第255話 占拠
1月14日。晩。
悪人達に農民をさせる更生村を整備して19時半に帰ると、導師達は食事しながら転移の発動がだいぶ早くなったと上機嫌。
夕飯はクルムさんが手早くパパっと作ってくれた。
夕食を食べながら聞くとお茶もお菓子も許さず練習だったらしい。皆インベントリ持ってるので勝手に休憩も昼もやれと言われたと笑う。
話を聞くと全員の六門を開けたらしい。視ると15時43分の満潮に合わせてた。手間掛けてるチクショー!(笑)
ご飯食べたら俺もやってもらおう。
導師の最初の発動時間を聞くとメモを取っていた。研究者はパナイ、調べると24秒らしい。9時間練習後に10秒になったと言う。最初は分からないので1kmずつ飛んだそうだがそのうちに見通せない場所300m先に跳ぶ訓練に切り替えたそうだ。以後一週間と経たずに一秒程にした。今は当然瞬時だ、跳ぶぞと
今日の鍛錬では9時間やってアルムさんが12秒、クルムさんが9秒、アルノール卿が10秒でみな優秀と褒める。単なるイメージ力構築までの時間だろうな。俺にはそんなタイムラグなど無かったし、一回見たら眼が覚えているからイメージと言うより現場その物の構築だから発動も早いと思う。クルムさんは縫物の服やバッグ作って出来上がりを絶えず意識して製作する分イメージも早いんだと思う。
明日もう一回転移の練習やって、それからインベントリの講習に移ると言う。
インベントリの講習?
何やねんソレ!と食いついた。
どうも何処にどの様に出すという明確なビジョン無しに使ってると言う。特にエルフは入ったら良い、出たら良いで空間把握せずに出し入れするらしいのだ(笑) 使えたら良い式のエルフ式だな。そういうキモの部分を明確にするのが研究者のテリトリーだ。エルフならそうなりそうな気がする。俺日本人で良かった、元からそういう丁寧さが身に付いてる。
視たらアルムさんもクルムさんも苦労している。空間把握の細かい指定が苦手で物を入れても同じ場所に出せない。指定して無いから出せと言う命令だけで無茶苦茶に出て来るから酷い。笑ってはいけない。この位置にこうやって出すという事前の指定が無いから入れた物体が360度無茶苦茶な向きで出て来る。
それは「あ!これだ、出ろ!」と念ずるだけ。
家は流石に床の底面が分かってるからひっくり返らないが、向きが変わって出て来る。導師は跳んだ先で小さな木彫りのリスと鹿を二人に渡して練習させている。鹿もリスも立つけど向きも場所も違う。導師に円を書かれた場所に出せといわれて円に入らない(笑) アルノール卿は関係なしに使いこなしていた。
導師に六門を調整してもらった。
こんなに大きくなる物なのかと驚きながら調整してもらった。魔力回すと身体強化が
なんか門を調整してもらったら、耳や髪の毛や爪が気になって来た。
ハウスのメイドに頼むとなんか恥ずかしい。
ロスレーンにパパっと飛んで、アニーを探したらメイド達五人でお茶しながら繕い物の研修してた。
「アル様!」
チョチョイと招き猫で呼ぶ。
メイド部屋から出て来たアニーが言う。
「アル様、こんな時間にどうしたんです?」
こっちはメイド達も夕食後のお茶だ。
「髪の毛が気になってさぁ、切ってくんない?」
「お部屋でお待ちください」
「あの、爪と耳も」
「もしかしてリズ様とデートです?」
食い付いて来たけど違う(笑)
「違うよ!気になっただけ」
「本当です?」
「本当だって!」
「そう言う事にしときます」
そう言う事にしてもらって髪を切ってもらう
「リサ、メグ、カルラはどう?」
「(笑)」
「なんかあった?」
「子猫を内緒で飼ってジャネット様に(笑)」
「お仕置きが凄そう!(笑)」
「捨て猫?」
「はい、お買い物の際スカートに隠して」
「あはは!すごい勇気だな」
「可愛いので料理長も余った餌を」
「えー!」
「三人が自分の食事を裏口に」
「どうなったの?(笑)」
「ジャネット様が処分すると」
「えー!」
「ご自分の家に連れて帰られました(笑)」
「(笑)」
「そして猫ですから餌を貰いに来てます!」
