第146話  死兵襲来



武器の納品に行った国軍中央陣地と呼ばれる基地、間の悪い事にゾンビ300体の襲撃を受けている。



ゾンビを視た。元より魂が真っ黒の底無しだ。


イメージが何もない!自我が無い。


何だコレ?珍百景だ!


的にあり得ない。



魂もあるけど、色も有るけど・・・中身が無い。

ゾンビの実体の叫びと破壊だけだ。


走りながらアルムさんが言う。


「穢れは死んでるから!アルムの戦い方見て覚えて」

「はい!」


20m程接敵したらアルムさんの声を目掛けて殺到して来る。走っては来ないが早歩きで来る。


「見てなよ!足から攻撃が基本だよ!」


見ながらアルムさんにプロテクト(神聖物理防御)掛けておく。


アルムさんがミスリル剣を出すと魔力を纏う。そのままゾンビの足を斬り飛ばして転倒させ頭を落として行く。


転倒させて頭を落とすと。


意味を視る。

防具着て動いてる敵の頭を一撃で落すのは難しいから、と俺にお手本を見せてくれている。アルムさん自身は導師の護衛やる人だ、身体強化で練った魔力を剣に纏うし頭も正確に落とせる。


商売に来てゾンビと戦うのは話が違うけど、目的から外れて脱線するのも慣れたわ。俺って脱線ばっかだ(笑)


「こんな感じー。転ばさないとダメだよ」

「はい!」と俺もすでに色々試している。


麻痺、睡眠、毒、衝撃。睨みによる麻痺も弱体魔法も全滅。

マジ何も効かない。


ファイヤボールは火を纏って暴れ回る。

ブリザードで凍らせると足止めだけでダメ。

アースウォールも伝って避けて来る。


守衛がやられてゾンビに踏まれてる。


ピュア!効きまくる!倒れてピクリともしない。

やっぱ穢れ(ゾンビ?)には聖魔法だわ!


イヤ、確かめないと。


今度は精霊剣出して聖魔法の回復を念じて抜く。なんかヘロヘロの青だ。頼りなくて斬れそうにない。


(違う属性精霊が集まって戸惑ってます)

(違う属性は協力しないの?(笑))

(してましたよ。慣れたら大丈夫かも?)

(やっぱ聖魔法は属性魔法じゃないのかもね)

(人が作った呼び方です)

(教会が属性魔法と一緒にするなって怒るのは理由があったのかなって思ってさぁ)

(来ますよ、左・左後ろ・右)

(まぁいいや、そんじゃ光から)


ライトセーバーで斬ってみる。

光効くな!一瞬で止まる。

あ!光回復のライトセーバーで斬ってみる

効果同じだった。ちくしょう!損した!


ウオーターセーバーで斬ると普通の剣と一緒。

水回復セーバーで斬ると霧を撒き散らしながら斬れなかった(笑)

属性は光以外は全部だめだ。

聖魔法の代用が光だもんな、そりゃそうだ。


大体分かった、勉強は充分だ。攻撃魔法で片付ける。

他の人も倒しやすい様にゾンビの武器武具奪ったった。


クリーン掛けてタクサルさん行き決定!


指から発射のピュアで一体だけ殺ってるのもめんどくさいので、転がって地面でバタバタしてるのまで全部ターゲット。多重視点と並列思考、眼と聖魔法で両手の指からピュアのホーミングミサイル。


気分はマイクロミサイルVF-1


カーブ、シュート、ストレートのピュアを撃ちながら歩いて掃討して行く。



俺はだいぶ目立ったんだな・・・


基地外からの視線に麻痺。(※その基地外ではない)


基地外の10人麻痺させたら200体超える全てのゾンビが俺に向かってきた。


これ精神誘導か!


半分のゾンビをアルムさんが受け持ってくれる。


訳分らんから基地外から持ってる恩寵を根こそぎ取ったらゾンビはくず折れて動かなくなった。



違う門からの鐘も響いてきた。

違う門を検索して多重視点。

うぉー!来てる来てる3000体ぐらい来てる。


マジか!こっちの300が陽動なのかよ。


レプトさんに近寄り皆を中心に大きなピューリファイを張った。(神聖浄化シールド)

