第216話 神教国の正規品
10月に入った。
入った瞬間に他の大陸に置き去りにされてる宇宙船を助けに行った。その内やらなきゃなぁと思いながら半年以上放置だ。
実はコアに言われた。
「他の船のタナウスの民も霊廟に入れて貰えませんか?」
言われた俺自身がショックを受けて、全てを投げ打って全力で放置してる船を助けに行った。ホントごめんよ!
当初6大陸に移動した船のうち3つが放置されていた。
母船:エンタープライズ、演算装置:コア、ニウ(研究船)
1番艦:マリン:演算装置:ナノ (戦闘艦)
2番艦:ストック:演算装置:アクア (貨客船)
↓ここから助けに行った。
3番艦:スカイ:演算装置:アポロ (開拓船)
4番艦:ソレイユ:演算装置:ガイア (惑星改造船)
5番艦:ユピテル:演算装置:マーニ (検体収集船)
3番艦スカイ:全長は700m。7000m級の大山脈の雪の中に埋もれていた。4番艦ソレイユ:全長は900m。3000m級の大山脈の岩棚から落ちで谷底に埋まってた。5番艦ユピテル:全長は直径500m。丸い円盤型の台形で大森林の中で苔むしてた。近くに住む部族から古代遺跡の舞台と思われてた。
全ての艦がでかくて置く所に困る上に、昼間飛ばすと陽を
それぞれの艦はイコール自立型の予測演算コンピューターなのでアポロ、ガイア、マーニに命じて統率するメイドを連れて首都や衛星都市に集合させた。ナノロボット4万人程を統率してもらう、普段は建国準備をして来客や避難民が来た時には、先住国民として街に溶け込み生活するダミー国民(八百屋、肉屋、食堂、お茶屋さん、お菓子屋さん、服屋さん、大工さん、木こり、鍛冶屋、靴屋などありとあらゆる職業)になってもらう。
冒険号からそれぞれの船がエネルギー供給している転移型ダンジョンに転移出来る様にした。ダンジョンの方は6大陸が10大陸に増えても問題なくコアが設置し直した、当然発見されるまで誰も来ない(笑)
そして全く使われてない海底のダンジョン、大山脈のダンジョンは全部
設置し直して冒険号から直接各大陸のダンジョンにリンクして跳ぶことにした。各大陸の新しく未発見のダンジョンの1F送迎門から出るだけだ。
これから、アルムさん、クルムさんに頼んでシズクと一緒に各大陸の色んな国を見てもらおうと思ってる。普通に旅行して、
そろそろ外へ出るべきだと思うのだ。
・・・・
3日程で放置宇宙船にあった私物を霊廟に安置した。ニウとコアにした最初の約束をやっと果たした気になった。未知の生物の検体収集船の検体は跡形もなく分解させた。映画エイリアンのノストロモ号の様な役目の船だし、バイオハザードを知ってる俺にはフラグとしか思えなかったのだ。タナウスの滅んだ原因と考えられている次元エネルギープラントと同じ様に・・・。
・・・・
やることがあると一日が過ぎるのが早い。
神教国タナウス(案)は絶えず建国に向けて進んでいる。
※まだ(案)なので首都か聖都か皇都か王都か決まってない。一応新年にネロ様と話す時に>神を教える国の宗教国を作りたいと了解だけ取ろうと思うのだ。ネロ様や神々の了解も無く像とか置いて気を悪くするかも知んないし、礼儀的に失格と思うのだ。
「アル様、やっと首都近辺に魔獣が出なくなりました」
「あ!そうなの?」
「はい」
いきなりロボット軍団が現れて魔獣を奥に追い散らしながら平地の大森林をつるっぱげに開拓した。その
人の世界では現れたら殺されるモンスターを資源だからと殺さずに痛めつけて追い散らした。叩きのめして
まさか魔獣が故郷に帰って来るとは思わないじゃん、普通は出会った瞬間に殺し合いでどっちかやられるからその後の動向調査なんて無いもん(笑)
故郷を見に来ても更地をコア達が整備してるからしょぼんとして逃げた森に帰って行く。でも中には聞き分けのない魔獣もいるのよ。
山鳩みたいな魔獣。名前無かったので勝手に名前付けた:
「大森林も各地に大きいの残してるから、これからも出ない様に見張っておいてね。魔獣にも学習して欲しいけど(笑)」
「出て来たら、強い種族優先で奥に追い込みますから
「大森林はエルフや獣人に必要だし、森と
「なるべく危険の無い様に配慮して魔獣を追います」
「うん、そうして。大山脈に繋がる大森林は開拓せずに魔獣の住処として
「はい、かしこまりました」
