第145話 帆船サルベージ
9月12日。
アルムさんと朝食を食べてると、導師が跳んできた。
10月14日の
俺の褒章はコルアーノ王国には内密。師匠と導師は聖教国から貴国の貴族を褒章授与したいとコルアーノ王国に通知が行ったそうだ。
俺の経歴を伝えないと王国に伏せる事が出来ないので聖教国に御子の出自を明かしたと言うが全然問題なかった。
病気で死にそう>子爵家継承順位破棄(廃嫡)>貴族院に認められ死にかけ>神が現れ御子認定>元気100倍アルベルト。
公式に廃嫡なので王国の貴族の義務は免除。
魔法の師匠になってもらう時以来だが、改めて導師に俺の履歴を確認された。合ってると認めておいた。
3人共が前日13日朝に教会に入り、褒章授与の打ち合わせとリハーサル。13日の晩は教皇、全大司教と食事。14日の晩は褒章パーティーで司教約60名と立食パーティーなので貴族服で参加するとのこと。国内政務の議会議員である大司教と司教に粗相がない様に言われた。
この冒険服が粗相の様に言われてる気がする。
朝から貴族服の事を報告にロスレーンへ帰ると聖教国の話を色々聞かれた。モルドの奴隷商人を殲滅してたら聖教国と協力関係になって感謝されたと適当に説明した。
お爺様がしつこいので(あたりまえだ!)帝国の獣人奴隷や略取された子供達がコルアーノ王国に帰ってきた件に繋がったととぼけたら一応納得してもらえた。
視ると薄々感づいてて聖教国との繋がりをどうやって聞き出そうかと考えてるんだよ。
貴族服を注文しに2番街の服屋にアルムさんと走っていく。馬車も無しに走って来る伯爵家の孫。
10月12日必着で作れと無茶言った。
アルムさんも世話になってるので伯爵家の護衛として恥ずかしくない貴族服を一緒に注文した。サイズを測って伯爵家っぽくしてくれと頼んで割符(さいふ)書いて出てきた。
アルムさんは導師が現役の時は研究室付きの護衛を頼んでたのでお貴族の公式行事は初めてという。貴族服を頼んで顔がワクワク嬉しそう(笑)
・・・・
9月18日。
1週間後の朝にサント海商国に行くと俺を心待ちにしているレプトさんとバーツ海神商会長のバーツさんがいた。
皇帝の邸宅を売買以来の挨拶を済ませ話を聞いた。
一番大きな魔動帆船が時化で座礁したと言う。
現在傭兵で取り囲んで見守ってるとの事。船と積荷でものすごい額になると言う。
皇帝の
邸宅をインベントリに入れているので港の空き地を貸してもらい伯爵邸宅を3つ置く。その間内覧してもらう。元々ハムナイ国行ってる間に内覧してもらおうと思っていたのだ。
レプトさんが言うには10日前の出来事らしい。
俺と別れた1日後に連絡が入ったと言う。
3日程行った海岸沿い。岩礁地帯で荷揚げも船が近づけないらしい。
バーツ会長とレプトさん連れて跳ぶ。
全長80mの大型帆船。動力が帆と魔力推進のハイブリッド。最大の魔動帆船と言うが宗彦さんの乗っていた300mの外航船と比べるとチョーン!と小さい(当たり前だ)
岸から200m程の岩場に引っ掛かって波が派手に舞い上がっている。天気も海も穏やかなのに岩場だけ波が荒れている。
小舟を一艘借りインベントリに入れて巨大船に跳ぶ。
船底へ行くと海でプールになっていて入れない。俺のイメージでは船底の穴からボートで出て巨大船をインベントリに入れる感じだった。余りにも浅はかな素人考えだった。どこに穴が開いてるかも分かんねぇ。都合よく横腹に大穴は空いてなかった。ウォーターワールドめ!
小舟をデッキから6m程下の海に降ろそうとして気が付いた。小舟に乗ったまま海に転移。
海が荒れてて、四つん這いでしがみつく。
魔動帆船にタッチしてインベントリに入れた。
さすがにドーム球場の半分程もあるインベントリだとスポっと入っちゃう。中の海水はそのまま海に捨てた。
小舟を掴んで二人の所へ転移。
船は造船所に入れてほしいと言うので跳んだ。
積荷は?と聞くと皇帝の
造船所デカイ!さすが海商国!