「ここから出なければ襲われません」



他にはいないのか?と基地外を広域で検索。

ゾンビ持ってまだ待機してやがる!クソが。


基地の周辺で20人が逃走用に放つゾンビ300体を従わせて潜んでた。全員呪術Lv5~6の恩寵、反魂魔法陣っての使ってる。これだな?呪術士ってのは。


20人全員麻痺から呪術恩寵をピンポイントに取り上げSPゲット。ビンゴ!取った瞬間300体のゾンビが死体に戻った。


折角なのでビンゴの残りの景品も取る。

お土産も欲しいのでゾンビの武器防具を奪う。


アルが通った後はぺんぺん草も生えない。


500m程先でゾンビ3000対兵士が入り混じってる。


俺は取り合えず麻痺してる奴らを視まくった。

軍属の魔術士だな。呪術士の部族ごと領主軍に入ってる。


死体に魔法陣を描いて魔素で魂を定着。魔法陣刻んだ者の魔力に反応するリモコン死体。完全コントロールは出来ない。何々を襲う目標命令なら20~30人、方向指定で歩かせるなら一人で200人以上を操る事が可能。生きてる者は無差別攻撃。


戦いで死んだ兵士に紋を刻んでゾンビにしてる。細菌とかの感染じゃ無い。戦ってる兵士も知ってる。剣持って身構えてたらゾンビに負けない。



ふと気が付くと、アルムさんもこんな大量な穢れを見て迎撃に出てきた守備隊員に聞いている。


たまに敵の呪術士が嫌がらせに来るらしい。



嫌がらせかよ!(笑)



俺は俺で珍しいので良く視てその反魂術を覚えた。


覚えたけど使えない。

多分輪廻の順番待ちの魂を無理やり現世の死体に入れるから暴れ回るんだと思う。これはやったらアカン奴だわ。


見ても悪意とかイメージないもん。

心の中が真っ黒で何もない、暴れるだけ。向かって行くだけ。

完全武装の敵兵に勝てる存在じゃない。戦闘力は低いけど数で圧し潰すタイプの敵だな。


ご苦労な事に前線のハムナイ兵士の死体を各自が30人程ゾンビにしてここまで連れて来てる。メインの3000人は死体が痛んでるからこの方向行けと行進させてる。



種がバレたら、呪術士たちが可哀そうになってきた。

上官の命令に逆らえないとは言え、ご苦労な事だ。



たまにやってるみたいなので、麻痺を解いてやった。

捕まったら殺される一択だったのだ。ここの国には恩義はあるがそこまで味方になる気は無かった。俺たち襲ったわけじゃ無いし、恩寵取ったから、もう戦争から離れるでしょ。



考え事してたたずむ俺を皆が見ていた。



あ!まだ3000人の方戦ってるわ!

ゾンビの武器防具を奪う。倒しやすくなるだろ。


3000人の方へ少し走って気が付いた。

あ!戦利品取っちゃダメじゃん! 今更返せないわ。


振り向いて叫ぶ。

「もう帰れますかー?」逃げるが勝ちだ!


タクサルさんが書類のカバンを上げて俺に見せた。

「跳ぶ準備してくださーい!」


皆が手を繋ぐ。


5秒2000mと念じ変身した。

ゾンビ軍団はピューリファイ(浄化)のイリュージョンに呑まれてすべて死体に変わった。まだ周りにゾンビ居てもみんな天に召されただろ。


法杖を持った変な格好で走り込んで皆と手を繋いで跳んだ。


事情が有って変身の奴直してもらえて無いんだよ。




ラムール商会に帰ると21時だった。


「御子様、あれは何だ!」

「穢れを払う法術ですね」シレッという。


「その恰好はなんだ!」

慌ててお着換えセットで全部着替える。


「教皇様の名代もやってましたので」

「・・・」そりゃ驚くわな(笑)


「教皇様って、御子様そんなに偉いのかよ!」

「偉く無いです。皆さんと同じですよ」

「え?」


「私は法術が商売です(笑)」

「ん?」


「豪商の番頭さんも偉い。皆さんと一緒です」

「あ、ああそうか(笑)」


矢継ぎ早の質問に答えてるとお茶が出てきた。

夕食も頼んでる。ゾンビ騒動で忘れてた。お腹ペコペコだ。ヨーグルトドリンクを冷やしてあげると皆が喜んだ。



タクサル「死兵なんて初めて見たぜ」

レプト「呪術士の話は聞くけどなぁ」

アル「あれ死兵って言うんです?」

タクサル「そうだよ、北じゃなんて言うんだ?」

アル「穢れって言うみたいです」アルムさんを見る。

アルム「闇の妄執に憑り付かれた者が穢れだよ」

ALL「へぇー!」


アルム「不老不死や蘇生術を研究する魔術士が穢れを生み出したり、自分が穢れになるって言うよ」


ALL「へぇー!」


アルム「分かんないわよ?お婆々ばばが言ってたの」


ALL:頷いている。



あ!創世の神々が言ってた。

執着や妄執が穢れだって!そう言う事?

