
アルム・ポポ 教皇護衛騎士:一位。
アルベルト・タナウス 神教国 教皇
視てクロメト流を盗み、ついでに身体基礎数値も上げようと狙ってる。登龍門を駆け上がるぜ。
アルムさんの名前を族長から取ったら、ポポロ様は英雄の
皆に恩寵と基礎数値の話を説明。中腹までは恩寵を剣術Lv3で登る様に言い含めた。剣士の序列上昇が止まったらそこで基礎数値が動かなくなるまで鍛錬する様に言った。
俺よりスピードの速い二人なので恩寵Lv3以下でも良いと思うが、その肩書が許さない。武術恩寵はLv7~8まで登った加算された基礎数値なのだ、恩寵下げてもとんでもない基礎数値だ。恩寵は基礎数値と共に自動で上がって行くと思うけどやった事無いから分かんない(笑)
・・・・
ムン国の位置
https://www.pixiv.net/artworks/103243990
1月30日。
朝の六時に師匠を迎えに行き、ハウスからムン国に跳ぶ。
スカブの街のスラムのゴミを撤去し、リフォームハウスをインベントリから出した。当然スラムのごみ溜めの土地でも立派な不法占拠だ。見た目お貴族丸出しの
全員ミスリル鎧の装備で四峰に向かった。
俺も二度目のLv2の基礎数値分を稼ごうと全ての恩寵をLv2にして基礎数値も素に落としてクロメト山に行った。
「すみません、これなんですが」
身分証の魔術刻印を浮き上がらせる。
「え!もう来たじゃん!(笑)」
門番のお兄ちゃんが驚く。
「聞いてます?」
「いいよ、門を
「お昼は中で食べて良いです?」
「好きにどこでも使え。食えたらな(笑)」
最初から激しい打ち合い、なんかどんどん押されて行くから恩寵と基礎数値落とし過ぎなのを後悔した。その内に対応できなくなり
orz
「お前、それが本気な訳?(笑)」鼻で笑われた。
武術恩寵を全てLv2に落としたのは
門前の小僧め許さん!(お前の方が小僧だ)
------------
朝のアル。
基礎数値アップの指輪を使うのはお貴族様の俺だけだ。今日の最初の相手は十門の門番やってる小僧さんだ、泣かしても悪い。ギリギリ勝たしてもらえばいいやと能力アップを素の状態にした。裏の斥候、聖騎士のボードを消した。
ロスレーン伯爵家 三男 健康
職業 魔導士(魔力+15、精神+15、知力+15) 幸運の指輪(+3)アプカルルの涙(魅力+10)
体力:86 魔力:- 力:62 器用:403(413) 生命:67 敏捷:61 知力:713(728) 精神:735(750) 魅力:84(94) 幸運:87 (90)
グハ、敏捷86から61になっちゃった(笑)
やり過ぎか?まぁ、やってみれ。眼で予測とカバーを忘れんなよ、こんな機会は無いんだ!良く視せてもらえよ。
こんな感じだ、実家で騎士団相手に揉まれた事を思って軽く考えていた。リード師匠が初期の模擬戦するのを見て、団員の動きをインプットした状態で戦っていた事を忘れていたのだ。タッカート師匠もそうだ、何度も教官と打ち合いその剣筋を視ているからそれなりの対応が出来ていた。
------------
「すみません、今度は本気です」
「ホントかよ!お貴族さまは大丈夫か?(笑)」
基本的な数字は全部負け、恩寵も上だ、剣筋は分からねぇ、スピードも負けて対応が後手だ。頼りにしてた眼の予測もクロメトの剣術が初見の上に小僧さんの剣筋も知らないじゃ話になんねぇ。
とりあえず反応が少しずつ遅れて押し込まれて最後に潰された。でも剣の大体の感じはつかめた。この小僧さんを抜くには打ち込みを見てから防げるスピードを手に入れ、足
並列思考の一瞬の考察を終えて腕輪で妖精の靴を履いた。
武術恩寵は全てLv2、身体強化、剣術、格闘術、短剣術、槍術すべてLv2、持つのは眼とスピードのみ。
今度はお互い一歩も引かぬ攻防。剣筋が分かる様になると押し始めて、良い感じに仕留めた!これだ!