一番お金持ってる国じゃねーのか?驚くデカさだ。
船が出来たら海に滑らせる巨大なレールの上のソリに魔道帆船をそっと乗せる。
あり得ない光景に造船所の皆が驚く。
造船技師達がワッと船に駆け寄って固定し、船の大事な骨を見て行く。船底の大穴を2カ所直せば使えるらしい。
レプトさんが笑顔を輝かせて喜んだ。
バーツ会長が俺の肩を掴んで海のロマンを語り出す。
断った。
レプトさんが造船所で修理の打ち合わせをしてる間、アルムさんと造船所を見て回った。
この世の工業レベルがなんとなく分かった。
・鉄の大砲がある。口径150mmが置いてある。重量2トンの砲身だけ。視ると火薬と魔力のハイブリッド。商船も船首に護身用で持っている。火薬は一発ごとに装填してファイアの魔術紋と火薬の爆発力で撃つ。
・魔道帆船の動力部は魔動回路と呼ばれる。ノズルを備えたウォータージェットの様な動力を持つ。中にタービンやプロペラが無い。ノズルのボディーは竹の子の皮のようなミスリルが何枚も重なり真ん中は中空。ノズルを包み込む一枚一枚に魔術紋が刻まれている。前の口から水を吸って竹の子状の金属筒で加速し噴射する。
工業機械も有る。
・水力とてこの原理によるクレーン
・何メートルもある帆布を縫う水力のミシン。
・同じく魔獣の糸を帆布に変える水力の織り機。
・フライホイールと魔力を利用した製材用丸鋸と回転やすり。
巨大な石の慣性と少ない魔力で、持続的かつ強力な切断の回転力を補ってる。見上げる様な大きな機械だ。
ロスレーンでは見た事も聞いたことも無いような重工業機械ばかりだった。
造船所は川を利用した粉挽き小屋どころでは無い。
俺の知ってるコルアーノは小麦を挽くのにみんな粉屋に預けるレベルだ(笑)(アルは機械的な動力で動く物を水力の粉挽き小屋しか知らない)
プレートメイルを鉄どころかミスリルで作るんだ。
あっちの世に無い魔力があるんだ。利用するのは当たり前か。
レプトさんの打ち合わせが30分程で終わり、積荷を置きに4人で商会へ帰ってきた。倉庫に大量に積荷を置いたら隙間が辛い。
「お礼はどうしましょう?」と言ってくれたので、皇帝を始め貴族の絹製の衣類を買ってくれと言ったら全部売れた。
捨て値でも無くなれば嬉しい。わーい。
・・・・
11時過ぎになってしまったがハムナイ国へ跳んだ。
ラムール商会長と番頭タクサルさんが待っていてくれた。
「遅くなって済みません」
「いや、構わんよ。量が量だ、運ぶのも時間がかかる」
「運んであげますよ」
「御子様の力を見た者が追う様になるぞ」
「追われたら逃げるだけです(笑)」
「逃げられそうに思えるから不思議じゃの(笑)」
「いえ、取引済んだら北の中央大陸に帰るだけです」
「輸送を考えねば莫大な益が出すぎるが、時間を使っても予定を変更する価値はあるな。数量や金額が変わる訳ではない。納期を伸ばすわけでもない。納期を早くするなら執政担当者に将軍の発注書を持ってねじ込もう」
「急に言い出して済みません、その方が楽かと思って」
「元々国民義勇兵の武器なのじゃ。武器が早く手に入れば現状の義勇兵にも武器が回る事となる。悪い話は一つもない、気にせずともよい。代金は将軍が払う訳ではない。担当者が出す書類が重要なので整えるだけじゃ」
「軍の駐屯地まで2か月ですが距離は大丈夫かな?」
「駐屯地を知ってる人が居たら大丈夫です。タクサルさんがラムール会長の家を知っていた様に」
「戦場の近くです。御子様は大丈夫ですかな?」
「アルムさんいますから護衛は大丈夫です」
「・・・」
「私も強いですから」戦場を一回見たい。
「・・・」強がり言う子供を誰も信用していない。