「(笑)」
「塀越えて来る猫は怒れないな」
「はい(笑)」
「猫に食わす子爵家の
大きく笑って頭が動いちゃった。
「え、なんです? ちょっと動かないで下さいね」
「あ、ごめん」
「昔もあったんだよ」
「昔ですか?」
「お兄様達が子犬拾って来たの(笑)」
「え?」
「グレンツお兄様が連れて来て飼うと」
「どうなったんです?」
「馬丁に命令して世話させた(笑)」
「そうなんです?(笑)」
「毎日、犬連れて走り回ったもん(笑)」
「シュミッツにバレて大変だった、グレンツお兄様とヒルスン兄様、アインとマーフが
「子供って木に縛られてご飯抜きですよね(笑)」
「そうそう!僕もヒルスン兄様とマーフと木だった(笑)」
「アル様も?(笑)」
「僕も大きくなって二人と暴れ回ったの(笑)」
「お母様が犬を捨てて来ると言って馬車で門から出て、外からジャネットの家に入ってジャネットの家の犬になった(笑)」
「一緒ですね(笑)」
「うん、えーとアニーがメイドに来る二、三年前かな」
「私、犬見て無いですよ?」
「犬の流行り病の年ってあるでしょ?一斉に病気になる奴、あれですぐに死んじゃったの」
「あー!ありますね」
「オードで大変な時に犬は幸せに死んだよ」
「はい」
「あれはジャネットとお母様と組んだ作戦だ(笑)」
「え!」
「オード戦役で皆が飢える時に子爵家は犬に食わせて領民に食わさぬとお爺様とお父様が不名誉な
「やっぱりご飯抜き!(笑)」
「うん(笑)」
「ロスレーンは領地が荒れて無いから逃げて来た難民が家畜も連れて来るのよ、犬も猫も。犬見て難民を見ないのを叱ったんだと思う。食べ物無いのは犬も難民も一緒だ。逃げる先で犬に食わせる子爵家の話をされたら
「あー!そうですね」
チリウ王国だけじゃ無かった、忠臣はグレンツお兄様と側近たちをまとめて
「今日お風呂ある?」
「あ!ありますよ」
「そんじゃ、終わったら入って帰ろう(笑)」
「流しますか?」
「うん。寒いから一緒に入って済ませちゃえ」
「はい、アル様(笑)」
・・・・
1月15日。
教室行くとリズが興奮して駆け寄って来た。何かと視ると侍女の回復士から光魔法のヒールを習い始めていた。手に持つのは時間割でロスレーンで行う勉強の時間割だった。それは見事に魔法中心の時間割だった。朝昼夕晩四時間置きに組まれた魔法鍛錬の表だった。
教室が終わると外でベルが待っていた。
メンバーの様子がおかしいと言う。
視ると異常な数のケガ人だった。
ベルが治したケガ人を追っかけてみたら、揉め事だった(笑) 冬で街中の依頼票を北東ギルドで探しても無かったので北ギルドへ探しに行ったら、見知らぬ六位が下位の依頼票を見てるってんでバカにされて絡まれてた。最後まで雷鳴のクラン証を見せないまま乱闘、それを見た居合わせたクランメンバーも止めようとしたのか祭りに参加したのか、結果的に加わって北東と北の冒険者が大乱闘(笑)
北ギルドを本拠地にしている奴らの加勢が多すぎてギタギタにされて、二度と北ギルドに顔を見せるな、依頼票を盗みに来るなと
「ヨシ!任せとけ!」とここまで二秒で終わるフラッシュ。
そのままクランハウスでメンバー面接。5PT 7位と6位の24名。そのまま宣誓の儀をやってステータスボード付けてやる。ついでなのでこれから起こる騒動を見とけと新メンバーに言い付ける。
俺はクランハウスから出て拡声魔法で呼びつけた。
「昨日北ギルドで乱闘した奴!出て来ーい!」
「まさか、俺から出向かせるつもりじゃねぇだろうな!」
と言って視ると部屋の中でどうしようどうしようと走り回っている(笑) 取り乱し様が
「出て来ないつもりかー!」
追い打ちを掛ける。関係ない奴らは窓からどんな制裁があるのか皆が恐る恐る顔を出す。教官も家から顔を
57人が出て来た。1600人居るにしては少ない・・・あ!光曜日だ。昨日は教官居ないから街の依頼票探しに行ったんだ。
皆が首をすくめる中言ってやった。
「昨日派手にやったそうだな!(笑)」
誰も笑わない、まだ怖がってる。そんなに俺が怖いか!
