第181話 本物の親
2月9日。
アルムさん達はずっとダンジョン攻略だ。自然と一人の行動が板について来る。布教すら最近は一人ばかりだ。
今日のお一人様は、サント海商国。朝から造船所に顔を出した。
なんか色々変わってる・・・魔改造されている。
甲板上に140cmの高さまで舷側で手すりになっているが、所々にガラスが嵌めこんである。飛んでいてもサイドから下が見えるようにしてあるのだ。バーツさんの意見が入ってるのが視える。
マストは切られて船首から流れるように張り出た天井の柱になっちゃった。アレだ!船首から流れるスリッパの形!(まだ骨組だけで天井は出来ていない)
舵を取るのは船尾の格納庫の高い所でスリッパの天井より高い位置に馬の蹄鉄型のカウンター。その後ろに舵輪がある。椅子の支柱が立っている。(柱だけでまだ椅子は付いて無い)
舵輪で動かすのはハーヴェスの最新式3つの魔動回路(ノズルジェット)。小型軍船が積んでいた魔動回路を3つにしてくれると言う。楽しみ!
ハーヴェス軍船の積んでいた中大砲を船首に1門乗せたいと言う。飛空艇の小型飛空艇3艘(魔動回路は軍用)を3つの魔動回路の重量増分のバランスを船首で取ると言う。
武器なんぞ積みたく無かったが重石として了解した。
大砲の前が開いてると寒いので扉が付くと言われた。
ミールさんと話してると下の方から呼ばれた。
「御子様ー!」
「なんですー?」船の上から下に話しかける。
「お見えになったら商会に案内するようにと!」
「分かりましたー!」
・・・・
「バーツ会長、おはようございます」
「御子様、おはようございます」
「レプトさんはまだ行ってます?」
「早くて10月頃かも?」
「早くてそれ?本当に大変ですね(笑)」
「思う存分仕事して来るでしょうな(笑)」
「同盟品をワールス共和国に運んで頂けませんか?」
「いいですけど、もう場所は用意出来たんです?」
「引き渡しの日付は約束してないんですが、海の実権を握るのにあの鹵獲物を早急に同盟国に回さないとなりません。ワールスから同盟国へ積み出す港の置き場も聞いて実行指示書もあります、指示書の期限までには造船所と港の積荷置き場の受け入れ態勢を整えるとあるので、期限満了なら早く持って行こうかと思いまして。」
「あー!なるほど!置き場が空く期限になったんですね」
「そうなんですよ、そこからなんです(笑)造船所や積出し港のクレーンの範囲に置かないと手間も食いますので」
「そっか!商船も同盟国は大砲で武装化ね?」
「そういう事です」
「どれほど持って行きましょうか?」
「ワールスと二分配しますのでミランダ製大砲を全て。ミランダの交易船鹵獲物を全部。注意してください、ハーヴェスの交易船が持っていた鹵獲物は絶対ダメです」
「ミランダの鹵獲船はやっぱりダメです?」
「ダメですよ!ミランダが共和国にやられたと思われたら、ハーヴェスも共和国がやったと見られたらどうするんです(笑)」
「ワールスが犯人になっちゃいますね(笑)」
「恐ろしい(笑)」
「大砲や魔動回路と交易物資ならバレないですね(笑)」
少し改変してあるしな。見た目はミランダ製に似てるけど非なる物だ。
「砲弾も武器倉庫もミランダの分お願いします」
「わかりました」
・・・・
ワールス共和国の主要な港3カ所が指定場所だった。
造船所の巨大倉庫にミランダの大砲と大砲の弾251600発を1/3づつ入れていく。弾薬庫13棟と武器庫12棟も一緒に並べてきた。魔動帆船の積荷集積場が溢れる程の鹵獲物67万トンを各港に置けるだけ置いた。
残りのハーヴェスの鹵獲物資を海商国の主要な港に配る。