「とりあえず話を進めて下さい。駐屯地を知る人も用意して下さい」
レプトさんが商談をしてくれている。戦場まで運ぶ日数、安全経路、護衛、荷馬車、宿泊数などとんでもない金額が飛び交っている。武器より高くなってる(笑)
転移で一発じゃ戦争もひっくり返るわな。
30分ぐらいヨーグルトドリンクを飲んで待ってる間に布教恩寵に交換した。アルムさんに戦場行くから御子の力で恩寵を与えるねと取り合えず自分にいつものセットを付けた。
「好きな剣を使ってくれる?」
ミスリル剣をズラっと出す。
「いいの?」
「いいよ、魔獣じゃ無いから、戦争だから」
「そんじゃ、コレ」両刃の片手剣だ。やっぱ師匠と同じタイプの刺突も兼ねるミスリル剣を選んだ。魔獣はチェーンメイルとか着ないから。
「これから護衛の時はそれ使ってね(笑)」
「うん!ありがとう」
今のアルは導師が開発した吸魔紋の付いた魔術紋の冒険服を着ている。この魔術紋は本人の魔法防御Lvに応じた魔法障壁を常時体の輪郭に纏う。
アルは布教で魔法防御をLv10にすると遠隔魔法攻撃(ファイアボール、アースアローなど)は効かなくなる、防いだ物理的な衝撃が少し痛いだけ
すでに宮廷魔道士に伝授され実用化されている。
それまで導師は手動で魔法障壁を纏っていた(アルと師匠が身体強化で魔力を巡らせるのと同じ)
布教恩寵
恩寵付与Lv10 精神耐性Lv10 麻痺Lv10 恩寵強奪Lv10 恩寵分解Lv10 ステータス封印Lv10 恩寵防御Lv10 麻痺耐性Lv10 毒耐性Lv10 防具強奪Lv10 魔術紋Lv10 並列思考Lv10
対戦闘恩寵
状態異常耐性Lv10 精神耐性Lv10 危機感知Lv10 自己再生Lv10 気配遮断Lv10 気配察知Lv10 魔法防御Lv10 物理防御Lv10
俺がブーストしようと思ったら、アルムさんの持って無い恩寵は自己再生だけだった。あとはLv10にブーストするだけだった。
アルムさんが大笑いしてる。
「御子様ってすごーい!」
「でしょ?御子様でしょ?」
「うん!」そんで終わるアンタもすごいわ。
恩寵付けたら食事に行った。
代金を担当する文官の責任者に仔細を話したうえで書類の差し替えなので時間が掛かると言われた。そりゃそうだ。
それでも書類一つなら1時間かな?と思ってたら2~3時間は掛かると言われた。ガーン。
ハムナイ国の首都で食事、観光、お土産買った後に言うのもアレだけど出発は15時。いくらなんでも萎えた。
納期の書類が揃ってから慌ただしくなった。
レプトさんが武装し始めた。
「レプトさんも行くんです?」
「バーツ海神商会が受けた仕事ですから」
タクサルさんが、護衛の兵士を2人連れてきた。
「御子様、現地を知ってる土地の者です」
タクサルさんは、武装してスケイルアーマー着てる。
「タクサルさんも行くんです?」
「ラムール商会がサインもらわなきゃダメだろ(笑)」
「あ!そうですね(笑)」
「御子様は怖くないのかよ?(笑)」
「慣れましたね(笑)」
「慣れてんのかよ!凄いな!」
「アル君慣れてるの?(笑)」
ウケるー!な顔しないで。
「うん」
「3カ所、ここと、ここと、ここだ」地図を指す。
「こんなに広く戦ってるんです?」驚いた。
「それより、部位ごとにすぐ出せるんだな?」
「はい」
「そんじゃ、ラムール会長に言って出発するか」
「レプトさん、凄い鎧ですね」
「固亀の皮だよ、軽くて硬い。俺たちの装備さ」
視たらアーケロンって古代亀だ。6mだって。
タクサルさんが帰ってきた。
「行くか?」地図と書類鞄を下げた猛者が言う。
護衛兵士に地図を見せて何か喋っている。
「縺輔>縺励g縺ッ縺薙%縺?」
(心声と心聴です)
(それで分かるの?)