声変わりして無い子供が叫ぶ。まぁお約束だ。
「クロメトはこんなもんかー!(笑)」
門番をぶっ飛ばしたのでその広場の門徒が呼ばれて現れる。スムーズに相手をしてくれるので、視たら房と呼ばれる宿舎に通知が張られてたみたいね。
「クロメトに門徒希望の高貴なお方が房に住む事が
有る程度クロメトの剣が視えたら時間は掛かるが模擬剣で撫で斬りだ。
40人ぐらいやると、もう十門に集う者の武技は盗めた。個人の癖や剣筋はどうしようもないので、初見の相手を良く視ながら攻守を入れ替え下して行く。すでにクロメトの剣になって来た。
序列ごとに挑戦してるから飛び級出来ない。普通はこうやってその日の鍛錬が終わると、房へ行って水浴びの井戸当番や食事当番、掃除当番を皆が受け持って毎日暮らす。
60人を超えた後は、クロメトの技で受けて手本を見せていた。視て吸収した技は忘れない、剣筋を見た瞬間に派生の攻撃の流れまで視えてしまう。
ただし、相手にやったアドバンテージがキツイ。向こうは基礎数値が高くて恩寵Lv3。こっちはLv2、ギリギリのスピードだけで受け流す。後ろに飛び
キツイ方が基礎数値に反映する筈だ!望むところ。
今日のお昼は皆がサント海商国レストランのお弁当だ。もちろんニウさんもマジックバッグで持って行ってる。弁当を食べながら1時間の昼に考察した。
7歳8歳でステータスボードが発現した何ヶ月後に身体強化と剣術を手に入れる門徒衆。それはステータスボード発現時の基礎数値がアルとは大違い。
・覚醒時のアル10歳。
体力:12 生命:16 力:7 敏捷:2(歩行器で1上昇)
・7~8歳時の門徒衆。
体力26、生命25、力:23 敏捷20。こんなに違う。
物心付いた時には門徒衆はゲタを履いている。
そして朝から晩まで剣術しか考えない国民性で16歳になるまで鍛錬する門徒衆。そう、門徒衆は小学3年生から剣術やってる。朝から晩まで野球やってた明そのものだった。今のアルも鍛錬するがミソを
自分の持つ全ての時間を剣に突っ込む奴にはさすがに勝てない。ジャネットが裁縫Lv7でもステータスボード無い貧民のお婆さんがジャネットより上の裁縫技術を持つ例もある。80年近くそれ一本でやって来た凄さは日本の人間国宝にも匹敵するのだ。
アルは14歳。付与なしで手に入れた身体強化はLv5、剣術始め武術恩寵はLv4。Lv4まで自力で上げた基礎数値。それでもゲタ履いたLv3の門徒衆16歳に俊敏で5程負けている。それを妖精の靴で逆に10程のスピード差を付けて眼の予測で勝っている状態。
お昼の間に現状の状態をきっちり把握した。
今は妖精の靴(基礎数値:俊敏をブースト)で何とか勝ってる。序列が上がればすぐ壁が来そうだ、技は大体覚えたから、壁に当たり次第に恩寵を同格まで上げて行こう。恩寵上げて壁なら、ジョブ数値で上げて、その後は指輪で数値上げて行く。
門徒衆は序列も上、基礎数値も上、技の中身も恩寵も上だ。基本的な数字は全部負けてる。行ける所までやって基礎数値をもぎ取る。取り合えず眼の予測とスピードだけで序列を上げる、これで行くぞ!
