第150話 託される者
旅行から3日。
海神商会のレプトさんとハムナイ国に行った。
国軍との武器の受け渡しが済み、先日ハムナイ国執政官に出納書類を提出した。一週間後の今日はラムール商会に代金決済日を聞く約束のためだ。
ラムール商会の事務所に行くと会長が用が有るとの伝言で屋敷を訪ねた。
今日は長男の副会長も顔を見せてくれた。
「御子どの、先日はお手数を掛けた」
「いえいえ、引き取って頂いただけで嬉しかったので」
「タクサルに事の次第も聞いた」
「あー!色々ありましたからね(笑)」
「国王からもお褒めを頂けた、感謝する」
「いえ、感謝するのは私です」
「ふむ・・・」目をしばたたかせ頷いてくれた。
「御子様は商人という商売を知っておるかな?」
「商品を流通して、民をより良い暮らしにする?」
「その通りじゃな、流通して富を得るのが商人じゃ」
「はい」
「商人は盗賊も恐れず一生を賭けて荷を受け渡す。商人が行う世に対する貢献とはな、儲けると共に経験を積み良い商人を育て社会に送り出す事が使命じゃ、次代の商人が生まれればその時代の民も生き易くなる」
「はぁ」勧誘かと警戒する。
「育った商人には理念がある」
「そうでしょうね」
信用と実績はそれ無いと付かないわ。
「商人はその富で何をするか知っておるかの?」
「また商売を大きくするとか?」
「大きくなった末にどうなるかな?」
「・・・もっと儲かる?」
「限りが無いじゃろ?儲けるばかりでは(笑)」
「はぁ、まぁ持って行けないですしね」
「そうじゃ(笑) 何故儲ける?」
「えー?欲深い訳じゃ無いですよね?(笑)」
「よく言われるわ(笑)」
「商人はな、武術も無い、魔法も無い、地位も無い。己の商才だけじゃ。その代わり富が有る。理念ある商才には富が有る」
ん?
「商人は富で世を作る」
「え?作るんです?」
「儂らが作るのではない、世界の息吹が作る」
「世界の息吹き?」
「そうじゃ、生まれ
「?」
「そんな絵本を見た事があろう?」
「はぁ、絵本は見た事ありますが・・・」
「御子どの、そなたは間違い無く世界の息吹じゃ」
「え!」
「商人はな、息吹に未来を託すために富を得るのだ」
「・・・?」
「見定めた者への投資じゃよ(笑)」
「・・・」
「この国はどこの鍛冶屋も武器を作っておるがあの数を揃えるのは無理だった。そんな折に宗教国の御子が武器を持ってやってきた。良く見せてもらったぞ宗教国の御子よ」
「?」
「御子に託す。息吹に投資するのじゃ」
「え?」
「これを受け取ってくれ」
15cm×15cm×5cmの箱をくれた。開けてみると見慣れた乳白のコイン20枚×2列だった。500円硬貨程で分厚い30mm×5mmのオリハルコンのコインだった。
「え!」レプトさんとタクサルさんが驚く。
「御子様は初めてみるかな?」
「はい」
「それは、世界に1000枚しかないコインじゃ。存在が大き過ぎて世界の豪商しか扱えぬ」
「御子様、1枚で80m級魔動帆船5隻買えます」
「え?宝石じゃないと困ります!武器は宗教国の財産です」
「分かっておる。取引は取引だ、契約分はレプトに渡す。それは儂が商人を続けて得た物だ、託す息吹とやっと出会えた」
「困ります、困ります!」箱を置いた。
「いや、本当に困った時はそこのレプトのいるバーツ海神商会のバーツに持って行け、それは金では無い。信用なのじゃ」
箱を掴んで渡される。
副会長の長男に渡そうとしても首を振られる。
「さっき帆船が買えるって言ったじゃないですか」
「ふむ、その1枚の信用で作って貰えるじゃろうな」
「え?」
「それはな、金を知りつくした商人のみが持つ物よ、金では無い。金で買えないコインじゃ。買えない物じゃ」
「御子様、そのコイン1枚コルアーノ白金貨にしておよそ7千枚となります」レプトさん凄い!さすが算術Lv7!
