第207話  2番船ストック



コアから通信が入った。

「他の船をタナウスに欲しいです」

「2隻目がいるの?」

「はい、製材の置き場が無くなりました」

「ちょっと見に行く」

「お待ちします」


1番船マリンに跳んでみた。


780mの船の200m×60m×40mの格納庫に山ほどの製材が積まれていた。

「この後格納庫の気圧を抜き徐々に乾燥させるので船がもう一隻欲しいのです」

「ダンジョンへのエネルギー補給は大丈夫なの?」

「大丈夫です」

「どの船が欲しい?」

「この地図のプロットの船をお願いいたします」


地図に場所と船の性能諸元表が出る。

全長980m×幅450m×高さ200mのヴェネター級スター・デストロイヤークラスの大きさだ。形は厚いフリスクのケースと言おうかそんなにカッコよくない。今度は宙間貨物船だ。貨物部に色んな物積めるように50mクラスのコンテナを満載のコンテナ船だ。鉱石の積み込み用のローダーとかコンテナ積載用無限軌道車(空港をコンテナ積んで走る貨物積載車:トーイングトラクターの巨大な物)も積んでいる。


1番船のマリンより大きい。貨物船で乗組員が乗る所が何処か分かる(笑) 上にポコッとプリンのケースみたいのが逆さまに付いてる。


「これも海に沈んでるのね」

「海に沈んでても無駄なので」

「全長980mの倉庫なのね(笑)」


「また同じ感じで良いね?」

「はい」


また船を拾ってきた。

勝手にコアが島まで連れて行く。


海から浮かんで陸地に来たら短い脚を出して立った!サンダーバード2号か!脚がコンテナ降ろす梯子で、垂直上下に機材やコンテナが次々地上に降りて自走で出て来る。ちんまいコンテナがぽこぽこ降りてカッコイイ!製材丸ごとコンテナに入るわ(笑)


「コア、この船は2番船。命名ストック、予測演算装置の名前はアクアで統括メイドを作ってくれる?」

「かしこまりました」


「ニウ、タナウス島の状態見させてもらうね」


マリンは今、大山脈の中腹近辺にある高原の様な所に置いてある。780mもあるのだ、目立たぬところに置かないと街どころではない。


「お願いいたします」


「うわー、頑張ったねぇ」

マリンのデッキから見渡す限り開墾地だ。


「タナウス王国の王都ならこれぐらい要るよね」

木は建物作ってからシズクに植えてもらえばいいや。


「これってまだまだ続くの?」

「アル様が仰って下さればこの星の建築様式で建てますが海風や嵐の風雨で痛むので建ててません」


「あぁ、住む人居ないと朽ちるよね」

「まだいいや、マリンの倉庫の製材が乾燥したら教えて、保管庫を作って移すよ」


「冷帯で山脈の地下なら湿度も低いよね?」

「地下なら温度も安定してよろしいですね」

「雪が解けたら南端の山脈に作るよ(笑)」

(南半球なので真冬なの、特に南端は氷の世界だ)


「お願いいたします」


「コアは王都都分の平地を作ったら衛星都市を計画してダンジョンや大森林を残し魔獣の資源も流通できるように考えて開拓してくれる?」


「取り合えずアル様が考えるであろう都市計画図はこれです、傾斜は少ない方向で路面を整地して石畳で伸ばして行こうと考えています」


「衛星都市計画図!コアに読まれてる(笑)」

「アル様の論理思考に学んでおります(笑)」


「コアがそうやって笑うとホント綺麗だよねぇ」

「ありがとうございます」



「交感会話にしようかな?」

「かしこまりました」


「今のベストは神教国タナウス(案)にして宗教国家と思う」


「宗教国家ですか?」


「この世の物流は海路で運べるものは商国連合の魔動帆船。内陸の物資はターミナル国を作って物流を円滑にしたら意識改革も進むと思うの」


「テクノロジーの手を世に加える事は禁忌なのでは?」


「うん、実は揺れてる」


「僕にはタナウスの科学が魔法の様に見えるんだよ。ダンジョンの転送装置を設置して、世界中の国が欲しがるなら世界をコントロール出来るかもしれない。介入しても大魔法ですよって言えば終わりかなって考え出してる(笑)」