17時までやって「また明日来まーす」と手を振って帰る。
お山を降りたら四峰の城下町スカブのお茶屋さんに待ち合わせて帰る。敏捷が1上がったのは絶対格上のお陰だと上機嫌で待ってると皆が来た。
アルムさんが来た。
「アル君上がった?」
「敏捷が1上がった」
「アルムは上がらなかった」
「アルムさん元々数値が高いから?」
「恩寵の差を工夫して防がないとキツイわね」
「あ!師匠!どうでした?」
「基礎数値と恩寵で優位な戦いだったな(笑)」
「なんか面白い事ありました?」
「よくこんな事思い付くなぁ?面白かったぞ」
「僕、敏捷が1上がりましたよ」
「お!俺も上がったぞ!力が1上がった」
「あ!師匠も騎士の称号取ると上がり易いかも?」
「基礎数値も落とすのか?(笑)」
「僕、朝から魔導士で剣振ってます」
「マジか!(笑)」
「えー!アル君(笑)」
「師匠魔法士無いからジョブを取りましたよ」
「お!ありがとう、数値10減ったな(笑)」
「上に行って必要ならまた付けます」
「アルムも魔法士にして明日やってみよう」
「うん、色々試してみて、ダメなら斥候とか」
「あ!ニウさん、どうだった?」
「遅くなってすみません、大丈夫でした」
アルは150番の序列を上げた。
アルムさんは300番の序列を上げた。
リード師匠は300番の序列を上げた。
ニウさんも300番の序列を上げてた。
アルム、リード、ニウは戦闘時間は早いが次の序列の人が用意するまでの待つ時間が多かった。翌日行くとすでに演舞場の広場に50人並んでいたという。アルの向かうクロメトには10人ぐらい並んでた。
アルムさんはラナン流第十門で自由だった。
途中でタイムしてトイレ行く。剣を構えながら飲み物飲む。今剣を振って初撃に来る相手にも飲まそうとするが悪気はない。トイレの事思ってタイムするけど行きたい訳じゃない。思い付いたから行くだけだ。喉が渇いて飲み物出して飲んでから、相手に気が付いて相手を飲み物に誘う。
お昼に訓練生が食事してると、食事を
5日もすると見目麗しいアルムを
ラナンの第十門はエルフの小娘に汚染されて行った。
休憩を勝手に多くとるグループが公然と増えた。光曜日はアルムを見ないので物思いに
・・・・
2月5日。光曜日にメルデスに帰って来た。
俺達がいない間、クルムさんがシズクとスフィアを連れて芽の出だした山菜や活動的になった動物を狩って
その日は三人でエルフの色とりどりの組み紐を作っていた。俺は手持ちのミスリルで小さな鳴門の渦巻風キーホルダーを作ってやると俺からその意味を視て大喜びする!シズクにも世界樹のミニチュアを作ると二人でガシガシぶつけて遊ぶ。紐の穴有るだろ!遊び方、じゃなくて使い方チガウ!(笑)
そんな中、お爺様から相互通信が入った。
「お爺様、何かございましたか?」
「開門村と街路灯の噂が交易路には知れ渡っとる」
「あ!なるほど。もう三か月ですもんね」
「今日はな、ヘルメラースの領都前の街で先触れをくれと言われてな、手紙には街路灯の話と開門村の話を是非聞きたいと書いてある」
「(笑)」
「取り合えず開門村は作るの大変です。棒と魔術紋だけの街路灯の商談をお願いします」口にすると
「うむ、王都へ同行しようと誘われたのは初めてぞ(笑)」
「えー!国王派がそのような!(笑)」
「そうじゃ!調子に乗るで無いぞ。皆が寄って来る」
「その様にお兄様にお伝えを(笑)」
「アランが守っておるわ(笑)」
「話次第でヘルメラース伯と証文を交わすかも知れん、その時は連絡するで頼むぞ」
「はい、わかりました」
ミウムみたいに指定されずに街道の野営地とか言われると時間掛かるな。でも受けたら受けたで資材に変わるしなぁ。
・・・・
第十門約3000人をニウさんが六日で突破した。師匠が七日で突破した。アルムさんが八日で突破して十門門徒のファンを悲しませた。各流派の技を覚えてからの序列の上がり方が凄いので途中から10人飛ばしを認められたそうだ。