コルアーノ大金貨で7万枚(1400億円)それが40枚。
5兆6千億円。日本の国家予算が100兆円か、コルアーノ換算1/40なら2兆5千憶円、コルアーノ王国300万人の税収と考えたらいいのか?こっちの税が高すぎるから単純比較できない。
算術Lv4になった。
「ははは、白金貨7千枚用意出来る者がおるならの(笑)」
「!」それを聞いてアルは戦慄した。
その本質を語ったからだ、白金貨7千枚は作れるかも知れない。しかしその白金貨は現物の物に交換できる担保としての貨幣である。
この世は実質貨幣経済だから担保する物は金である。金貨に交換できない貨幣は何も意味が無いのだ。
コルアーノ王国で発行される白金貨1枚(2000万円)は国に交換してくれと言えば大金貨10枚(200万円×10)に交換される。そのルールがあるからコルアーノ白金貨1枚の価値は担保される。
コルアーノの
コルアーノが発行した場合、このコインを1枚担保するには重量3.6トンの7万枚の大金貨が要る。
コルアーノだけの話ではない。
全ての国は鉄貨・銅貨・銀貨・白金貨の額面を勝手に決められる。例を挙げれば、鉄貨は銀貨の1/100 銀貨は金貨の1/10 金貨は1 白金貨は金貨1000倍と決めたなら、必ず鉄貨を1000枚で金貨1枚に交換しないとならない。白金貨1枚を金貨1000枚に交換しないといけない。
その上で金貨に含まれる含有量の%で金貨の価値が世界で通用する目安となる。実質貨幣経済はそういう物だ。
恐ろしい事を知った。
担保出来ているのだ、バーツさんに持ち込めと言った。国でさえ傾く様なコインを豪商は担保出来ているのだ。世の豪商はそのコインで買える物を持っているのだ。
「まぁ、そういうものじゃ。世の豪商以外誰も扱えぬ」
「でも!」
「1000枚のコインが豪商の中で信用として回るものじゃ」
「でも、ラムール商会が困るじゃないですか」
「そんなものは何も困らん、普通の取引で出る物では無い。儂が商人として生きて来た証じゃ。それを持つと言うのは御子様を世界の息吹として儂が認めた証じゃ、そのコインを使って思う事をすればよい」
「私はラムール会長に一回しか会っておりません」
「イヤ、二回会っておる。最初と受け渡しの時じゃ(笑)」
「(笑)」
「2回会えば充分じゃ!」
「イヤイヤイヤイヤ、二回目一言しか喋ってないです(笑)」
「話が違う!一回と言われたので二回と言ったまで」
「(笑)」
「御子様。良いのじゃ(笑)」
「武器商人を舐めて貰っては困りますぞ、海神商会のバーツの5倍は見る眼がありますからな(笑)」
「な!」主人をディスられて驚くレプトさん。
「レプト、待て!そう怒るな。そういう意味では無い。人を殺し尽くそうとする者から殺されずに代金を受け取る経験を持つ商人と言う意味じゃ。武器商人ほど物騒な連中を相手にする商人はおらん」
ラムール会長は高らかに笑った。
帰る時に手を握られて言われてしまった。
「未来に投資しましたぞ、息吹の御子よ!」
視てしまったのだ。
自分の売った武器でどれ程の人が死んで行くのかを。どれ程の人が助かって来たのかを。あっちの世界でも武器の価格は凄かった。南の中央大陸を股に掛ける武器商人、ハムナイ国のラムール商会。北の中央大陸サント海商国一番のバーツ海神商会を同格に見る商人。
それをあっちの世界に持って行けぬことを知る商人。
知った上で儲け、富を蓄え未来に繋ぐ利道の本質。
商人の見るを極めてると思った。
一回会った宗教国の御子に託すとは恐れ入った。
武器を持って宗教国の御子が最前線に行くのは不味かったか。イヤ。すべて含めて値踏みされたんだろうな。本物は見抜くのか?
