第263話 荒人神の呼び出し
1月20日。
北や南の生存限界に数多く残る墳墓や遺跡の盗掘を原因に
盗掘したってせいぜい呪いまでなら信じちゃうけど、あの大規模な
朝から昨日見た遺跡の位置を元に、人の目に触れやすい遺跡を視て行った。発掘中の遺跡で検索すると5カ所ほどあった。見事に
発掘出来たらテズ教が最古の宗教だと無理にこじつけて宝を聖遺物として公開するつもりだ。欲張りさんはメ!よ。
何年か後に掘り当てたら大陸滅ぶ。チリウ王国もハーヴェス帝国もテズ教もサンテ教も同じ大陸だ、巻添い食らうのはどうなんだ(笑)
危ないので
テズ教の総本山から帰りかけてふと思った。
遺跡の遺物で宗教国のマウント取ろうとするこいつらに宝を渡すのが嫌だったので、以後何も出無い様に奪った。以後も頑張って遺跡の階段掘ってろ。変な意地で本当の墓荒らしになってしまったが気にして無い。
人口が多い地域の墳墓や遺跡を調べて
奪った
遺跡のほとんどは王が子供の死を
1億年前には妄執に囚われたら
もう最悪。
どんなけ汚く後ろ暗い世界だ、
隠す方も隠す方で、盗む方も盗む方だ。
俺だって遺跡とか見たり聞いたりしたら宝?ってワクワクしちゃうがそんなに軽いもんじゃなかった。でも当時は違った、墓を作った者は一緒に
人の命は軽く、何かあると
>
>よろこんでー! な時代。本人喜んでねぇよ!(笑)
ヤマタノオロチの昔話もさぁ
視えると知らなくて良い事まで知ってアカン。人の墓荒らす奴は呪い食らって勝手に滅びれ!研究なら覚悟した奴だけやればいい。俺はそんな事知らん。クソ迷惑な石棺だけ太陽送りだ。あの穢れちゃんは全ての生き物の敵だ。
「あと二十分で消滅します」
「よろこんでー!・・・じゃないや、ありがとう!」
「?」首をかしげるコアさんが可愛い。
・・・・
12時半に野菜売りの行商を連れて来た。
昼からグレゴリさんの行商をヘクトに連れて行った。ヘクトに着くと10時半だ。
オスモさんが俺を見て超驚く(笑) 盗賊連れてねぇからだよ!
オスモさんに御用旗を見せて言う。
「今日は違う用事だから、ごめんね」
「・・・」盗賊系の違う用事と思ってる(笑)
「ヘクトで行商したいから御用旗頂戴」
「・・・」盗賊の行商じゃねぇ。何だそのジト目は。
「窓から下見てくれる?野菜売りたいの」
「?」席を立って道端の荷馬車を見てくれる。
「もう領都で旗はもらってあるけど街から出たらダメって言うから、ヘクトも登録して御用旗が欲しいの」
「それはヘクトの中だけなのですな?」
「うん、外に出ない。野菜売るだけだから」
「分りました、あの者達の領民証を頂けますかな?」
「はい、これ」
「用意が良いですな(笑)」
「オスモさんが久しぶりに笑った(笑)」
「私の権限の仕事なら笑います」
「うん、わかった。ごめんね」
「分かって頂ければ良いのですよ(笑)」
「うん、アレは許せなくてさぁ、もう連れて来ない」
「それがよろしいですな」
「これを持って下の階でもらってください」
「ありがとう!」
下の階で書類を渡すとすぐに旗を持って来てくれた。
領民証を渡して荷車に旗を立て、執政官や武官の家に向かう。
「まずはここから売って行こう、旗くれた執政官や見守ってくれる守備隊の人の家に優先的に売らなきゃね。売れ残ったらこの街は宿屋さんや食堂が多いから宿屋さんから持って行くと良いよ。グレードが高い宿屋に見せたらすぐ売れると思う」
アルはそういう所が抜け目ない、先輩の顔色を見てへつらう事は自分の立ち位置や居場所を作る事と身に染みて分かっている。実力を伴わない
が、グレゴリさん達は隠れ里で潜んで生きて来た
冬の空気に良く通る笛の音を鳴らして子供が叫ぶ。
ピョロロロロロー!
「葉物の夏野菜は如何ですかー?」
ピョロロロロロー!
「葉物の夏野菜は如何ですかー?」
ピョロロロロロー!