魔法は使える人と使えない人がいる事を世界中の人が知っている。大魔法なら先生が居なけりゃ諦める。


「それは国と国を安直に結ぶ転送装置ではなくて大陸を結ぶ転送装置なんだよ、内陸の国も資源を他の大陸に売れるし、既存の流通網や雇用を否定せずに、パイを大きく出来ると思う」


「大魔法を持つタナウス島を手に入れようとしても戦闘艦のマリンが居たら無理でしょ?武力で世に介入すると滅ぼすけど、物資、金、安住の欲を刺激して戦争で生まれる大量殺戮兵器たいりょうさつりくへいきだけの進化を止める。昔ながらの戦争は勝手にさせる。理不尽な侵攻や紛争で流通が止まって国が飢えるなら皆がその国から逃げ易いと思うの」


「最悪、紛争国がどうしようもない部類なら困ってる国民全部連れて来ようと思ってる。それを世界に見せたら大人しくならないかな?(笑)」


「こんな遠回りな介入は予測できないかな?」


「いえ、悪影響があれば即時停止で問題無いと思います」


「神教国タナウスは内陸の大陸間輸送を担って、商国連合の様な導き手の助けになれないかなって感じ」


「その可能性と備えるべき危険因子を予測演算します」


「方舟シナリオの背景はこんな感じで考えてるの」


「軍事力による侵攻の事件を聞いた神教国タナウスは平和的に世を豊かにするため安定している国と手を取り合って協力する事を決め、大魔法による転送装置を設置した」


「聖教国がそんな商人みたいな事はしないと思うけど、例えば聖教国は敵対する国は無いほど安定している上に、北中央大陸のほぼ中心に位置している。周辺国は聖教国に物資を持ち込めば任意の大陸に物資を売り込むことが出来る。そのキーとなる安定して信頼のおける国を探して物流で協力するの」


「設置した国はステーションを商売としても良いし、大陸の物流を整備して運輸国にもなれる。自国の領を開放して世界中の富を売っても良い。何をやっても雇用は増えて流民は減る」


「タナウスに入る外貨で、その国の資源を買うつもりはない。その外貨で神教国の教会と教えを世界に広めて、逆らう奴は懲らしめる、北中央大陸の聖教国と同じような存在を世界の各大陸で目指す。僕はセリムの意思を継いだと思ってる、継いだらそこまでやるのがタナウスの成果の有効活用かなと思う」


「コア、色々な要素が絡み合うけど大丈夫?」


「理論としては完成しても、発想時点では予想しえない要因で挫折するのは歴史が証明しております。あくまで予測した危険因子をお知らせするしか出来ません」


「そりゃ、何やっても裏で悪い事考える奴は居る。でもそれをナノマシンで監視して統制した管理社会なら悪知恵も進化しないよ。そんな悪者と対決して、泣かされて自然に防御力が付くと思う。コアの考える事も分かるよ、心配してくれてありがとう」


「ニウも聞いてるよね?コアのバックアップだからって黙って無くていいよ。ニウもコアとは別になった予測演算装置だからニウとコアで頑張って予測してみて。失敗したら止めたら良いだけだ」


「「かしこまりました」」



・・・・



計画図に基づき具体的に実務は進んで行く。


タナウスの転移交易路を利用して他国も飛べて、タナウスへも売り込める、大山脈縦断トンネルを使えば天気に関係なく、盗賊にもモンスターにも襲われない快適な交易が約束される。


現在掘られている大山脈縦断トンネル。これは計画が終了すると総延長2000kmのトンネルとなる。各都市の交通の障害となる大山脈を貫通して直線とするトンネル、一本15km~350kmの物まで多数。