宗教国の御子に会ったのを天啓と思っていた。
道理など考えて無かった、己が見たものをそのまま感じていた。託すのは俺しかいないと信念で感じていた。
俺はコインを託す未来だと言われた。
見破ってるよ。それは極めた眼だよ間違いない。
宗教国の御子は隠れ蓑に丁度良いんだよ(笑)
宗教国じゃねぇ。
神々の御子だ。
恐れ入りました。ペコリ。
・・・・
放心状態で4人で事務所に跳んだ。
出されたヨーグルトドリンクを冷やして飲んだ。
それぞれが見た。
「あんな商人になりてぇなぁ!」タクサルさん。
「自分の小ささを思い知ったぜ(笑)」レプトさん。
俺は利道を極めた人の行きつく先を視た。
一名は冷えたヨーグルトドリンクしか見て無かった。
「昼は美味いもん食いに行くか!」
事務所に居た3人が一斉に席を立った(笑)
7人で海鮮レストランみたいな豪華な店に行った。
「これ美味しい!」さすが南方!ニンニク効いた料理満載。アヒージョだ!鳥肉のソテーもニンニクとオリーブオイルに塩コショウで皮パリパリ、そして色んな海鮮カルパッチョだ!
玉ネギまで発見してしまった。ニンニクにオリーブオイルと塩コショウが絶妙過ぎて泣ける。
「こんなに綺麗で美味しいの!」
「だろ?ここで文句言われちゃ連れて行く所がねぇ」
「ホント美味い料理ばっかだな!」
「海鮮が凄く美味しいよ!」
「海の取れたてだからな」
「うちの国だって取れたてなんだが(笑)」
「この油とニンニクがミソなんですよね?」
「おー!御子様分かってるなぁ!」
「すみませーん!これお代わり」
「アルムもー!」
「仕事関係でお代わりされるの見た事ねぇ!(笑)」
「タクサルさんにも投資してもらわないと!」
「お前ぇー!本当に御子様なんだろうな?(笑)」
「うん!御子様御子様!(笑)」
「すげぇ御子様だぜ(笑)」
ALLで頷く。
「俺は宗教なんて柄じゃねぇが御子様見てたら宗教も良いなと思っちまう」
「思わなくて良いですよ、私も神に祈った事無いし」
ALL「・・・」レプトさんまでガン見だ(笑)
「・・・お前ホントに御子様か?」
「うん、御子様御子様!」
「だから言っておきますね」
「ん?」
「神に祈っちゃダメです。神に感謝する事です」
ALL「・・・」
「美味しい物が食べられて神に感謝しましょう」
「おまえ!俺に感謝しろ!(笑)」
約一ヶ月後に代金をレプトさんが受け取る事になった。
・・・・
レプトさんと帰ってきた。
「御子様、俺も考えたんだがな」
「何です?」
「今回の輸送費はうちも要らないわ」
「え?」
「タクサルは会長の言うとおりに俺に払ってくれる。しかしな、ハイそうですかとは俺も受け取れなくなっちまった。最初の話の通り武器の値段だけでいい」
「え?」
「ラムール会長が武器と輸送代をハムナイ国から取って来てくれた。莫大な輸送料だ。ラムール商会もそれほど儲かったんだ。だからってうちの商会も輸送料で儲けさせて貰うのも変だ」
「はい?」
「輸送料分はうちから御子様に投資させてもらう」
「あはは!気にしなくて良いですよ。そんなの」
「皆さんが使ってこそ世に回って民が潤うのです」
「いや、最初の契約通り武器代を物資に変えて神聖国に送らせてもらう」
「えー!」
「契約は守ろうぜ(笑)」
「契約って・・・」
「海神商会と神聖国の契約だ、お互いにそうなってる」
「契約書作って無いですよ(笑)」
「御子様が口にしたら契約なんだよ(笑)」
「・・・」
「たとえ口約束でもな」
「(笑)」
「わかりました」
「バーツ会長には俺から言っておくから(笑)」
「勝手にそんな事決めてー(笑)」
「いいんだよ、そんじゃ1か月後位に来てくれ」
「はい」
・・・・
13時半
「中途半端な時間になっちゃったねぇ」
「なんかして遊ぶ?」
「なんでそこで遊ぶの!」
「お婆々のとこ行こうか?」
「え?」
「お婆々が穢れの事教えてくれたんでしょ?」
「うん」
「一緒に行く?」
「うん、行く」この人行くしか言った事ねぇな。
お婆々の住むムストリウ王国のエルフ森に跳んだ。
明るい所で見ると鬱蒼とした大森林だ、木がでかすぎて引くわ。あっちのご神木が10本纏まっても子供だ。
原始人が住むにふさわしい(笑)
少し歩いただけで色々な所から隠れ見られてる。
大きな木の向こうに第一村人発見!