(普通に話せば相手に分かるです)
(シェルありがとう)
(はいです)
心声Lv10 心聴Lv10を俺とアルムさんに付けた。
「最初はあなたが案内してくれるのですね?」
護衛が驚く。
「はい、村まで僕が案内します」
「それでは皆で手を繋ぎましょう」
北の中央大陸語なのに全員に伝わっている。
跳んだ!
最初は正規軍と現地部族義勇兵の混成軍だった。
山の要塞下にある村だった。
村の外には熱帯性の草が生い茂っている。
タクサルさんが村の人に言う。
「要塞まで案内してくれ」お金を見せる。
「お待ちを!要塞の食料係が今来てます」
「おぉ、そうか!案内してくれ」とお金を渡す。
食料係が40人ぐらいいた。
事情を話すと案内を1人付けてくれた。
密林を分け入ると大きな岩山が見えてきた。
真下からだと木の茂みに紛れて分かりにくい。
山賊の要塞と国の要塞では規模が1000倍違う(笑)
岩山ごとくり抜いた基地になってる。
案内兵士の人に連れられて検問所で要件を聞かれる。
「司令官に会わせてくれ、将軍に頼まれて武器を持って来た」
ラムール商会への将軍の発注書を見せると案内されて応接室に通された。
3名の将官が入ってきた。
1名は明らかに現地部族で装束が違う。
「私がドモフ子爵。混成軍少将でこの基地の司令官。将軍の命で来たとか?」
「ラムール商会のタクサルです。これをどうぞ」
将軍の手紙と一緒に発注書の書類を出す。
「うむ!分かった、ご苦労だった。感謝する」
「それでは物を見せて頂こうか。武器庫、いや、物が多いな。訓練場にするか。数量確認に兵站部隊の兵士を100名程連れて来い」
「それでは訓練場へ行きましょう」
皆(6人だけど)で付いていくと広大な訓練場が有った。
「驚きましたかな?」
「はい!」
密林側から来るとただの山に見えるが山の向こう側は崖。
密林自体がテーブル大地にあるのだ、崖の下まで20m降りると地平線まで平地が続く。
テーブル大地が岩山まで来てるので密林を切り開いて広大な訓練場にしている。
ここはスコールが来ますからな、訓練場に出るこの入り口前に並べて頂けるとありがたい。
山から訓練場に出る入り口は柱を除けば40m程の横幅と雨でも訓練できるような100m程の横穴状になっている。
・片手剣8000から100ずつ80束を並べて行く。
・両手剣8000です。100ずつ80束を並べて行く。
・鎗が4000です。100ずつ40束を並べて行く。
・次にチェーンメイル6000になります。
100着ずつ60束を並べて行く。
・スケイルメイル10000になります。
100着ずつ100束を並べて行く。
・ラメラ―メイルに6000になります。
100着ずつ60束を並べて行く。
・プレートメイル2000になります。
100着ずつ20束を並べて行く。
タクサルさんに頷く。
「以上。将軍ご用命の武具をご確認ください」
ドモフ少将が下士官に頷き、下士官が兵站部隊100名に各武具の「ここの数量」「ここの数量」と指示して行く。
12名程が指示された数量を確認して行く。
「100間違いありません」~「100間違いありません」
抽出検品・・・軍もやるな。
「間違いありません。100あります。束も数量ございます」
「よろしい、受け取りのサインをしよう」
元の応接室でタクサルさん、司令官と副司令官のサインを書いて魔術認証紋が出来た。
「ありがとうございました、次は東部方面陣地に参りますので、先を急ぎたいと思います」
「うむ、将軍に感謝を伝えてくれ」
「分かりました」
タクサルさんとドモフ少将が握手をする。
「それでは失礼します」
要塞を後にするときにテーブル大地から下の平地を覗くと遠くに天幕らしきものが沢山並んでいるのが視えた。
毎日戦ってる訳じゃ無かった(笑)
戦争の事なんて分かんねぇよ。
でも現地部族の将官がすごく嬉しそうだったから武器無かったんだろうなと思う。嬉しそうな顔を見ただけでご褒美だった。二人の将官は明らかに貴族だったから武器は絶対持ってるしな。
基地を出て少し歩いた密林で東部方面陣地に跳ぶ。
今度は街の前に出た。
東部方面陣地は前線から離れている基地だそうだ。この街を拠点にしているという。
陣地の司令部庁舎を訪ねた。
守衛さんにタクサルさんが話をするとすぐに司令部の下士官が迎えに来た。やっぱ正規軍はきちっとしてる。
武器庫担当の武官が出て来て、そのまま倉庫に案内される。
そのまま武器4万、防具4万置いた。
「はい確認いたしました」
視たら鑑定持ちだった。さすが正規軍!