タナウス島の貫通トンネル作ってる採掘モジュールの金がどれほど取れたとか、採掘の報告を6か月何も聞かないので何気にコアに聞いてみた。
「モジュールが掘ってる大山脈に金鉱あった?」
「金鉱を含めて希少金属の鉱床は出てますが」
「・・・」ガンガン取れると思った(笑)
「大山脈ですよね?」
「うん」
「金と言うのは神教国タナウスの硬貨用でしょうか?」
「うん、心配しなくていいよ、まだ時間あるし」
「心配しておりませんが」
「え?」
「冒険号で蒸留出来ますから心配しておりません」
「え!」
「金の蒸留の話ですよね?」
視た。コア見ても何も視られないので金の蒸留を視た。
2900℃で気化するらしい・・・ポカーン。
「その・・・蒸留って・・・凝結したら金?」
「そうですが?」
「どこでするの?」爆発しそうで怖いわ。
「船首のマントルを蒸発させて各種金属を蒸留します」
「・・・」
「何かございましたか?」
「イヤ、しょうもないこと聞いてゴメンね、高温で蒸留したら爆発的に気化した気体が・・・」
「気体は宙域処理しますが」
「ふーん・・・」ちういき?ちょり?
「次元処理がよろしかったですか?」
「次元・・・うーん」次元て次元?
「よろしかったです?」
「コアに任せてるから。そゆの気にして無いから」
「かしこまりました」
「・・・あのう・・・」
「何でございましょう?」
「鉱物採掘のモジュールは・・・?」
「あ。そういう事ですね!世には金鉱より採掘して金を得た事を見せなければなりません。結果的にアル様から観測した金鉱山の大空洞より数千倍のトンネルになりますので大きさも理由も丁度良いと思いました。そちらからもかなりの採掘は出来てますよ(笑)」
「・・・コアに任せて良かったなぁ」
「ありがとうございます。アル様」
「うん。お願いね・・・」
タナウスの魔法怖いよー!背中に汗かくわ。
「アル様、そろそろレンガが・・・」
「わかったー!僕も頑張るね」
「よろしくお願いします」
・・・・
10月5日。
お昼食べてたら、ハムナイ国から通信が入った。
ハムナイにはラムール商会しか相互通信機が無い。
緊急事態。そういう事だ。
ラムール商会長の執務室に続く応接に跳んだ。
「会長、お久しぶりです」
「御子様、お久しぶりでございます」
視てだいぶ分ったが、話しを聞いてる間にベターな対策を練ろう。
「今日は、どうしました?」
「ハーヴェスとミランダから接触がございました」
「なんか言ってきました?(笑)」
要するに。
・ハーヴェスはハッキリ魔動回路と大砲を用立てて欲しい。
・ミランダはラムール商会が魔動回路と大砲を売っている噂を確認中。在庫あるなら欲しいな~と色目を送る。
「それなら売っちゃいますか?(笑)」
「え?鹵獲品をですか?」
「そうです、ただし売るのは神教国製の魔動回路と大砲です」
「あるのですか!」
「ありますよ、売る程(笑)」
会長一人を連れてミウムの大山脈に跳んだ。
「御子様、ここは?」
「神教国の武器倉庫ですね(笑)」
埋まった洞窟通路など関係ない。
視て一発、大洞窟の倉庫にそのまま現れた。
「お待ちくださいね、明かりを付けます」
ほ!と言う掛け声で天井にライトボールが3重の天使の輪に並ぶ。ライトボールが灯ると倉庫の全容が見えた。
壁際に並ぶ倉庫群、手前に並ぶ大砲群と魔動回路。
「・・・」声も無くたたずむラムール会長。
「見てて下さいね」
今の持てる力を使ってイメージを精霊に伝える。
丸い砲口を少し角がある様に改変、製造番号を振り直し、神教国タナウス海軍工廠と入れていく。やっていたら金型の癖まで視えてきたので金型のへそまで偽装する。
※工廠:軍直属の軍需工場を指す。
洒落で砲弾にもいれておいた。全ての物にリンダウ検索で
最上級のドミニオンの隷属紋を上唇の内側に一撃3000名以上叩き込むアルには児戯に等しい魔法だった。
良く見えるようにライトボールを倍増した。
「これで如何です?」
「御子様・・・」ラムール会長がよろめく。
「両国の軍船3隻分ほどで足りますか?」
「よろしいのですか?」
「それしか仕入れ出来なかったと仰って下されば」
「充分です!それで名目も立ち、つけ狙われずに済みます」
「元は私のイタズラですからね(笑)」
「これの出どころはどうしましょう?」
「刻印しておきましたからね」
「え?」
「ここです」指で指し示す。
「神教国タナウス海軍工廠」
「御子様の国は神聖国では?」