「クランの名を出さずにガチでやったなら仕方がない!北の奴らは2倍らしいからしょうがないが、絡まれたら力を見せねぇとなぁ!(笑)」
「お前らみんな6位、7位だ、北のギルドで依頼票拾えなきゃおまんまが食えなくなる!北ギルドに来るなと言われたな?依頼票を盗みに来るなと言われたな?」
「今から俺がそんな事言った奴らの性根を叩き直す。お前らが勝とうが負けようが知った事じゃねぇが、6位7位だって冒険者だ。東だろうが北だろうが北東だろうが、ミウムだろうが神聖国だろうがここに来るなだ依頼票盗むなだと言われてはいそうですかにはならない!
おめでとう!そのためのクランだ。今から傷を治してやる、今日はこの全員が北ギルドの依頼票で仕事してこい。俺がバカは〆とくから、絶対北で依頼票取りに行けよ!行かぬ根性無しは冒険者に向いてねぇ!」
「そのまま並んでおけ」
ベルが魔力切れで出来なかった51人にヒールしていく。
マジで打ち身とアザでヨレヨレだ(笑)
「ベルの魔力が足らなくてすまんな。お前ら6位7位だ、大銅貨一枚にまけてやるからそこのベルに払っておけ、いいな?俺が9時までには〆といてやる。9時に北に着く様に行け(笑) よくクランの名で喧嘩しなかったな。負けても褒めてやる! 解散!」
皆の前にイコアさんが部下を連れて来た。
「アル様、一緒に
「そんなに要らないよ、イコアさんだけ来て(笑)」
聞いていた皆が二人で行くの?な顔だ。
クランハウスから覗いている新メンバーが棒立ちだった。
「お前ら事務のリナスに宿舎の説明聞けよ!」
新加入のメンバーに手を振って門に向かう。
二人で喋りながらクランを出て行った。しばらくすると現場を見たい奴らが俺達と違う道で北ギルドに走ってくわ(笑) 仕事行けや!
ミスリル鎧じゃビビるからこんな感じにしてね。帯剣は無しで。アルは普通の冒険服にした。
・・・・
北ギルドに付いた。
そのまま依頼票のクエストボードの前まで行って、前に並んでる奴を無手でぶっ飛ばして行く。イコアさんもぶっ飛ばして行く。冒険者が一万人いる北ギルドでとんでもないクエストボードの占拠が始まった。
「おい!なんだなんだ!喧嘩か!他所でやれ!」
「うるせぇ!」言った奴もぶっ飛ばす。
「何だよ!依頼票取れねぇじゃねえか、あっちでやれ!」
「うるせぇ!」ぶっ飛ばす。
ギャラリーがもの凄くなってから言い放つ。
「昨日北東の冒険者に北に来るなと言った奴!出て来い!」
「北東の冒険者が北の依頼票を盗むと言った奴出て来い!」
「北東の6位7位を北から叩き出した奴出て来い!」
「お前ら、依頼票取れると思うなよ!根性無し共!取れるもんなら取って見やがれ!」
「なに子供が粋がって・・・」
腹パン一発でくの字を足払い。
「昨日、北東を袋にした奴いねぇのか!もう一度聞かせてくれって言ってんだよ!もう一度言ってみやがれ」
「昨日北東の冒険者に北に来るなと言った奴!出て来い!」
「北東の冒険者が北の依頼票を盗むと言った奴出て来い!」
「おいたはその辺に!」ぶっ飛ばされる。
「もうやめてくれよ!」ぶっ飛ばされる。
「どうすりゃいいんだよコレ!」ぶっ飛ばされる。
「北のクソ共!