見知っている会長さんの空荷の魔動帆船には俺が直接積んでやる。三つの港の積荷置き場がワールス共和国同様に鹵獲品で埋まった。
預かっていた二国の鹵獲物資127万7,600トンを全部吐き出した。さすがにサントでも置くところが無かったのだ。鹵獲物資と簡単に言うが、
空き地に弾薬庫と武器庫も置いて行く。港湾守備用の大きな大砲も商船に積み替える大砲も魔導回路も置いて行く。
同盟国で二分したミランダとハーヴェス海上戦力と鹵獲品
・大砲18100門と台車(大中小の軍艦分と大砲工場分)
・大砲の鋳型各種。製法書類、砲弾製法
・鹵獲船83隻(80m級20、小・中武装軍船32、交易船31、)
・魔動回路3260個(船の物と倉庫の物)
・鹵獲物資127万7,600トン(両国交易船、植民地鹵獲物)
・鹵獲船の砲弾と砲弾工場弾薬庫大中小552,600発
・武器倉庫36(ラムール商会16)弾薬倉庫28
・海上肉弾戦闘用の武器、防具多数。
俺も建造してる魔導船二つに大砲積んでるので弾をもらってきた。使うつもり無くても弾が無いのはさすがに嫌だ(笑)
大大砲用100発、中大砲用500発。火薬袋も500袋貰って来た。飛空艇の場合真上に行って大の砲弾を重力で落とせばいい。海で大怪獣見つけたら落す!
・・・・
15時頃ハウスに帰って、ヨーグルトドリンクの
守備隊長の所で孤児院の鍵を受け取り、寄付箱を開けに行く。
「こんにちはー!」
誰もいなかったが、子供が2~3人覗きに来た。
「寄付箱開けるぞー!」言ってやる。
「アル様だ~!」テテテとシスターを呼びに行く。
「アル様来たー!」テテテと皆を呼びに行く。
皆が来たので先にヨーグルトドリンクを飲ませてやる。飲んでる間に敷物を敷いて鍵を開ける。銭箱を引きずり出して敷物に開けるとザザ―!と出る。
「うひゃ!すごい!新年てこんなにすごかったの?」
「多かったですよー(笑)」
既に子供達が賎貨をかき寄せて数え始めてる。そのまま寄付箱を仕舞ってカギを掛ける。
賎貨(10円)も多いが銅貨(100円)も多い。今年も又と視たらやっぱ従士が入れに来て、守備隊も入れている。あ!シスターと付き合いだしている!ここのシスターはいい嫁になるぞ。頑張れよ!
アルは将来に備えて領都のデートスポットを念入りに覚えた。が、果たして自分にその様な時が来るのか不安になった。
・・・・
そのまま王都に謁見に行って家族のいないお屋敷に来て、自分の家の窓を全解放。風の魔法で止まった空気を入れ替える。冷たい空気が家の中に染みて行く。
自分の部屋に行って読んでしまった軍事や魔法技術の本を書棚に入れて行く。返しに行ってまた借りてこようかと思ったが、もう二度と顔を出さない方が無難だと止めた。
屋敷に入ると何か雰囲気が違う。
危機感知のアレだ。空気が張り詰める感じがするのだ。
屋敷の人間を視て行くと下痢をしている。
便に血が混じっている。視て潜って行く、検索する。
副執事長、副メイド長・・・9人体調が変と認識して昼にランザフ先生に見てもらってヒールは受けてるが内心怖がってる。
症状を検索した。
赤痢!え?症状7日間~9日間。潜伏1~3日。
アメーバ状経口感染。胃と腸の粘膜を侵して下血する。
手動で屋敷を覆うピューリファイを発動。
空気の雰囲気が変わった。念の為もう一回やっておく。多重視点に並列思考で罹患者検索で癒す。もう屋敷は大丈夫だ。
ロスレーンを見降ろす大山脈に跳ぶ。
今は領都に4万4千人程いるみたいだな。
手動で領都全域を覆うピューリファイ。多重視点と並列思考がLv10になってから苦も無く検索者にヒールを届けて行く。
どっから来たんだ?