「僕が作ってる国です(笑)」
「は?」
「色々とあるんですよ(笑)」
「国の場所は?仕入れ先を聞かれます」
「今まで売ったミランダ製、ハーヴェス製に似た兵器も全部神教国から買った事にしたらいいです。この国には何処の国も手出し出来ません」
「無い国では私が困ります」
「あ!在ります在ります!・・・うーん。しょうがないですね、口外無用ですよ?」
タナウス島に跳んだ。
「え?」何もない土地。
ここが神教国タナウスの首都ですね。
大山脈に大穴がありますよね?あの中で神教国の民は暮らして軍需工場も大山脈の中にあると言えば良いです。
あっちの開拓地が今後の市街地ですね、道や港湾の岸壁は出来てますよ。
「・・・」
「まぁ、この国が作ったと言えば良いでしょう」
「大丈夫なのですか?」
「大丈夫ですよ、国を挙げて攻めて来ても誰も上陸できないでしょうから(笑)」
「え?」
「神の国に攻めたらどうなります?」
「・・・」
「そういうことです」
「・・・」
「会長のコインが重いから大変ですよ(笑)」
「御子様にずっと言われそうですな(笑)」
「売る時は、勿体つけて宗教国の神教国は戦争を望んでいない。海賊に対抗するためにしか武器を売ってくれないと言わないとダメですよ、サントもワールスも商人は海賊をすごく怖がってましたからね(笑)」
「はい、その様に(笑)」
「ハーヴェスとミランダは軍事大国です、海賊怖いと言う様に誘導して下さい、そういう理由が無いと兵器は売って貰えないと言って無理に言わせて下さい。腕の見せ所ですよ(笑)」
「かしこまりました(笑)」
「うちは正規品しか扱わないと!神教国の!」
「(笑)」会長がむせる。
「そう言えば地図が無いです、会長に書き入れて貰おうかな」
飛空艇を出し、会長を甲板のカプセルに入れてタナウス島の位置を覚えてもらった。
冗談ばっかじゃダメなので会長の執務室に帰ってきた。
この世の最新の世界地図に場所を書き入れてもらい。俺も一枚貰った。
「それじゃ当面は一国で3隻分売りますか?」
「3隻分なら両国とも喜ぶでしょうな」
「今の品薄の相場で売るとよろしいでしょう、両国のオークションでもよろしいかも(笑)」
「御子様。商人に向いてますぞ(笑)」
「商人は優秀な上がつかえてます(笑)」
「3隻ずつ増えても海上輸送路は大丈夫ですよね?」
「
「海戦なら呼んで下さい、武器を奪って船に穴開けます(笑)」
「御子様!(笑)」
「商談で両国を友好的に誘導して数量が決まったら通信で教えて下さい。倉庫を教えて貰えば指定日に運び込みます」
「よろしくお願いいたします」
「そんなにいじわるしなくて良いですよ」
「?」
「冒険者もいきなり丸腰になったら、何か武器が無いと腰が落ち着かないもんです」
「そうですな、3隻じゃ守るにも不安ですな(笑)」
「法外な値段は止めてあげて下さい、相場で!(笑)」
「はい(笑)」
「今の!」
「御子様(笑)」
深刻な顔の会長が笑って良かった。
最後におまじないを掛けておいた。
「良かったら商談に教皇代理で同席してあげますよ」
・・・・
偽装工作を完璧にしないといけなくなった。
元より大まかな形は変えておいたのだが、製作元のネームの入ってない武器をワールスもサントも使っている。だから神教国海軍工廠のネームを付けて回る事にした。
飛空船で飛んで高空から感知する全て大砲の解りにくい所にネームを入れておく。
商国の魔動帆船を感知する方向、感知する方向に飛んでネームを入れる。積んでる大砲は似てるけど頑張って真似して作ったな?みたいに少し形を変えてある。この世は鋳造だ、金型に入れて出したらバリは取れるが形は変えられない。当然性能は同じだ。金型で出来るへそも改変してあるからどうしようもない。
神教国海軍工廠のネーム入れに3日掛かった。奪う3倍手間だった。
ワールス共和国・サント海商国・ハムナイ国の3国に通信を入れ武器はすべてラムール商会を通じて買った物と
後日談として武器をうっかり軍船に供給したラムール会長が宗教国に怒られた話を盛って信憑性を高めた。
とんでもない破戒僧侶。イヤ、破戒御子の国だ。
まだ俺しかいない国が暗躍する。
だから誰にも迷惑掛けない、全部タナウス島が引き受ける。
「良い遠征」 と
商国連合同盟への通信を終え俺は一つ恩寵が上がった。
虚言スキルは虚言で
俺はもうあきらめた、この恩寵と寄り添うぜ!