「葉物の夏野菜は如何ですかー?」
グフフ、次回はパブロフの犬の様に笛の音で・・・。使徒に取り付く悪魔が
農家が街に売りに来る朝市とは違う、各家の前を巡回する移動商店だ。聞こえた奥さんが窓から見ると野菜の荷馬車、御用旗が立っているので野菜に移った目が驚いて二度見する。
ヘクトは通いでメイド頼むのが多いみたいだな。まぁ準男爵はそんなもんか?住み込みのメイドはそんな居なかった。
皆が
ヘクトは山の近くで雪が降ると山芋取る人は止めちゃうみたいだな。冬は白菜・ねぎ・ほうれん草系の葉物と大根やゴボウ系の根菜ばかりになっちゃうって、大喜びのお客さんが教えてくれる。オスモさん流石の序列1位、子供五人分稼いでる!メイド連れて出て来た奥様のイメージで子供五人分の野菜を計算してた。
(あの人代官様の奥さんだからオマケしてね)
(わかりました)
バレない様にその時
「ここは良く売れるねぇ」
「値段関係なく買ってくれますからね」
四十軒ぐらい回って売り切った。売れるの分かってから積み荷が少しずつ増えてるの。
少し焦って買い物をした後に困った。転移装置を置ける隔離された私有地がヘクトに無い。ロスレーン家の別荘まで8kmは有るが荷馬車なら時間が掛かる。困ってオスモさんに相談した。
人目に付かない執政官庁舎の裏にキューブハウスの車庫を作って転移装置を置いた。明日はモルドの守備隊駐屯地に作る。
そのまま皆とタナウスに帰った。明日の予定を聞くとタナウスは朝5時には明るいので畑にいると言う。明日は10時半にグレゴリ村に迎えに来ると約束した。
・・・・
ハウスに帰って面影の薄れたアロアさんに聞く。
「これって、タナウス製だよね?」
「タナウス製ですね(笑) どちらで?」
「9千万年前の墳墓の宝にあったの」
こんなぶっ飛び性能の指輪はタナウス製じゃないのか?と疑ってた。流石に手に入れた経緯は読めなかった。ある程度
「それはそれは、おめでとうございます」
「なんか自分の物盗んで来た気分だ(笑)」
「(笑)」
「それは有効でございますよ」
「うん、これが最高の指輪?」
「それ以上の物は要らないかと」
「うん、そう思う。こんな指輪があるとは思わなかった」
それは、自分の魔力が満量時に余剰魔力を充填していく指輪。本人と同じ魔力量まで充填する事が出来る。本人が魔法を使うと使用量分が指輪より本人に充填される。魔石も吸魔石も魔術紋(魔法陣)しか使えない、その魔力で人が魔法を発動するのは不可能だ、絶対魔力は
魔力を満充填さえしておけば魔力量2倍の指輪だ。魔法士には
アロアは知っている。
タナウスの装備を欲しいと言わないアルの事を。
なぜ言わないのかを知っている。
・・・・
1月21日。
起きて冒険号で少しトレーニングして読み書き教室に行った。
誰も居ない。またやっちまったー!
照れ隠しに雷鳴食堂に来た様に見せかける。
が!朝5時半はやってない!(笑)
雷鳴食堂は朝6時からだぞ!間違えるなよ。
夜は22時までな!ギルドの大食堂と違って、三交代制の24時間では無い。理由はクランの教官の指導時間、公称9時~18時だ。初心者が多いので暗くなってからは探索行かない。規則正しい生活になるメンバーが多いのでそうなってる。
そのまま冒険号に戻って三時間暴れ回った。ハウスに帰って風呂にザポーンと入る。
8時半になったのでタナウスに跳ぶ。
クレゴリ村の四人が10時半にやる気満々で勢揃い!
「今日はロスレーン領のモルドに4番目の転移装置を作ります。No4の認証キー持ってます?」
「持ってます」
(本人の魔力認証するとどこの転移装置でも行ける様になっちゃうので各ゲート用のキーを持たせている)
モルドに跳んで8時半。
いつも来る守備隊庁舎を荷車引いて出て行く。門番も顔パスだ。モルドの代官は俺にとって鬼門で相性が悪い。と言うかインテリタイプと言おうか体育会系の俺と噛みあわないのだ。
仕事は間違いなく出来る。理詰めで余計な話が一切ない。俺が盗賊と言うと分かりましたと無期刑の書類を出す。領主の孫に一切逆らわない。盗賊連れて行って600人と聞いても眉も動かさない。600人の書類を出して守備隊に命令書書いて終わり。
話が無いのだ!逆に怖い。アル様が
その通りだから俺も何も言えない(笑)
自然に渡された書類持って守備隊に行くから守備隊と仲良くなる。書類渡された守備隊が>えー!600人!と大慌てが心地よい。書類の通りです。とシレッというのが守備隊との合言葉のお約束になって通じ合う(笑) それぐらい余計な事言わない、書類見て分かれというタイプの仕事の出来る代官なのだ。
だから簡単にもらえた。わーい!
領民証見せて御用旗頂戴!ですぐくれた。荷馬車の転移用車庫も守備隊の敷地を貸し出す書類を出してくれた。俺に貸し出す書類、当然御用旗もロスレーン家のアルとサインさせられてる(笑)
そういう人なんだってば! 俺は相性悪いと言うか苦手だ。
四つの街で一番早く御用旗が貰えた(笑)
ちゃんと代官の家から回って行くから抜かりはない。半分程売れた頃、朝と同じ守備隊の敷地に車庫作っておくから、買い物したら帰るように言う。後は勝手に売りに行ってとお願いしておく。
守備隊に寄って隊長に人目に付かない邪魔にならない所を借りる。守備隊庁舎の敷地の壁の裏に車庫を作って転移装置のNo.4、赤と青の送迎門を置いた。
・・・・
10時に上がって。光曜日!予定が無いから冒険号でニウさんとコアさんを呼ぶ。
「コアさん、ニウさん。暴れに行かない?」
「アル様、暴れてばかりですよね?」
「(笑)」そうかな?