俺?聞かないで。やっと半分ぐらいだ。
丁寧に受けて丁寧に返す。恩寵経験値と共にランダムに積算される基礎数値を上げるのに焦らず序列を上って行く。師匠もアルムさんも体力、力、俊敏、器用が上がったって言うから高い基礎数値関係なしに入る事が証明されている。
俺は八日間で俊敏2、力1、体力1上がった。三か月後を夢見て取らぬ狸の皮算用だ。普通はそんなに目に見えて上がらない基礎数値がメキメキと上がる。それはボーナスステージだと思うので楽しんでクロメトの剣術を吸収していった。
カグア流剣術第十門を最短スピードで突破したニウさんは第九門で剣士達に囲まれた。ニウさんは技を観測、解析を行ってる。要するに技が見られたらいい。見終わったら模擬戦開始後に二、三合打ち合って早々に勝ってしまう。その打ち合う二、三合も人付き合いの中で生まれた
元々が海賊船の中でナノロボット兵が量子分解光線なビーム兵器の銃口を動かした瞬間にビーム軌道を解析して避けるような戦闘ロボットだ。刃筋のスピードが光より速い訳はない。モーションがあって遠心力や身体強化でベクトルを与えられる剣がニウさんに当たる訳がない。
カグア流剣術第九門の剣士2000人は2日で約半数がやられてしまい浮足立った。宗教国の騎士団の実力を見せてくれと上位序列のグループが声を掛けニウさんを囲み足腰立たぬよう撃退された。第九門の上位序列は脱落した。翌日人が演舞場に集まらず不戦勝で第九門2000人を突破、三日の最短記録を作ってしまった。
リード師匠は第九門で剣術レベルが完全に上の相手を前に奮闘していた、剣術Lv3と格闘術Lv3の併用、蹴りを入れテンポよく
帰りはみんなでスカブの街で反省会と報告会。
「アル様!明日から第八門です」
ALL「・・・」
「どうやったら?・・・」
「私にあしらわれて昼にまとめて襲って来ました」
「マジかよ!良く生きてたなぁ!」
「全員模擬剣ですから(笑)」
「まぁいいや、ニウさんおめでとう!」
「いいのかよ!(笑)」
「師匠はまだ恩寵そのままで行ける?」
「おぉ!まだ行けるぜ」
「師匠は基礎数値は気にしなくて良いですからね、私の趣味に無理に付き合わなくて良いですよ(笑)」
「いいよ、普段上がらねぇ体力1でも上がれば嬉しいんだよ」
「それならよかった(笑)」
「アルムさんは上がってる?」
「上がった!今日は器用が1と力が1上がった」
「器用?」師匠が不思議がる。
「
「それだ!」
「まぁ、上がってるならいいよ」
・・・・
序列を駆け上がる四人の話で四峰も持ちきりだった。昼休憩以外は朝から晩まで立ち合いするのだ。それは何百人組手をやってるのと同じ。考えられない体力の怪物だった。
リードやアルムは恩寵Lvを落してもこれまで稼いできた基礎数値は恩寵Lv7から8並だ、それがカバーし序列を物ともしない。剣術レベルの技術はギリギリのラインを保ちながら基礎数値でカバーする。研ぎ澄まされた実践の攻防や駆け引き、体力は単体の剣術鍛錬とは別物だった。
アルはアルで基礎数値の上がり幅の統計を取って基礎数値のランダムパラメータの上がり要素を検証するような事をやっていた。アルの場合は積み上げて来た基礎数値自体が剣士に負けている。リード、アルムは毎日何かしらの数値が1上がった事を報告してくれる。数値を日ごとに集計して師匠とアルムさんに見せると成果が出てるので二人も喜ぶ。
11日目時点の集計。
リード 基礎数値 5上昇 0.4545/1day
アルム 基礎数値 5上昇 0.4545/1day
アル 基礎数値 6上昇 0.5454/1day
早くて1か月、遅くて4か月で1上がる基礎数値がランダムで平均2日で1上がる。それは身体能力に関する数値で武術に直結する力、体力、敏捷、器用に振り分けられる。目に見えて上がるのだ。アルの予測と考察では高度な技術を修めた者が恩寵レベルを下げるとその高低差により経験値が入り易く、その時にランダムで加算される基礎数値が入る。