最西端の街、ヘクトに跳んだ。
いる!感染者居る。治った人もいる。ヤバいぞ、うちの家族も
取り合えず浄化で街全体を包み込む。
罹患者に光のヒールを届ける。
それから王都まで家族を追っかけた。ピョンピョン跳んで行く。布教のお陰で慣れたもんだ。山から見下ろすのが面倒なので45人乗り飛空艇を出した。王都までの経路の街を浄化で包み込む。跳んで山から探すより、空から街を視認した方が早かった。
王都に向かえば向かうだけ赤痢の波は収まっていたが、井戸が汚染された街ごと包み込んで浄化とヒールをして行った。
丁度王都の中間地点で家族を捕まえた。
さすがに衛生状態の良い宿で食事を取っているので感染はしてなかった。一応街ごとピューリファイしておいた。
これから一行が王都まで通る街を順々に浄化で覆って行く。王都までやっていたら20時超えちゃって一旦ハウスに帰った。
「遅くなってごめん」
「どうしたの?遅かったわね」
「コルアーノで病気が発生してて直してた」
「どんな病気じゃ?」
「水や食べ物に毒が付いてて食べると下痢で血便が出る。健康な貴族なら1週間ぐらいで直る。貧民で健康状態が悪いと弱って死ぬ」
「汚い場所で出る病気かな?」
「あ!そうそう、分かる?」
「マキと思うが・・・」
イメージ視たら、まったくそれだった。
「沼や池や濁った雨水じゃの、エルフの村はその近くの家から出る。遊んで帰って井戸で洗って井戸が汚染される」
「ありがとう、夕飯食べたらここも浄化するからね」
「魔法で直るのか?」
「うん、聖教国の魔法で行ける」
「薬もあるからね?」
「今あるの?」
「明日の朝までに作る。今から大森林に行く!」
「ありがとう!」
夕飯食べて王都に跳んだ。
その時王都の宮廷魔術師が全員反応した。とんでもない魔力が王都を覆ったのだ。それは王都が大きいので手動で高空から同心円状に放ったアルのピューリファイだった。その後ヒールが王都を覆った。何人かの宮廷魔術師はヒールを見破った。
王都は一切検索に引っ掛からないから大丈夫だ。
ロスレーンから東を探索して行った。赤痢で汚染された街はギシレンで終わりだった。多分王都からの隊商が持ち込んだ感じと思う。
ギシレンからシレンに向かう隊商を追いかけて視る。
シレンはまだ感染していない。
多分、隊商が使った井戸で住民や領都に来た農民が野菜を洗ったとかそんな感じ?食材からは間違いないと思う。井戸で次々感染は怖すぎ。発病者が使ったトイレ、触った物でも次々感染していく。
ハウスに帰って報告した。
「王都からロスレーン領のギシレンで終わりだった。ヘルメラース領も途中の街までで終わってた」
「アル君が言うなら間違いないね」
「そんな事無いけど・・・」
「マキは怖いのよ。家族全員寝込んじゃう」
「うん、実家のメイドと執事が掛かってた」
「治した?」
「うん」
細菌学とか無いのにエルフが対抗策を知るとは驚いた。
ベッドに入って気が付いた。
俺の屋敷の窓開けっぱなし!