「暴れてないでしょ?剣とか振ってないよ」
「振ってないだけですよね?」
「困ってる人が居たらさぁ、助けたいじゃん」
「今日は何を困ってる人なのです?」
「
「
「あ!やっぱモンスターもやってるのね」
「人族であれば
「良いよ!視てられなかったらぶっ飛ばす」
「とにかく行こう!」
シャドがクルッと巻いて飛んだ。
その部族は、
2500人ぐらいの部族だった。
全員隷属して、生贄は迷信だった、神のお告げで生贄は逆にモンスターを呼び寄せるのでやめなさいとゲッシュした。その様な事を言う奴は悪魔の使いだから打ち倒せと言った。
「終わり(笑)」
「次行くよ」
10万人ほどの小さな未開の国だった。毎年一人、村から
そして行き当たった。カルトな村ごと邪教。
一つの村を中心に放射状に伸びた信者の村。全部まとめて2200人全員隷属した、村の貧しい家庭に生まれた教祖の恩寵は魅了だったので剥奪して封印した。人の臓物、血を浴びる怖い邪教。人にとってタブーな対価を差し出せば神が村に豊穣を約束してくれると信じ込む。自分の息子が生贄に指定されて嬉しく思うのと子供を引き裂かれる心が悲しみの涙を生んでいた。何の事は無い、布教してタナウス教が幸せの救いと布教しただけだ。
(アル様、
(へ?)
(神様になる寸前の方です)
(え!)
(人間?神?)
(半分人間、半分神様です)
(ここに来るようにと)
イメージが視える。
(ここに行けばいいの?)
(はい)
(怒ってる感じ?)
(怒ってる感じじゃ無いです、笑ってるかも?)
(かも?何それ!)
「コアさん、ニウさん交感会話で」
「こんな感じ。多分ねぇ、次に行く
「はい」
・・・・
跳んだら見上げる崖下の前だった、崖の壁面に大石がある。石には
大石の前におじさんが居た。ボロボロの作務衣を着た痩せたおじさんだ。反りの小さなサーベルの様な剣を腰に差している。
魂が半端なく輝いてる、マジで神様クラスだわ・・・自分の魂が
「来たな(笑)」
「・・・」アウアウ頷く。
「そんなに怖がらんで良い(笑)」
「よなべたと聞いて・・・」
「うむ、呼んだぞ。そんなに怖がるな、何もせん」
「なんとお呼びすればよいでしょう?」
「シュウと呼べ」
「え!」聖帝十字陵? 墳墓
「そのシュウでは無い!」
あ!思わず視たら剣聖シュウと呼ばれた人だった。試したらやっぱおじさんがお爺さん風に変わる。間違いない、概念の存在だ。半神だから
「お主に一つ言うておく。
「はい、すみませんでした」
「よい、良かれと思ってしたことだ」
「はい・・・」
「その様な
くー!ヤマタノオロチの
マジで普通にあるんかい。
「その様な神様もおられるのですね」
「192神を知れば現世の荒神も分かろうよ」
「シュウ様は人の荒神様です?」
「残念ながら至っておらぬのでな」
「いえ、
「教えてやったのじゃ、頼みを聞いてくれ」
「はい?」
「この大岩の裏じゃ。儂の
「どの様に
「そのまま潰して粉にせよ、大地に
「儂が持っておる宝剣を・・・(思わず視た。今腰に差すサーベル状の剣だ)・・・儂の一族へ持って行け、お主に足らぬ剣術を教えてくれるわ。修めるまで励め、お主に荒神は早い」
「はい」
シュウ様はそのまま消えた。
シュウ様の遺品を手に入れ、宝剣と共に衣類に包んだ。一般の人達にはどうしようもない何千年も生きた半妖というか精霊獣の虎討伐(簡単に言えばシズクの動物版)に挑み勝つなんてやっぱ凄い人だった。
剣聖シュウの技を見た。今は本物の剣神だな。
いつしか、何々に襲われていた部族は、この儀式を
俺は危なかったんだと思う。荒神に
(人と精霊の盟約は普通にありますよ)
(うん、大嵐にシェルが言った盟約思い出した)
(荒神は苦役、苦痛、人生、命の盟約が多いです)
(シズクやスフィアは?)
(大きな大きな存在の名を頂きましたね)
(名前は大きいのね?)
(その存在を表す物、それが名です)
(シェルは?)
(使徒様の御使いの盟約をネロ様に頂きました)
(それで良いのね?)
(シェルは充分です。
(僕はシェルがいてくれてホント嬉しいの)
(シェルもアル様といて嬉しいです)
(良かった!嬉しい仲間で)
(シャドも嬉しいです!)
(みんな、嬉しい仲間だね!(笑))
次回 264話 子供道場破り
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