生への執着、蘇生への妄執に憑り付かれて穢れを生み出す。


お婆々正解かも!その通りの筈だ。

確かに穢れだ、あの反魂やったら自分の魂も穢れる筈だ。


そりゃ創世神だってあの黒さで穢れたら位階も落ちるわ。


反魂てどこから持って来るんだ。輪廻で順番待ってる魂の感じじゃ無かったぞ。中が真っ黒で自我も何もなく虚無だよ。


あ!虚無!


あれ虚無の狭間の壊れた魂を呼んでる?

それなら分かる。あれが転生しても磨けないのが分かる。納得できる。お婆々に聞いたら分かるかな?


虚無にいたら俺が呼ばれたかも?と思ったらゾッとした。


考えてる間に、レプトさんとタクサルさんが書類を交わしている。見慣れた魔術証文だ、中の言葉は分んない。


俺この国じゃ文盲だわ、契約とか騙される(笑)


(アル様は相手が視えますよ)

(あ!そうだった(笑))

(読み書きとか無いよね?)

(ないです(笑))

(あれば汚い字が直るのに(笑))


(あ!ククルと話せるかも)

(ククルは元々分かるですよ)

(ククルの言う事が!)

(ククル言いますか?)

(あ!そうか(笑))


書類を片付けたテーブルに食事が並んだ。

岩塩に付けて食べる料理。


肉も野菜もみたいな料理。赤い芋の天ぷらもどきが甘すぎてホクホクのお菓子みたい。塩付けると余計に甘くて美味しい。


視るとツバキ系の植物の油で揚げている。コルアーノには無い油だ。まぁ、それだけだ、寝る時間過ぎてる。別にどうでもいい。



・・・・



9月18日の22時。サント海商国に跳んだ。


働き過ぎだよ!


レプトさんから今回のお礼を言われた。

代金受け渡しは1週間後に聞けば確定しているそうだ。


オンライン決済とか無いからな、普通は受け渡して何カ月後なんだと思う。


レプトさんに一週間後と約束して分かれた。


離れた空き地に置いた内覧の伯爵邸を仕舞いに近付くと人が飛び出してきた。商会長の使用人らしい。


「ルード会長は18時から会合のためお帰りになられました」


そりゃそうだ。こんな時間まで待っとれんわ。


「遅くまでお待たせして済みませんでした」



「明日の予定は如何でしょうか?」

「私ベニーが言い付かっておりますので何なりと」

「明日朝9時にもう一回お願いしていいですか?」

「9時にこちらでございますね」


「それでは、どちらがどちらの屋敷でしょうか?」

「スマフ様がこちらで、ルード様がこちらです」

「売却価格がこれで欲しい資材がこちらの書類です」

「承っております、教皇様にはよろしくお伝えください」


「これからのお付き合いよろしくお願いします」


「邸宅置く場所も会長から聞いてますよね?」

「準備出来ております」

「良ければ明日二軒共動かしますね」

「よろしくお願いいたします」

「それでは、また明日ー」



・・・・



23時。


クリーン掛けてもゾンビの粉が気になって風呂入った。寝ながら考えた・・・呪術士軍団を。


夜遅いからとか、皆がいるとか理由にならないよな。

全部俺の言い訳だ。


・・・うーん。


・・・決断した。



腕輪で一瞬!寝巻から戦闘装備に変えた。恩寵装備はそのまま付いてる。大丈夫だ、このまま向かう。


バッグは邪魔だ腕輪にしまう。


ドアが唐突に開いた。


アルムさんが裸足にパンシャツで剣持って来た。


「アル君?」

「え?」

「気配が変わったから、敵かと思った」


俺そんな気配察知できねぇよ!  orz


「・・・」気合いか?俺の気配だよな?