方便Lv6よ!わが友よ!
アホ言ってないで、忘れないうちに最新版の地図と同じ絵図でタナウスの島をかたどった世界地図をコアに100枚作ってもらった。
今後、この地図を元に大陸間横断の転移交易路が語られる。
・・・・
10月6日。
お爺様に提案が有った。
ロスレーン伯爵領の執政官序列順名簿を見せてもらった。
文官の棒給の元だ。
ヘクトの街のオスモさん。街の代官はやっぱ一位だわ。ヘクトは人口が多い上にドル箱の岩塩鉱があるから出世頭で間違いなし。
準男爵、序列一位の執政官をチョイスした。
お爺様に一位の執政官は特に優秀なので褒美をやってほしいとねだった。理由を聞くお爺様に、一代貴族の準男爵1位は天井、余程の勲功が無ければ、永代貴族の男爵にはなれない。天井まで上がった者には日頃のねぎらいに休暇を家族と与えるなどの精神的な褒美をやって欲しいと言ったのだ。
以後ヘクトの湖に保養所を立てて家族で舟遊びなども含め、福利厚生を充実する事も1位の武官や文官の励みになるのでは?と訴えた。
海商国の半日旅行、庭での使用人との無礼講パーティー、俺の褒章授与式など、聖教国の観光巡りで有意義な時間を過ごしたお爺様も納得してくれた。
1位の準男爵をねぎらう。
ロスレーンだけでは無く、国中の領主にとって側近となる一番信頼に足る子飼いの部下なのだ。しかし、1位の序列になってしまえば以後自身への褒美や昇給はほぼ望めない働きアリなのだ。アルは変な腐りを産む前に領主の感謝する気持ちを1位の人に見せてあげたかった。
1位の武官はロスレーン領では第一騎士団長、第二騎士団長、近衛団長。3人しかいない。というか1位になると団長クラスなので戦争で死んでいなくなるから昇進が早い(指揮官は一番先に狙われる)
1位の文官はロスレーン領都に3人、ここにシュミッツがいる。街の代官にも1位の文官がいる。(ジャネットは4位、料理長が5位)
・領内にて序列1位の者には10年勤務で褒章を与える。
・褒章は受ける者の家族の旅費と休暇を与える。
・休暇中に5時間ほどの研修を受講する。
※5時間の研修でその職務に有用な恩寵を2つ上げる。
※をお爺様に伝えないアルルール。
もうすぐアルは14歳になる。
アルは活動の場をコルアーノの外に移そうと思っていた。ロスレーンの守りを強固にした上で。
時期的に騎士団一人一人の恩寵を上げてから3年だ。あれから3年ものあいだ騎士団は可愛がりを続けて来た。そろそろリード師匠の死の鍛錬をしてもらって恩寵を上げてやりたい。騎士団が終わったら守備隊を3日間、近衛隊を3日間。
それで守りは強くなる。
次回 217話 領都整備計画
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この物語を読みに来てくれてありがとうございます。
読者様にお願い致します。
応援ポチ。☆も頂けたら嬉しいです。
ポチをしてくれる事。それはとても励みになるのです。
一期一会に感謝をこめて。よろしくお願い致します。
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