閉めに行った。
・・・・・
2月10日。
翌朝。丸薬を30個ほど作ってくれてあった。
視たらマキの丸薬:虫下しと出た。
エルフには細菌も虫下しも一緒だった。がクルムさんが見せてくれた薬師の調剤の本に書いてある効能を見て驚いた。胃と腸の粘膜を強化し以後の感染を防ぎ重症化を防ぐ。予防薬ではなく、完全な対症療法薬だった。
クランから帰って来るとクルムさんにお願いした。
「病気や死病の事教えてもらえませんか?」
「ちょっと待っててね」
古い本を7冊持って来た。
「これが祈祷師、錬金術師、薬師の本よ。皆初級だからね、この家で読んで他に持って行かないでね」
視ると病気の解説本にマキが載っていた。
「ありがとうございます。読むまで貸して下さい」
「分からない所は聞きに来てね」
「はい」
先生はありがたいな。
その日から寝る前に読んで覚えて行く。一回見たら忘れない、書くのだけは訓練しないと下手な字になるだけだ(笑)
朝まで薬を作ってくれたクルムさんは俺が朝食を食べるのを見て寝た。アルムさんは3時頃までクルムさんと大森林で薬草取っていたのでもう寝てる。
・・・・
2月13日。
今日の朝、60人分あった砂の砂黒板が教室で足りなくなった。
とりあえず、予備に作ってあった140以上も余る砂黒板を出して、初日の決まりでざら紙に名前を書いてやり黒板持たせて外に座らせて練習させておく。
毎日1~2人ずつ文字を覚えに来る奴らが増えて60人を超えたのだ。それでも40人用に作った教室に今60人だ(笑)
俺一人が先生の教室的には60人が限界だ、前の黒板だって見えなくなる。小学校、中学校位の教室に長机で3人座らせての60人はパンパンだ。元々2人用の長机と縁台の様な椅子を大きめに作っていたから座れるだけだ。
月曜日の朝にはクラン加入希望も毎週1PT~2PTは来ている。文盲率的にメンバーの相当数は読み書き出来ない筈だ。
江戸時代と一緒だ、立て札あっても読めないので誰かが読んで聞かせてくれるのを待って立て札の前に集まる。この世も一緒だ、どこどこの村前の橋を何日から補修すると言う通達の前に人が沢山集る。10秒で読めるお触れの通達でさえそうなのだ。見慣れない字は皆読めない。
冒険者は依頼票に何が書いてあるかの見慣れた単語は大体知っていて、名前が書ける程度で十分と思っている。冒険者の仕事が困らなければ良いという考え。依頼票もPTの誰かに任せてしまっているのが現状だ。
「先生先生」と呟きながらギルドに人材を探しに歩く、しかし冒険者を読み書きの先生にしたくない。朝だけ片手間のアルバイトしてくれるのが良いけど、採用の基準は何だ?朝の6時から喜んで教えに来る人の条件を考えた。朝に教えに来るのが辛いなら住ませるとかでもいい。
生活に不安・病気・読み書き可能・子供好き。ファジー検索すると飴屋の老夫婦ゼス(67歳)とヘーゼ(56歳)と孫のイース(5歳)の3人家族に行きあった。この夫婦は二人とも商家の出身で私塾で高い教育を受けている。
不安な事は飴屋の末娘の子供だ。小さすぎて預けられたまま末娘の商人夫婦は三年帰って来ていない。
飴屋に声を掛けた。露店の飴細工の元を作っている飴屋だ。一日20kg程、熱気モウモウの中、色々な飴の元となる水あめを作る。原料はとうもろこしから作る
伯爵家の威光で飴屋をクランの教室に拉致して読み書き教室を説明する。悪い様にしないと、お爺さんの腰に全力の光魔法のヒールをお見舞いしてヘルニア気味の腰骨を治しておく。体が悪くなったら、僕が治すから安心だよ。と笑う。
老夫婦と5歳の孫一人を連れて家の丸ごとクランに移る。水飴工場に家が付いていて普通の家で代替出来なかった。
更地に移転通知と売り地の石板の看板を立てておく、用があるならクラン雷鳴(北東街:元第二演習場)までと入れておいた。
家の調度品、大きな釜や寸胴などの道具をインベントリに入れて工場と家ごとクリーンを掛ける。寮には今日休んでる冒険者がいるので、アルバイトさせてやろうとツノうさぎ(50cmで8kg程)をツノ付き一匹ずつの報酬で直接依頼。12歳から14歳のヤングな冒険者が30人程集まって小さな飴工場と家から粉を追い出して綺麗にしてくれた。休みにツノうさぎ受け取って大喜びで