「その恰好は何?」

「アルムさん、今から穢れの戦場行くけど来る?」

「行く!着替えるから待ってて」



この人 !しか聞いたことが無い。



・・・・


二人でハムナイ国の敵国、アドワに跳んだ。


呪術士軍団の天幕の前。


「止まれ!」

すぐに気が付かれちゃった。(笑)まぁいいや。


「力が無くなったホムルたちはここか?」

「なぜそれを」

「そなたたちの窮状を救いに来た」

「子供が救える訳なかろう(笑)」


麻痺させた。そうしたらお返しが来た!


こいつら麻痺関係無しかよ、精神力すげぇ!

重力魔法だ。身体が重い!視させて貰った。大喜び!

来て良かった、実地研修だ!


身体強化全開で近付こうとすると尚も超重力(笑)


グググググ!笑うわ! 


こっちも重力をお見舞いした。

重力合戦だ。


視ると驚きまくっている。どんどん重くして行く。

相手がもう続けられなくなった。魔力切れだ。


こっちも麻痺と重力を切ってヒールで癒してやる。


「わかったか?長老の所へ」

「わかった、待っていてくれ」


「凄かったね、動くの重かったね」


アルムさんも危機より喜んでる。


「うん、グラビデだよね」

「え?」検索したら赤魔導士の魔法と出た(笑)