「昨日北東の冒険者に北に来るなと言った奴!出て来い!」
「北東の冒険者が北の依頼票を盗むと言った奴出て来い!」
「俺が許す!こんなガキに好きにさせるな!」
視ると北の2位PTのクランマスター様だった。
「「「「「「おぉー!」」」」」
「イコア!殺さない様にぶっ飛ばせ!」
「はい」
乱闘じゃ無かった、暴動だった。
騒ぎに気が付いた北のギルド長がもみくちゃになって出て来れない。
「昨日北東の冒険者に北に来るなと言った奴!出て来い!」
「北東の冒険者が北の依頼票を盗むと言った奴出て来い!」
「北東の6位7位を北から叩き出した奴出て来い!」
一撃必殺で次から次から来る奴を
「この!」ブベ!
「野郎!」ゴン!
「ヤー!」ドボ!
「フッ!」ドゴ!
「てめぇ!」ドベシ!
アルの冒険服が傷んで来た。背がクエストボードでも流石に掴まれる。身体強化持ってる冒険者に掴まれた服が魔獣の皮でも悲鳴を上げる。
時間は朝の7時半、折しも北の冒険者のラッシュアワーにこの騒ぎ、何だ何だと人がどんどん増えて行く。
アルも掴まれ蹴られ360度の乱闘で翻弄されるが、身体強化で効いては居ない、逆にガンガンと打撃でノシて行く。
皆が北ギルドのお祭りに気が付く。凄い人数がワッショイワッショイやってるのだ。クエストボードの中央にいるのは二人のダンサー!
ボード前に集まる北ギルドの冒険者の数が凄すぎてクエストボードすら見える位置に辿り着けない。
「どうしたの?」
「なにやってんの?」
「北東ギルドの殴り込み?」
聞いたやつは参加しに行ってぶっ飛ばされる。
「何よ!」
「奥行けないじゃない!」
「他でやりなさいよ!」
「そこでやるなよ!」
北の冒険者で文句の有る奴はどんどん参加した。昨日とは規模が違う2位から7位まで参加の祭りだ。
押すな押すなと人が膨れ上がる北ギルド。依頼票取れない上に野次馬が集まるから膨らむばかりで寒い冬のおしくら饅頭になっていた。
そして皆が聞く。
「昨日北東の冒険者に北に来るなと言った奴!出て来い!」
「北東の冒険者が北の依頼票を盗むと言った奴出て来い!」
「北東の6位7位を北から叩き出した奴出て来い!」
怒ってるのが分った。普通の冒険者なら分かった。言ってはいけない言葉に怒ってブチギレてるのが分った。
昨日の大乱闘を目撃した者は分った。特に最初の絡み合いを見ていた者は分った。
57人をやったのは109人。北ギルドは約10000人。100人に1人はいる計算だ。アルは犯人を追えば簡単だが以後二度と同じ様にならぬ方策を取った。
109人対57人の同じような時間帯の乱闘なら誰が居たか聞けばすぐに分かるのだ。アルはそれをしなかった。あえて北ギルド全部巻き込む大問題にした。言ってはならない言葉を連呼して。
「いねぇのか!クソ共を隠す汚い北ギルドよ!」
「昨日北東の冒険者に北に来るなと言った奴!出て来い!」
「北東の冒険者が北の依頼票を盗むと言った奴出て来い!」
「北東の6位7位を北から叩き出した奴出て来い!」
二人は倒れない。踊り尽くす。クエストボードの前で踊り倒す。
北の2位PTのリーダーが出て来たが寄せ付けない。アルは数発殴られるが同じだけ殴ってぶっ飛ばす。何組か2位のPTも来たがアルとイコアに同じ様にぶっ飛ばされる。それを見て皆が後ずさりする。
「なに下がってんだよ?来ないと依頼票取れねえぞ!隠してる奴連れてこないと終わらねえぞ!後ろ見てみろ、迷惑してるじゃねぇか!依頼票取れねぇじゃねぇか、早く出せ!」
三人がクエストボードに近寄ろうとする。
#「おらぁ!」殴りに行ったらギルド嬢だった。
「キャー!」頭押さえて座り込む。
#「何してんだ!このクソ忙しいのに!」
「済みません、追加の依頼表を・・・」
「あ!ゴメン!お仕事ね?」ヨシヨシする。
「すみませんすみません」俺に謝るな!