トンネルの大きさは直径30mの真円を描く外筒。資源探査モジュール(シールドマシン)で掘って粒子を粗く結合して石の密度まで固めた外筒(外殻)(地球で言う水を通す粒子の粗いアスファルトと思ってくれ)で、天井や壁の所々でものすごい水量の滝の様な地下水が当初はザーザー流れていた(笑) 


その水を排出しながら中の土砂をインナーチューブで搬出する話もしたんだけど、今回は水の話。


例えば噴出する豊富な排水を何とかしないと王都側から掘ったトンネルなら王都のトンネル出口から水が溢れちゃう。

だからその水を使って作るのが上水道だ。コアと考えて良い物を作った。トンネルから出て来る水は衛星都市まで運んでしまうのだ。


外筒と内筒の間を通ってトンネル出口に向かう水。外筒は粗く固められたトンネル外殻。内筒はインナーチューブでそこを土砂の搬出やトンネルの道路として使う。外殻と内殻の隙間が湧き水の通路となる。


簡単に言えば、トンネルは街と街を結ぶ経路だ。当然トンネル出口には街がある。トンネルに湧き出す豊富な水はトンネルで結ぶ衛星都市の用水路に変えるの。用水路整備を行う事で井戸の必要が無くなるからだ。


現在、王都はこうなっている。


王城予定地は大山脈の裾野でそのまま海まで7.5kmを平均勾配2%で下っていく坂。実際は王城から教会前までが裾野がキツく勾配3%で結構な坂。教会から海岸までは平野で勾配は1%となる。


※勾配2%は100m先で2m下る坂。海岸から7.5kmの宮殿予定地は約150m高い海が見渡せる見晴らしの良い丘陵にある。


王城の近くに山脈トンネル出口があり出口から繋がる用水路がある。大山脈で濾過ろかされた雨水が運ばれてくるのだ。


コアとニウが用水路の勾配の計測をするなか、王都の中をモノレールの如き上水道のレールが走って行く。コアが斜度、ニウが曲がりをレーザーポイントして行く中、俺はそれに合致するように柱と用水路を空中に作って行く。


見た感じは装飾された柱の上を空中の用水路のレールが走って行く。トンネル出口から2本の用水に分かれ、それが分岐し4本になり、支線も王都内に走って行く。


これを中心に用水レールの両脇の200mほど横の広場にはコア達により噴水が至る所に作られ、上水道のレール高さ30mからレールの支柱を通っての水頭差で自由自在の高さと水量を誇る噴水が出来る。噴水で地上に降りた上水はそこから網の目状になって小さな生活用水路が王都を走る。山間の雪解け水がふもとの街の用水路を流れる感覚だ。


本来は大河に流れ込む大山脈の水。その何分の一の水量が計画総延長2000kmのトンネルから湧き出して、タナウスの上水として使われる様になっている。大山脈の高い標高で生成される雨量が豊富な地下水を生み、山脈トンネルの用水路を通って衛星都市まで運ばれて上水道になる。


まだ空中用水路しか出来て無い。噴水予定地までの石の中空管を敷設してるだけ。噴水予定地の上水管には栓がしてある(笑) だから綺麗な水が用水路終端の海にダダ流れでもったいない。


衛星都市の開拓やらなんやらでニウもコアも忙しく働いてくれる。いろんな場所で作業してるナノロボットは総数で5万越えてる筈。


冒険号でニウやコアを相談事で呼ぶと、今からそっちに生成しますと言いタナウスに居るニウとコアと同じ執事とメイドが出来る。


コア>ニウ>ナノ>アクアと命令系統はあるらしいけど、何万人ナノロボットが働いてても4人のメイドさんが一台一台動かしてるのが違和感ある。


・・・・



貨幣を作るには貨幣を担保する物が無くてはならない。


担保する物が無い場合は貨幣そのものが価値のある物じゃないといけない。この世では金貨その物が担保する物だ。


この世はまだ実質貨幣経済で、希少鉱物である金の含有量で貨幣の価値が変わる。コルアーノ王国の貨幣価値、金は88%の含有量だ。採掘した金で88%の純度のタナウスの金貨を作る。