「あ!下に引っ張る力って事」

「そんな感じだったね」


「ちょっと着替えておくね」


カーニバルは深夜に迷惑なので、着替えセットを教皇装備に入れ直す。


「えい!」これでお着替えだけだ。


「アル君凄いね」

「うん、凄いよね。聖教国で作って貰った」

「あ!アルノール大司教だ」

「そうそう」


五人の人が迎えに来た。

アルの格好にビビっている。王様と思ってる。


「連れて行ってくれ」

「こちらへ・・・」


「これは!・・・夜分にこのなりで失礼します」

「いえ、不躾な訪問済みません」

「して、どこの王族の方ですかな?」

「神の使いで参りました」


「は?」


「あなたたち部族が領主に脅されている事を知ってます」


皆が殺気立つ


「今日、呪術恩寵を失った方はどうなりますか?」

「・・・」


「私が司令官に言って皆が帰れる様にしてあげます」


「え?」


「領に帰った後も領民より優遇される事を約束しましょう」


「そんな事、出来る訳ない!」

「条件がありますよ」

「何でしょうかな?」


「あなた方が使う、死兵の術。あれを使わないで頂きたい」


「それほど死兵が恐ろしいですかな?」

「あなた達が恐ろしい事になるからです」

「儂たちが?」

「あれの中に有るものが何か知ってますか?」

「知らぬ、荒ぶる魂を呼ぶだけじゃ」

「呼ぶ人もアレと同じになるのを知ってますか?」


「・・・」


「知ってるなら何故呼ぶのです」

「呼ばぬと・・・」

「だから使わなくて優遇されるならそっちの方がいいでしょ?」


「・・・」


「分かりましたね、神の言葉ですよ。族長のあなたが神に誓いなさい」


「我らの神はそんな事を言わん、授けて頂いた・・・」


勝手にルール作って、縛られてアホか。どうでもいいわ。


#「神は全部一緒なの!勝手に何人も作るな!」


「何を!」

#「誓うのか?死にたいのかどっちだ?」


皆が武器を俺に向ける。


「もういい。神に逆らうとこうなるよ」


戦闘恩寵を全部取った。


「武器上げた人、恩寵無くなったでしょ?」

「な!」


「お前たちは、ここの司令官に帰されて領主に土地を取り上げられ行く所が無くなる」


「神に縋るのか、断るのかどっちだ、死ぬのも生きるのも族長のお前次第だ」


「必ず助かる保証は?」


「知らんよ。もうお前もいいわ、勝手に流れろ」


「助けに来るんじゃなかった」


呪術士で検索して呪術の恩寵は全部取って封印した。


「もう呪術は何も使えないからね、死兵なんて物で食って行こうなんてするからだ。神の罰は下った」


「アルムさん行こう」

族長の天幕を出た。


「次は司令官の所ね」

「あれ、いいの?」

「いいよ(笑)」

「跳ぶよ」


跳んだ。

消えたアル達を見送った族長たちはくず折れた。


司令官宿舎の前で視界全てに麻痺をお見舞いした。


どさっ。 兵士がみんな一斉に倒れる。


司令官の寝所に一直線で向かう。

布団で麻痺してる司令官に隷属紋を刻む。


「ポロムスの民はよく戦った。報酬を渡して土地へ返せ」


陣地の外に出てアルムさんに手を出す。


手を繋いだ瞬間に陣地の麻痺解除。


今度は領主の執務室に跳ぶ。



寝室あっちか。さすがにそんなイメージ無いわ。


夫婦共に麻痺させた。

隷属紋を刻んで「ハムナイ国に攻めたポロムスの民が帰って来たら二度と戦争に連れて行くな。他の村より戦争に行った分だけ優遇しろ。帰って来たら食料を沢山渡してやれ」


領主を視たらまたややこしいのがいた。


「アルムさんまた変な仕事が出来ちゃった」

「いいよ、御子様も大変なんだねぇ」


「分かる?」

「分かるよ」


騎士団が駐留する演習場になってる昔の領主城。


城まで跳んで、守衛から警備から全員麻痺。古城の地下に関係ないのが3人囚われてる(笑)


「なんか捕まっちゃった人逃がすね」

「なにそれ(笑)」

「なんか捕まっちゃった人(笑)」

「なにそれ(笑)」


「捕まっちゃってるんだもん(笑)」

「捕まっちゃったのね」


眼のGPSがこっち150mみたいに出る。


深夜、油のランプが影を作り出して怖い。


牢まで行って・・・臭い!


「なにこれ?臭い!」

「ホント臭いね」


あれ?クリーンが出ない。


視たら魔術結界かよ。アホか!臭くなるだろうが!

精霊剣で斬って壁を結界石ごとインベントリに入れる。


臭いよー。 クリーン!


「ドシャー!」粉が落ちて来た。


あ!また。牢の中が粉まみれに。


粉を流そうと慌てて放水した。


「きゃー!」「ぎゃー!」「うわー!」


牢の中が阿鼻叫喚。


寝てるのに放水しちゃった・・・えーん。


「何やってるのよ!アル君!(笑)」

「粉を流そうと思っちゃった」えーん。

「よし!クリーン!」


鍵を開けようとしたら・・・


「これ認証紋じゃないや(笑)」


麻痺してる牢番が持ってた。


「助けに来たけど逃げたい人?」

「・・・」睨まれても。放水したら普通睨むよな(笑)


「葡萄ジュース飲む?」牢の中に置いた。


誰も機嫌を直さない・・・えーん。


「・・・」めんどくさい。だれも手を上げない。


折角来てやったのに、ムカツク!


「お前ら逃げたくないの?」俺が誘ってどうする(笑)

「俺は逃げたいぞ」


隣のが言う。視たらハムナイ国軍の司令官だった。


「俺も逃げたい!」「俺も逃がしてくれー」

周りがうるさい。


司令官は1年も捕まってた貴族の人だった。

人質交換用に生かされてたみたい。こっちの国の重要人物をいつまでも捕まえないから無駄に過ごして怒ってる(笑)


戦争当事者は助ける気は無かったが気が変わった。


「どこまで逃げたい?中央陣地か東の要塞なら知ってるよ」


「中央陣地で!」


「分かりました。ラムール商会の知り合いなのでまた何か使ってやってください」


「武器商人の所か!分かった。贔屓にさせてもらう」

「それでいいです、何か買ってあげてね(笑)」


鍵を開ける。クリーンを掛けてあげる。


「何か武器は無いか?」

「そこの牢番の剣を」


見ただけで向かった。


「こっちの牢の人は?戦争関係ないんでしょ?」


皆が頷く。


後ろの牢からも助けてくれという。


「アホ!お前らこの国の罪人じゃねーか!戦争関係無いだろ。脱獄じゃねーか(笑)」


牢の中でバレたか。と笑っている。


さぁ!と手を出すと女の子が最初に掴んだ。


「皆、出るわよ!」

女の子と従者二名が出てきた。


「そんじゃ手を繋いで」

「あ!こんな格好のままだった(笑)」

プリプリ怒って忘れてた。


「アル君!(笑)」頭が働いてないんだよ。

「怪しすぎるよね(笑)」


皆が繋いだので中央陣地に跳んだ。


皆がとんでもなく驚いている。


「それでは司令官、お元気で!」

「おぅ、武器屋!覚えておくぞ!」

笑って手を上げ官舎に入って行った。


「また行くよ?」

女の子の国へ跳んだ。


「もう摑まるんじゃないよ!」

手を振りながらハウスに跳んだ。


もう2時回った。

朝の鍛錬もう知らん、疲れた。


一瞬で着替えてそのままベッドに倒れ込んだ。





次回 147話  雛の羽ばたき

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