「こちらこそ邪魔して済みません」ペコペコ。
ギルド嬢三人が三十枚ほど貼って逃げてった。
照れ隠しに叫ぶ!
「昨日北東の冒険者に北に来るなと言った奴!出て来い!」
「北東の冒険者が北の依頼票を盗むと言った奴出て来い!」
「北東の6位7位を北から叩き出した奴出て来い!」
「109人北ギルドにいる筈だ!連れて来い!」
北ギルドに居合わせた者はとんでもない事に巻き込まれたと頭を抱えた。
「クソ冒険者を隠す汚い北ギルドよ!俺に聞かせてくれ、同じ言葉を聞かせてくれ、聞かせてくれないと帰らねぇぞ」
「こんなに頭数が居て、話が出来る奴はいねぇのか!汚い北ギルドって言われてんだぞ。言った奴連れて来るのが普通だろうが!そんな所でボサッと立ってないで探してこい!」
「済まんが君は誰だね?」
#「聞く前に名乗れ、おっさん!」
「私は北のギルドマスターだ」
#「憲章読んでから来い!お呼びじゃねぇ!」
「待て待て!」
#「待てはお前だ!ギルドは冒険者の
#「お前らが昨日の大乱闘止めて説教してたら終わってた話だぞ!不介入と座ってた北のクソギルドが今更出てくんな!」
「・・・」
「介入するならお前も飛ばすぞ!(笑)」
どうしようもなかった。ギルドマスターを笑って一喝する子供を皆が初めて見た。
伸びてる二位の号令掛けたクランマスターを立たせて皆の前で平手打ちする。
「おぃ!起きねぇか!」
横の奴が起きて身構えたのでお呼びじゃねぇと蹴りでぶっ飛ばす。
起きたので言って聞かす。
「みんな言う事聞かねえんだ。お前から言ってくれ」
「昨日北東の冒険者に北に来るなと言った奴!出て来い!」
「北東の冒険者が北の依頼票を盗むと言った奴出て来い!」
「109人北ギルドにいる筈だ!連れて来い!」
復唱させる。
「イコア、椅子貰えるかな?」
「はい」
クエストボードの前でどっかりと居座る。
北ギルドが静かになって、3000人程が詰めかける北ギルド。この時8時30分。入るなりぶっ飛ばし始めて1時間10分経っていた。
35人が連れて来られた。
視て大乱闘に参加しただけの奴らだった。
「おい!北東ギルドの6位7位を痛めつけて嬉しかったか?大乱闘は別に良いが、その原因知らないとはな?それは参加しちゃまずかったな?」
「そこの!もう一回北ギルドの奴に言ってくれよ」
「昨日北東の冒険者に北に来るなと言った奴!出て来い!」
「北東の冒険者が北の依頼票を盗むと言った奴出て来い!」
「109人北ギルドにいる筈だ!連れて来い!」
「今35人だな?あと74人だ。逃げられないぞ、出て来い!」
12人出て来た。
視たら最初に絡んだ奴が二人居た。
「お前言ったな?聞かせてくれよ」
「北東が
「ありがとうよ、それが聞きたかった!」
ボコボコにして倍のオマケ付けてぶっ飛ばした。
「おまえは何言った?」
「来るな来るな~!北東は来るな~!」
「
ボコボコにして倍のオマケ付けてぶっ飛ばした。
立ってる45人を見て言う
「昨日6位7位を袋にしたんだな?」
皆が頷く。
「何の揉め事か知って参加したとみなす!」
蒼白だろうが許さん。全員ボコボコにしてぶっ飛ばす。
「イコア、ここを守れ!」
「はい!」
「おい!北の!もういいわ!勝手にやるぞ!」
「ほれ!おめぇだ!出て来ない分、特別痛いぞ!」
「参加してたよな?大喜びで!」
「はい、参加してました!」
「コソコソ隠れてんじゃねぇ!」
ボコボコで大いにオマケを付けてぶっ飛ばす。
「そこの!逃げるんじゃねぇ」
「おまえもやったな?」
「やりました!」
「
ボコボコで特大のオマケを付けてぶっ飛ばす。
あー!もう9時になっちゃう!どうしよう!
そうだ!