リード師匠とアルムさんは行ける所まで恩寵を下げ、序列で詰まると上げた。アルは実験も兼ねて全ての恩寵を下げた、アルはダメならその場で調整できるのでキツイ道を選んだ。ただデータが11日しか無く、推測でしかないが二人より少し多い基礎数値を手に入れていた。師匠とアルムさんの上がり幅に並ばれる事はあっても1日も追い越されてない。
それはメインが剣術の鍛錬でも付加価値的に他の武術恩寵へ経験値が振り分けられる推測だった。付加価値で経験値が入った分だけ基礎数値も少し上がるのだ。それは序列が上がるたびにキツクなり細かい調節を繰り返して上げて行った検証結果だった。一か月もデータを取れば確証に変わると思っている。
リフォームハウスには前から借りていたメイド長のコアさんから、美少女戦隊 のマーキュリー、ビーナス、アース、マーズ、ジュピター、ルナがいる。ニウさんも居るので勢揃いだ。
報告は交感会話でクランもアルムハウスもタナウスの出来事も教えてもらえる、光曜日にそのまま向こうの仕事に向かう事が出来た。
規則正しい毎日で朝から晩まで鍛錬の時間。
余計な事を考えずにひたすら鍛錬に打ち込む気になったのはシュウ剣聖のお陰と感謝した。
そこまでの経緯を考えると恐ろしくなる。
シナリオの様に巡り来る思い付きと知って行動する不思議。
三銃士の演劇>弓のテルーの宝>ナレス全土の街路灯作成>恩寵付与>SP
荒神が降臨する前にシュウ様が呼んでくれたから助かった。
こんな巡り合わせはどうしようもない。恩寵付与もナレス全土でやるつもりは無かったし、そもそも街路灯を付けて回ったのも弓のテルーの財宝からだ。俺的には良かれと進んでいつの間にか破滅のレールに乗ってた感があった。
それを止めてくれたシュウ様。
三銃士の演劇>弓のテルーの宝>ナレス全土の街路灯作成>恩寵付与>SP枯渇>盗賊狩り>悪徳の街>遺跡騒動>墳墓の穢れ>生贄狩り>荒人神シュウ様降臨 以後アルの行動ストップ!
改めて考えるとハンパないわ。
ナレスやスラブと仲良くなれて、心配してたタナウス移住と大嵐が上手く行って浮かれてたのかもな?これ以外に移住のお誘い、チリウ王の
一回止まれと言われた時間。
剣神様がくれた時間に感謝だ。
・・・・
2月12日の光曜日。
リズに相互通信。
「リズ何してる?」
「今は魔法のお稽古です」
「最近会えないから、遊びに行こうか?」
「行きますわ!」
「ナタリーとセオドラも平民服で雷鳴商店に集合!」
「わかりました!」
平民服で管理棟からクランを横切って雷鳴商店に行く。ナタリーとセオドラ、リズもクランを通らず塀の外側の道で雷鳴商店まで来た。平民服で歩くから誰も目で追ってこない。
馬一頭の荷馬車に箱の椅子。敷物敷いて4人で乗った。西門から外へ出た。風が無いのでそんなに寒くもない。そのまま橋のたもとの川原に出てのんびりとした時間を過ごす。
そのままシートを広げて四峰の街スカブのお茶とお菓子を出してやる。お茶屋さんの名物、小豆のゴマ団子だ。しばらくすると3人で花を摘みに行った。護衛と王女だもんな、やっぱ外でするのか。リズは俺と一緒の時は建物に跳んでたけどこれが普通だよな。俺は
あと一月経たずにナレスが北方侵攻する事。その地は塩が染み込んで動物に丁度良い塩分なので家畜は土をなめる事。草原が地平線に続く土地で家畜の餌が豊富な事。放牧すると勝手に家畜が増える事。
三人に北の生存限界の様子や北方騎馬の事を面白可笑しく話し、冬には羊に一匹コモランが乗っているトリビアを教えた。
次回 266話 頂きへの挑戦
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