「アルムー!どうしたー?」足を止めた村人が叫ぶ。
「お婆々に会いに来たー!」
「そうかー」
と言うか、それを聞いたら行ってしまった(笑)
昔話とか、久しぶりだねーとかねぇのか!
警戒色の視線がフッと無くなった。
「話とかしなくていいの?」
「いいのいいの(笑)」
「最近帰って来たの?」
「ククル放しに来たじゃない」
「あれ来たって言わないでしょ(笑)」
「うん。えーと60年ぶりかな?」
「それってもしかして3人目の子供の時?」
「そうだよ」
「60年?」頭おかしいのか。
「そうよ、コルアーノからここまで国5つあるわよ」
「・・・」春画の国だな(笑)
「ククル呼んだら来る?」
「明るいから寝てるわよ」
「あ!そうか、でもこないだ起きてたよ?」
「名前無かったから無理に起きて来ただけよ」
「・・・」やっぱ名前って大事なのね。
「こっちだよー」
段々と広場と言うか森が開けた感じになってきたら家があった。バンガロー村だ。超巨大なログハウスが出来ている。丸太を組み合わせるログハウスではない。
丸太一本で出来たログハウスだ。
倒れた直径20m程の木が、中をくり抜かれた5Fの集合住宅になってる。160mという途方もない長屋だ。白アリか!
5Fの家がずらーっと一本の木に出来ている。根っこが踏ん張り転がらない、先の方へ行くと先細りで3Fになってる(笑)
ログハウスだけじゃなくて、木という木にツリーハウスが出来て、網の目の様にツタで出来たようなつり橋が掛かっている。
あっちのセコイアより大きいんだぞ。
セコイアだって直径10m×100m程有るのに、それの倍はある。直径20m×200mだな。木の洞だけで8m程の大穴だ。2Kのアパートより広いじゃねーか。
色々検索したら、やっぱ植生的にあっちの木と似てる。バオバブ、セコイア、あ!あっちみたいに切り倒されてないからそのまま残ってる?樹齢8000年とか。
いいな。折れた切り株をくり抜いた家が欲しくなった。俺はスローライフとは程遠い生活してるけど憧れるな。折れた切り株の家も5Fだぞ!5Fでも根っこで末広がりだから横幅の方が広い(笑)
「アルムさん?あんな切り株の空き家って無いの?欲しくなっちゃった」屋敷リフォームしてるのに。
「なかなか無いわね、木が折れないと作れないから」
「だよねぇ・・・」あんなのどうやったら折れるんだ。
「この村でも2軒ぐらいかも?」
「2軒分折れたんだ(笑)」
「折れると言うか、普通は根っこごと倒れるからね」
「あー、うん。倒れてるのは多いよね」
「将棋倒しになった木が多いと折れる時があるのよ」
「この木が将棋倒し・・・自然は凄いね・・・」
「あ!あの倒れてる木って邪魔じゃない?」
「ん?邪魔かもね」
「もらえないかな?」
「もらってどうすんのよ?(笑)」
「木の家を作ってみたい」
「大きすぎるでしょ!」
「輪切りにして、あの切り株の家みたいにしたい」
「アル君が気に入ってくれたのは嬉しい(笑)」
「お婆々の家についたわよ」
お婆々の家は生きてる木の洞にあった。
高い所に窓が有るから3Fか4Fはあるな。
ノックも何もせず勝手に入っていく。
ホビットの家の人間版だわ(笑)
「お婆々ー!アルムだよ!」
「お婆々ー!」
「上がってこーい!」
お婆々という響きから何か変な物を作ってるかと思ったらパンを捏ねて手が小麦粉まみれだった。
全然お婆々じゃ無かった。
普通の綺麗な女の人だった・・・
これをお婆々と言う神経を疑う。
「アルムか、久しぶりじゃの」
「うん、久しぶり!」
「人の子を連れておるの?」
言葉がお婆々だった。60年が久しぶりだった。
普通は今生の別れじゃねぇか!バシ!