2位のPTにヒール掛けて揺り起こす。
大群衆の中で言う。
「おい!ジョニー!指名依頼だ!今から言う北ギルドの60人をとっ捕まえて連れて来い!一人銀貨1枚だ受けるな?」睨み倒す。
「めんどくさいからお前が依頼出してお前が受けろ、釣りは取って置け、明日また7時20分にここに来る。たくさん捕まえてくれると嬉しいなぁ。依頼者の名前は北東ギルドのアルベルトだ」
小金貨4枚(80万円)握らせ6人に10人ずつ紙に書かせた。
やってる間にうちのメンバーの57人が来た。ゾロゾロ金魚の糞も付いている。護衛のつもりだった(笑)
「今終わったぞ!冒険者はどこのギルドで依頼を受けても良いってよ!この北のクランマスターが言ってるからな?この人に礼を言ってから依頼票を選べ」
皆がありがとうございますと二位のクランマスターに言いながら依頼票を選ぶ。
「コラ!てめえら何動いてんだ!こいつら昨日北ギルドを叩き出されて依頼受けられなかったって言ってるだろ!北の奴らは連帯責任だ、空気読め!」
「取ったらカウンターで受けて来い!」
全員カウンターへ向かうとアルが豹変した。
くたばってノビてる奴らに声とヒールを掛けていく。
「大変だったな~?」
「ホントバカな奴らには困るよな」
「おまえらは良く戦った!」
「北の根性見せてもらったぞ!」
「起きた奴から依頼票選べよ!」
「もう北東イジメないでくれよ!」
「いい戦いだった!」
「北も話せばいい奴ばかりだなぁ!」
「威勢のいい奴教育してくれよ!」
「ちょっとどいてくれ!治療だ治療だ!」
遠くでノビてる奴らを治療する。視ながらホイホイ両手でポンポンヒールしていく。
「何だみんな弱っちいな!ちゃんと食えよ!食わねぇから折れるんだよ」
折れた手を固定しながらヒールする。折れた足首持ちながらヒールする。机に脚を固定しながらヒールする。
クエストボードに近付こうとする奴をイコアさんがまたぶっ飛ばす。
「イコア、もう少しだ、がんばってー!」
「はい」
「起きたら依頼票見に行けよ!」
「お前も行け!北の意地見せた奴から優先だ!」
「ヨシ!最後だ!お前も依頼票に行け!」
伸びてた奴らがクエストボードに群がる(笑)
「イコアさんいいよー!」イコアさんが中央から移動する。
「待ってたみなさん!ご自由にお選びください」
「ご迷惑おかけしました~。ホントにバカ共には困っちゃいますね?前開けて下さい、ホントに済みません。それでは失礼します、またよろしくお願いしますね(笑)」
子供がへこへこしながら大観衆の前を通り過ぎる。
粘り付く威圧の視線を振りまいていた子供が通り過ぎる。子供と女の迫力に動けなかった者が体の自由を取り戻した。ボード前に釘付けで溜まってた三、四千人のうちの千人程がクエストボードの前でもみくちゃの祭りの続きを始める。
アルはにこやかに去って行った。
・・・・
「マジヤバ。イコアさん居なかったら死んでるわ(笑)」
「アル様は手加減が過ぎます」
「殺しちゃダメでしょ!(笑)」
「あのジョニーって二位のリーダー強かったわ、上手い事ポイントを稼ぐ頭もあるし、三十チョイであの強さってすごいよ(笑)」
「お互い身体強化ギリギリの戦いでしたね、スピードではアル様が勝ってましたね」
「僕はスピードしか無いのよ。あっちは二十年以上やってるから・・・二位になるまで経験が凄いんだろうな(笑) もらうの承知でやりあったから三発もらって効いたけど面白かった。ギリギリってもさぁ、お互いが死なない攻防で面白かった」
「相手に強化を合わせると、それ悟って少し強化上げて来るのよ、あんな間にそんな駆け引きやってんの。 え!イコアさん巡る魔力は見えるんだ!
「はい(笑)」
「昨日魔力循環を調整したばかりなんだよ。今日はさぁ無手の格闘で来たの知って、北の奴らも全員格闘戦で来たのは気持ちよかったな」
「そうですね(笑)」
「イコア様にはお世話になりました!」
「いえいえ!(笑)」
次回 256話 優しさの一族連座制
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