終わったら家に風を一回吹かせて調度品と飴の道具を家に並べて行く。経年劣化の色褪せは仕方ないが綺麗な家になった。不具合を大工のクラムさんに見てもらおう。
生活は今まで通り飴屋を続けてもらう。朝だけ先生だ。そのかわり家族の健康の面倒と孫の将来の仕事は伯爵家が保証する。朝の1時間を夫婦で読み書き教えて、2人で棒給銀貨12枚(12万円)
アルは伯爵家の指輪を見せた。孫のイースが12歳からクランで働くなら伯爵家のメイドと同じく嫁に行く時には恩給として白金貨を渡すと。嫁に行ってもクランで働くなら教官と同じく奥に並ぶ家を与えると老夫婦に約束した。安心して嫁に行くまで一緒に暮らして行けばいい。
教室を立てて行く、40人用を二つだ。これで俺が今教えている教室と予備の教室が3つになった。20人ずつに割り振れば過密状態は脱する。魔法ランプが無いので魔道具屋を回って不揃いで40個買ってきた。冒険者の野営用は何処にでも引っ掛けられるから便利だ。
海商国の砂浜で2教室分の机や椅子や黒板の足など作っていたら散歩のお爺さんが立ち止まって土手に座って見ている。
「小僧、見事だの!」
「あ!はぁ」
「何を焦っておる?」
「え?」
「焦った上に悲しげじゃ」
「え?あ!何で?」
「急いで作らぬと親に怒られるのか?」
「いえ・・・」
「ほれ、浮かぬ顔をする。何を考えておる」
「なんか・・・何やってるんだろうと思って」
「机や椅子をつくっておるな」
「そうなんですが・・・」
仔細をお爺さんに話した。
お爺さんが笑う。
「良かれと思って始めて、浮かれたんじゃの(笑)」
ズバリそうだった。
「それはの、楽しい趣味が仕事に変わったの」
ハッと気が付いた。
「そんな見事な魔法を使うのじゃ、生まれは良いのであろう。家の力を振るうのは楽じゃの。簡単に振るえるのじゃ、楽しかろう。読み書きの教室を作るとは趣味としては良い趣味じゃ」
「・・・」
「しかし覚悟が足らんな。浮かぬ顔をしながらも仕事をしておるならまぁ見所はある。お主ならそのうち解る。お主の様に恵まれておる者は少ない。朝、主人の顔を見るのも辛い使用人もおるのじゃ。毎日凍えた手を温めながら辛い思いを呑み込んで仕事するのが普通じゃ。お主はやっと仕事が分かったのじゃ、自分勝手に好きな事だけして過ごす子供の時代では無くなったのじゃ。見かけは子供じゃが大人になったの?その責任の重さに気が付いて戸惑っておるだけじゃ。ほれ、手が止まっておる、手を遊ばせず仕事せい!」
怒られた。でも解った。
俺は遊んでいた。
始めた遊びに人が集まってきたら、何で俺が・・・と最初は遊びのルールまで丁寧に教えていた筈なのに。時間を取られるのを理不尽に思ってしまっていた。
面倒見るのは当然だ。お前は言った、クランは家族だと。クランが家族なら家長は俺だ。俺が作った家族なんだ!
親が働くのは当然だ。何を考えてんだ俺は。本当にバカだ。冒険者クラブ作って楽しんでいた趣味は終わりだ。ウキウキ自己満足の趣味は終わった、今終わったんだ。
倍のスピードで作り始めた俺を見てお爺さんは歩いて行った。
アルは今日。お爺さんと会う為の日だったと思った。
アルは13歳にして本物の親になった。
宗彦と令子の子は放任主義で育てられた野生児だ。
興味のある事に一直線だった協調性のある一匹狼。
そんな奴が気付いた。
あいつらは俺が育てる。
それは野生の動物が子に狩りを
次回 182話 覇権国の冬
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この物語を読みに来てくれてありがとうございます。
読者様にお願い致します。
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ポチをしてくれる事。それはとても励みになるのです。
一期一会に感謝をこめて。よろしくお願い致します。
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