鉄貨、銅貨、銀貨、白金貨はその国の信用と言う担保があって初めて流通する貨幣である。(銅貨もしくは鉄貨の下に賎貨があるがちびて折れたような貨幣は、どこの国の貨幣でもお目こぼしで流通されている)


絶対のルールは、鉄貨、銅貨、銀貨、白金貨は額面は自由だ。但し含有量を落すとすぐに混ぜ物が酸化し欠けたり傷付き耐久力が落ちる。その様な貨幣は国際的な信用度も低く、すぐに金貨に交換される。


先進国は耐久力のある金以外の貨幣を生み出して、合金技術力を見せる事で金貨以外の貨幣の価値を担保する。


鉄貨、銅貨、銀貨、白金貨を交換してくれと言えば、その国は額面だけ金貨と交換しなければならない。極論で言えば高額貨幣の白金貨は自国の持つ金の担保分しか作れないのだ。


資源採掘モジュールがこれから担保する品を掘ってくれる。コアがルートを定め大山脈を掘ってるのでお任せだ。



硬貨の図案は出来ている。

表が惑星タナウスを表す文様、裏が竜が二匹向かい合う真ん中に含有量の数字がレリーフされる文様だ。竜はコボルさんを表す。


俺的にはコルアーノみたいに当時の奴隷売買に足る額面の金貨設定とか嫌なので普通の国の小金貨1枚10万円(2.6グラム)も分かりやすいと思うのだが出身故だろう、小金貨1枚(20万円)の重さ(5.2グラム)がしっくりくるのだ(笑)


そんな事を考えながらトンネルから排出された土砂でレンガを作り続ける。横で同じくシズクもレンガを作っている。シズクは俺の魔力で存在意義を行使する事が仕事なので大喜びでやってくれる。


アルムさんとクルムさん、特にアルムさんはクランの鉄級PTを引き連れて原始人の生き抜く知恵を授けている。クルムさんは調薬、錬金術、裁縫、パン作りなど忙しい。


日が落ちるまで頑張るつもりだ。シズクも文句言わない。




労働は尊いのだ。



・・・・



朝の読み書き教室。


リズと教えてると生徒にからかわれる様になった。


玉金:フレデリ(8):シャウトの子

鉢巻き:ミルス(10)へそ:ミーナ(8):ニーナの子

小坊主兄弟:カール(10)バンズ(8):セロンズ・マリアンナの子

魔女宅:カレン(9)ラーナの居候。


一番前の席ののがからかって来る。


「今、アル様がリズ様を見てたー!」

そりゃ見るだろ!何報告しとんねんワレ!


リズの耳が赤くなる。

「リズ様が赤くなった―!」

そりゃ赤くなるだろ!からかわれた事ないもん(笑)


「二人で見つめ合ってた!」へそが言う。

教室でそれはナイ!・・・少し目が合うだけだ。


「リズ様はアル様と結婚するんだよね」

一日1回以上確認されるワードだ。だからがそれは違う。


玉金程度で当てはめるなど頭が高いわ。

お前たちは頭の中身も玉金だからな!


どうしようもなくなると玉金か鉢巻か小坊主(兄)を尻叩きする。教室でペロンと尻をめくって真赤な紅葉を晒すと、こいつらの弟や妹が大喜びで尻の話題に移っていく。



玉金は自分の妹ネーレ(6)アニス(5)に玉金が無いのを親が教えてくれないと初日に先生の俺に質問してから玉金だ。教室のお兄さんお姉さんにも玉金と呼ばれている。



鉢巻きミルスは足の悪いお婆ちゃん(治って施設管理してる)に育てられて、お母さんのニーナのタオルを持つ癖があった。俺はじゃねぇのか?と検索したらとか知り、ポケットからズローンと出るタオルをクルムさんに縫わして鉢巻きにしてやったら格好だけ精悍な男になった。