「アル君だよ、御子様だよ」
「ん?」
良く見られた、何かあるのか?
「今日は何じゃ?」特に何もなかった。
「穢れの話が聞きたいんだって」
「パンが不味くなるわ!いい加減にせよ!」
「えー!」
「精霊が逃げたわ!バカが!」
一部分、的確な表現で納得した。
(逃げてったの?)
(逃げて行きました)
((笑))
(言葉で逃げるの?)
(その言葉の不浄、思い出す気持ち悪さですかね)
(あー!ありそう)
「お婆々が聞いたんじゃない!」
「そりゃ聞くわ!」
「家に顔を見せたのか?」
「まだよ」
「見せて来んか!」<「えー!」
麺棒みたいなのを振り上げるお婆々(笑)
「わかった、わかった!」逃げて行くアルムさん。
「パンが出来るまで待っておれ」
「はい」
待ってる間に精霊の気配は察知できるかな?と色々やってみた。精霊魔法を発動直前で精霊を集めて見たり。散らしたり繰り返してたら言われた。
「何をやっておる(笑)」
「さっき精霊が逃げたって言ったので、僕も分かるかなと思って集めてました」
「あはは!それでか!」
「何かありました?」
「魔力を貰えると思って大喜びで集まって来たのにもらえずに精霊が帰っていくでの(笑)」
「しょぼんとしてました?」
「しょぼんとせんが、騙されたと思ったやもな」
「えー!」
慌ててライトを暗めに大きく作った。
光の精霊に嫌われたくない。
「わっぱよ。お主精霊に好かれとるな」
「甘い匂いがすると言われましたけど(笑)」
「ほう。そうかもな」
お婆々はパン生地を壺に入れて蓋をすると窓辺に置いた。
「上に行こうかの?」
階段上って3Fに行った。
なんか色々原始人グッズがある。いくつか分かる俺も同類だ。
「穢れを見たのか?」
「はい、死体を操る呪術師が居て、アルムさんが穢れだと言ったので」
「ほう、まだそんな
「珍しいです?」
「珍しいの、穢れを操るので滅んだと思っておった」
「この大陸では無いので、そうかもです」
「ん?中央大陸では無いのか?」
「南にある中央大陸です」
「え?」そうなるわな。
「中央大陸は一杯あるみたいなんです」
「・・・」
「ここは北の中央大陸だそうです」
「北では中央では無いの・・・」
「そうなんです!(笑)」
「船乗りの商人さんの地図を見せて貰ったら色んな中央大陸があって、それぞれが地図を作ってるんですけど、全部その国が中央にある地図なんです(笑)」
「・・・」
「自分の国がみんな中心と思ってるから中央大陸が一杯になってるみたいです」
「ありがちじゃ!まさにありそうじゃ!(笑)」
「私が見たのは南の中央大陸の戦争で死体を3000人操って攻撃させてました」
「なんとまぁ!」
「あれは壊れた魂を死体に入れるから、中身が無いスカスカの魂かと思います。何かお婆々が知らないかな?って思って」
「穢れの魂の中身がスカスカか、言い得て妙じゃの。死んで召されることの無い
「!」たしかに虚無なら召されないと言えるよな。
「それと儂はお婆々ではない。クルムじゃ」
「あ!済みません、僕はアルです」
「アルムさんのお婆ちゃんです?」
なんか魂の骨の枝が似てる(笑)
「名前が似とるからな。ちがうわ!」
「・・・」ノリツッコミなのだろうか?
「古く死んだ者の名前を生まれた者が引き継ぐのじゃ」
「あ!その人を守ってくれますよね?」
「!」
「何故それを知っておる?人の子じゃろ?」
「私はまだ未熟で見えてないんですが、そのうち見えるようになると神様が言ってたんです」
「嘘では無さそうじゃの」
「守ってくれてますよ。と言うか、その人の人生を導くようにしてくれる感じですかね?」
「お主、世界樹の御子に会ってみるか?」
「え?」
次回 151話 VSハイランダー
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この物語を読みに来てくれてありがとうございます。
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一期一会に感謝をこめて。よろしくお願い致します。
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