義勇兵用の武器が全然足らずに困っていた。武器は高いから領民なんて持って無いのよ。身一つで義勇軍に来たら武器にも困るよ。
「タクサルさんと担当の武官が施設に入っていく」
待ってる間にグレープジュースを冷やして皆で飲んでたら、武官とタクサルさんが出てきた。
二人にも冷えた小壺を渡す。
「冷えてるじゃないか!美味いなぁ」
「喉が潤います。冷えて美味しいですな(笑)」
皆の飲んだ壺は受け取っておく。
「次は中央陣地まで参りますので失礼いたします」
「ご苦労様でした、お気を付けて」
門から街に出て次第に口も軽くなる。
「最初の山の要塞の時は一日で終わらないかと」
「普通だって一日で終わらねぇよ(笑)」
「今の所みたいに簡単ならいいのに(笑)」
「そうだなぁ」
「だいぶ武具も軽くなりました」
「さぁ、気合い入れて行くぞ。前線の陣地だ」
「戦ってますかね?」
「そこまで前線じゃ生きて帰れないぞ(笑)」
日が落ちた所で薄暮、早く次へ行きたかった。
「そこの路地裏から跳びましょうか?」
「そうだな、御子様頼みます」
跳んだ。
19時過ぎ。本軍の中央陣地。前線の手前の基地だ。
守衛にタクサルさんが話しかけて、皆が待合所に呼ばれた。待合所でお茶を出されて待っていると担当の武官が迎えに来てくれた。
「将軍の手紙と武器と言うのは本当か?」
こちらをどうぞと、将軍の発注書を見せる。
「よし、分かった。担当官の所へ案内する」
案内された所で担当武官と鑑定持ちの文官が引き継いでくれた。検品してから司令官の所でサインの時に手紙を渡してくれと言う。
暗くなったけど、なんとか仕事は終わりそうだ。
武器3万 武具3万を倉庫に出す。山積みだった。
「数量確認しました」と担当官に文官が言う。
「それでは、サインを致しますのでこちらへ」
タクサルさんが担当官と文官と一緒に庁舎に入っていく。
俺たちが庁舎前で15分ほど待っていると半鐘が鳴った。
守衛が鐘を鳴らしている。
視たら300位の敵が門に群がってる。
しかし視えない!魂も真っ黒でイメージが無い敵。
怒って叫んで暴れる感覚だ。
闇に呑まれてる人?
「様子が変だね、アル君ここにいて」
「うん」
レプトさん、護衛の二人と俺で庁舎の前に固まる。
「アルムさんて強いの?」鐘が鳴る中、呑気な会話。
「勝てる人居ないと思いますよ」
「え?そんなに強いの?」
「強すぎますよ(笑)」
アルムさんが走って来た。
「アル君、穢れだよ!穢れが来てる。行くよ」
「はい!」
「え?穢れ?」皆、何の事か分からない。
アルムさんと俺が門に向かって駆け出す。
人影が300人。中央陣地の基地内に入って来てる。
アルムさんを視た。穢れは死体、ゾンビだった。
次回 146話 死兵襲来
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