ミーナはニーナ(母)がと言ったらへそばっか気にする子になっちゃっただけだ。暇になるとへそ見てるので?と思ったら違った。


俺は視ても、鉢巻もへその事も母のニーナに何も言えない。心配したり悩むに決まってるからだ。どうせそのうち直るさ!直ると思う。



小坊主は結核で寝たきりだった兄弟がみたいなので(医療費で食べるのにやっとで身なりどころじゃなかった)子供は読み書き教室来てもいいぞ、とセロンズに言ったらが二匹教室に来ただけだ。


魔女宅(9)は同じ教室のPTリーダー:ドローズ(15)にホの字だが、そいつはギルド嬢(20)にホの字だ。競争率は高いが気にしちゃいねぇ、巨大な空母を狙う特攻隊だ。


特攻する前に字を覚えようとする辺りは戦略家と言えるだろう。

※PTはリーダーが皆のタグを持ってカウンターで換金を行う。


みんなそうやって大きく成長するんだよ!

失敗してもいいの!経験なんだからね。


そういう失敗は止めたらダメなの。大きくなってからの失敗は代償が高くなる事が多いからね。


教室の事語ってたら長くなっちゃった。



・・・・



朝食を食べてたら、お爺様から緊急通信だった。

コアが繋いでくれる。


「はい。お爺様ですか?アルですが御用でした?」

「料理長が困っておるので助けてくれんか?」

「え?」

「儂じゃわからんがトンカツの悩みと伝えてくれと」

「はい?取り合えずそっちに行きます」

「すまぬの」


タナウスノチョウゼツテクノロジーデトンカツノナヤミガキタ。

(そこまで超絶では無い、単に交換手の居る固定電話だ)


「アル様、あの油が切れてしまいました」

「へ?」視たらオリーブ油、椿油、香の植物油全部無かった。


「トンカツを所望されたのですがありません」

「コルアーノの油使えば良いじゃん」


「ダメです!あの油で揚げるから揚げ、トンカツを知ってしまったグレンツ様にお出しする料理が出来ません」


「・・・」揚げ物、そりゃ欲しい年代だよなぁ。


「あんまり出しちゃダメだよ?揚げると太るよ!」

言った刹那、危機感知で空気が変わった。張りつめた。


居合わせたクリエッタ(21)が戦慄していた。


イヤ!お前が太ったのトンカツかから揚げか知らんわ!


恐るべしお屋敷のメイド。一応魔法士だからな。


「うんとね、一月に一回ね。ポテトフライも」

「アル様!どれほど要望があるか知っておるのですか?」


「え?」

「晩酌は皆様がピリからの唐揚げとポテトを摘まみに・・・」


「・・・」


「屋敷の全員集めろー!お爺様もだー!」


久しぶりに叫んだ。


凄い剣幕で怒る俺に皆が引いた。


生活習慣病とか言えないので、貴族たる者が!と領民の税で贅を凝らした油を浪費し己の体を太らせるとは何事ですか!と怒った。


「ドレスが着られなくなってる方もいますよね?」

1/2以上が目を逸らす。


「夜寝る前に食べるなどもってのほかです!」

分かってるのか?と皆の顔を見て行く。


「服が全部着られなくなりますよ」

皆が目を逸らす。口には出さなかったが、太った理由を納得したようだ。


寝る前の唐揚げとポテトと酒は最悪の生活習慣病を呼ぶ。

「その様な生活を続けては領主家が早死にします」


グレンツお兄様は騎士団で揉まれているので許したら。皆が贔屓ひいきしていると思ってる様なので止めを刺しといた。


「朝からグレンツお兄様と同じぐらい騎士団で鍛錬する方は食べても太りません、大丈夫です」この屋敷にそんな奴はいない(笑)



料理長に頼んで食事の一品として食べて下さい。食事でどうせ酒も出るしな。


大事な事なので二度言っておいた。


まさに緊急通信だった。ロスレーン家の危機だった。


叫んだけどハムナイに高級油を買いに行った。





次回 208話  呑まれる村

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